地球防衛…隊??(※部活です)〜守秘義務から始まる青春〜

明見朋夜

文字の大きさ
5 / 7

5話 その儀式、やる意味あります?

しおりを挟む
キーンコーンカーンコーン…

チャイムが鳴ってしまった。

「じゃあ、また明日な」

担任の鹿島は、サラッと教室をでた。
同級生たちも、教室をでたり、教室で話をはじめたり「教室あるある」の様子だった。

リコは何事もなく一日が終わり不思議に感じていた。

『編入に関して誰も突っ込まないんだ』 

放心状態でいると、ユカが目の前に現れた。

「リコちゃん、部室まで一緒に行こ!!」

キラキラの陽キャオーラ
リコは眩しくてユカを二度見してしまった。

「リコちゃん、今日はユカとカナタと一緒に居てね。僕たちはちょっと外にでるから」

ミホが安定したフワフワ感で教室のドアから手を振った。隣にはタカコ。眼力がリコに届いた。
不思議な圧に押され素直にリコは第二資料室に移動した。

「……で、これは何?」

リコは、目の前の光景を指差して、今日何度目かわからない溜息をついた。
 机の上には、なみなみと注がれたコップの水。そして、その上に浮かぶ一枚の葉っぱ。

「リコちゃん知らない??『水見式みずみしき』だよ!」

ユカが「当然知ってるよね」という、キラキラ笑顔をリコに向けた。

「リコちゃんの資質を調べるの! 地球防衛隊員としての第一歩だよ!」

『いや、見ればわかるよ。某・超有名ジャンプ漫画の修行シーンだよね。
これ、著作権とか大丈夫? 組織の力で揉み消すの?』

リコは内心で毒づきながら、隣でゲーム機を握りしめているカナタを見た。

「……ユカは具現化系」

カナタが、画面を見つめたまま、無駄にシリアスな低音で呟く 。

「やる気が出すぎて、昨日、部室に実物大の『特大ジャガイモ』を具現化させた。
あれ、夕飯のカレーに入れたら美味しかったよ」
「ジャガイモ!? もっと聖剣とか、かっこいいもの出しなよ!」

思わず突っ込む私に、カナタはメガネの奥の瞳をスッと細めた。
相変わらず画面は見ている。

「俺は放出系。ゲームのコントローラーのボタン入力を、物理的な衝撃として飛ばせる。
……あ、今のボス、今の衝撃で倒した」
「便利すぎない!? ていうか、普通に超能力者じゃん! さっきから何なの、このガチ勢感!」

リコ達が話していると…

ガラガラ

戸が開いた。振り返るとイケメンがいた。守谷蓮だ。

「お!?水見式みずみしき!?」
「蓮くん!そうなの!リコちゃんの資質みないと!と思って」
「なるほどね。何系かわかったら教えて。ちゃんと部活に参加して安心したよ。」

イケメンは軽くリコの肩を叩くと部屋を去った。

「さあ、リコちゃんも手をかざして! 念を込めるんだよ!」

ユカの圧に押され、私は半信半疑のままコップの横に手を添えた。

『……変われ、変われ! 水が甘くなるとか、葉っぱが踊るとか……!』

――一分経過。 水は、ただの水。葉っぱは、微動だにしない。

「……ねえ、何も起きないんだけど。私、やっぱり才能ないんじゃ――」

ガラガラ…リコが弱音を吐いたと同時に戸が開いた。
振り向くと、鹿島が立っていた。手にはパンを抱えている 。

「お前ら何やってるの?」

鹿島が不思議そうにコップの水を見ていた。

「水見式だよ」

カナタがボソッと答えた。一瞬、視線が泳いだった。

「今、それ流行ってるのか?」

関係者の鹿島が不思議そうな顔をしている。リコも不思議な顔をしてユカをみた。

「リコちゃん、ごめんね! 雰囲気出るかなーって思って☆」

ユカがテヘペロっと笑う。

「……」

私は、静かにコップの水を飲み干した。

「……ただのごっこ遊びじゃねーか!!! 私のドキドキを返せ!!!」

しん、と静まり返る第二資料室。 その沈黙を、鹿島がパンをかじりながら、思い出したように破った。

「あ、ちなみに俺は強化系な」
「乗っかるんかーーーい!!!」

空気の読めない担任。 無関心な陰キャゲームオタク。 常に笑っている陽キャの部長。

リコの、不安しかない部活動が幕を開けた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

処理中です...