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あなたは誰とデートをしたの?
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私がそう言うと目の前にいる彼氏、潤は真っ青になった。
「じゃ、じゃあ俺があの日一緒にいたのは誰だって言うんだよ」
「そんなの知らないわよ。私じゃないのは確かよ」
本当に腹が立つ。いつまでシラを切り通せると思っているのだろうか。
付き合って3ヶ月。他の女の影はないと思っていたが、やはり3のつくときには気をつけなさい、という先人の教えは正しかったのだろう。
「で、でも。そんなのおかしいよ」
「おかしい? なにがよ」
私は心の底から潤のことを愛している。大好きだ。なのに、潤が好きだったのは私だけじゃないなんて、許せない。私という女がありながらもホイホイとついていった女も許せない。
「凛が忘れている、とか……?」
「なんで一昨日のことなのに忘れるのよ」
「そうじゃないとおかしいじゃないか! だって、俺が一緒にディナーを食べに行ったのは本当に凛だったんだよ。ああ、そうだ。そんなに疑うのならレストランに確認したっていい」
「でも私は一昨日、弟の誕生日だから家族で夕食を食べていたのよ。その時間ならスーパーに追加のお菓子を買いに行ったわ。そこの定員さんに確認したっていいわよ」
だんだんとお互い声が大きくなっていく。
はあ、と、大きく一つため息をつく。
「じゃあどうやって私のことを誘ったのよ」
「駅のホームに立っていたじゃないか。というか、あの声をかけてきたのは凛だったんだけど」
「会ってもないのに。本当に嘘が下手ね」
私は本当のことを話してほしいだけなのに、なんで嘘をつかれなくちゃいけないんだろう。私ってその程度の存在なのだろうか。悔しくって、涙が出そうになる。
「あのぉ」
横から声をかけられる。何となく聞いたことのあるような声だ。
ゆっくりと振り向くとそこには私がいた。
いや、私にそっくりななにか、だ。ドッペルゲンガーとでも言うのだろうか。
「なんで凛が二人……?」
「誰、あんた……」
言葉が出なくなる。
「私、です。一昨日潤くんとでかけたのは私です」
そう言うとそのドッペルゲンガーはボワワンと音を立てて、白い煙に包まれた。瞬きをすると、そこにドッペルゲンガーの姿はなかった。その代わり、下の方から可愛らしい女の子の声がした。
「私、なんです」
そこにいたのはたぬきだった。葉っぱを頭の上にちょこんと載せて、くりくりした瞳でこちらをじいっと見ている。
「お礼がしたかったんです。この前、車に惹かれてしまったところを潤くんに助けてもらったんです。シラない人の姿だと会ってくれないかなって思って」
「こ、この……」
私はすうっと大きく息を吸ってから大きな声でたぬきに怒鳴りつける。
「人の男を取るんじゃないよ!このハラグロ化け狸!潤は私の潤なんだから金輪際手を出すんじゃないよ!!」
「じゃ、じゃあ俺があの日一緒にいたのは誰だって言うんだよ」
「そんなの知らないわよ。私じゃないのは確かよ」
本当に腹が立つ。いつまでシラを切り通せると思っているのだろうか。
付き合って3ヶ月。他の女の影はないと思っていたが、やはり3のつくときには気をつけなさい、という先人の教えは正しかったのだろう。
「で、でも。そんなのおかしいよ」
「おかしい? なにがよ」
私は心の底から潤のことを愛している。大好きだ。なのに、潤が好きだったのは私だけじゃないなんて、許せない。私という女がありながらもホイホイとついていった女も許せない。
「凛が忘れている、とか……?」
「なんで一昨日のことなのに忘れるのよ」
「そうじゃないとおかしいじゃないか! だって、俺が一緒にディナーを食べに行ったのは本当に凛だったんだよ。ああ、そうだ。そんなに疑うのならレストランに確認したっていい」
「でも私は一昨日、弟の誕生日だから家族で夕食を食べていたのよ。その時間ならスーパーに追加のお菓子を買いに行ったわ。そこの定員さんに確認したっていいわよ」
だんだんとお互い声が大きくなっていく。
はあ、と、大きく一つため息をつく。
「じゃあどうやって私のことを誘ったのよ」
「駅のホームに立っていたじゃないか。というか、あの声をかけてきたのは凛だったんだけど」
「会ってもないのに。本当に嘘が下手ね」
私は本当のことを話してほしいだけなのに、なんで嘘をつかれなくちゃいけないんだろう。私ってその程度の存在なのだろうか。悔しくって、涙が出そうになる。
「あのぉ」
横から声をかけられる。何となく聞いたことのあるような声だ。
ゆっくりと振り向くとそこには私がいた。
いや、私にそっくりななにか、だ。ドッペルゲンガーとでも言うのだろうか。
「なんで凛が二人……?」
「誰、あんた……」
言葉が出なくなる。
「私、です。一昨日潤くんとでかけたのは私です」
そう言うとそのドッペルゲンガーはボワワンと音を立てて、白い煙に包まれた。瞬きをすると、そこにドッペルゲンガーの姿はなかった。その代わり、下の方から可愛らしい女の子の声がした。
「私、なんです」
そこにいたのはたぬきだった。葉っぱを頭の上にちょこんと載せて、くりくりした瞳でこちらをじいっと見ている。
「お礼がしたかったんです。この前、車に惹かれてしまったところを潤くんに助けてもらったんです。シラない人の姿だと会ってくれないかなって思って」
「こ、この……」
私はすうっと大きく息を吸ってから大きな声でたぬきに怒鳴りつける。
「人の男を取るんじゃないよ!このハラグロ化け狸!潤は私の潤なんだから金輪際手を出すんじゃないよ!!」
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自白したところを罵られる狸ちゃんがちと不憫ですが、それも愛ゆえですね^^ 面白かったです。