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二章
鏡の塔のカオス
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吹き抜けから、紫色の光が立ち昇った。中空に舞っていたハンカチが黒い砂のように細かくなり、消えていく。
服が震えるほど大きな悲鳴と、驚きの叫びと、どこかで石が崩れるような音。
「あれか。この塔の兵器というのは」
唇を噛みしめるリティシアの横顔は、ひどく蒼ざめていた。
「どういうわけか、失敗したようですけどね」
安堵と疲れで、座り込もうとする体になんとか力をいれる。
「今のでフィダール達は死んだんじゃないだろうな? さっき吹き抜けの階段を下りていったが」
「まさか。そこまでバカではないでしょう。きっと今頃塔から脱出していますよ」
石のこすれる音がして、壁の一部が開いた。隠し通路が有ったらしい。そこから赤い仮面を付けたケラス・オルニスの兵達が現われた。もちろん皆コウモリに襲われないよう赤い仮面を被っている。
「完全に我々を全滅させるつもりですね」
ラティラスは苦々しく呟いた。
「ラティラス! 剣を持って来い! 一緒に戦う!」
リティシアの言葉に、思わず笑みを浮かべる。これこそリティシア姫だ。なんだか彼女の存在で、ぼろぼろの心に血と力が通うようだった。
「姫(ひい)様、相変わらずお勇ましいことで。少しはワタシに格好つけさせてくださいよ。たまにはあなたを守らせてください」
言いながらも、ラティラスは床に落ちていた剣を手渡す。リティシアが剣を抜くのを横目で確認し、自分の剣を構えた。
襲ってきた剣を払い除ける。カモフラージュの剣を覆う板が砕け散った。
遠くで悲鳴があがる。どこかで、ガン、ガン、と硬い物を硬い物で連打する音が聞こえた。
この階にいる者のほとんどが、黒いコウモリとケラス・オルニスの兵に屠(ほふ)られていき、辺りはだんだんと静かになっていった。
兵に殺された参加者の血が、床にまだら模様を描いている。もう鼻がなれてしまい、血の臭いはしなかった。
いつの間にか、ラティラス達はケラス・オルニスの兵に取り囲まれていた。リティシアと背を合わせるようにして、襲いかかる刃を払い除ける。
(くそ、敵の数が多すぎる! そもそも剣はそれほどうまくないんですよ!)
息が切れ、乾ききった喉が痛む。剣を振り続けていた腕が振るえる。続く緊張で頭がズキズキと傷んだ。
敵の切っ先がラティラスの左胸を貫こうとする。
(ここまできて殺されるのか? せっかく姫様に会えたのに?)
ギン、と金属同士のぶつかる音。突然横から現われた銀光に、剣がそらされる。
「ここにいたか、ラティラス」
「あー、セダル! お久しぶりですね!」
ラティラスの命を救ったのは、親衛隊のセダルだった。
一緒に姫の嫁入り行列を警護した時から一年も経っていないはずだが、もう何十年も会っていないように感じる。
セダルは仮面の敵のスキをつき、相手の腹に剣を突き刺してから、呆れたようにラティラスをながめた。
「なんだその格好は」
「なかなか狂気じみていていいでしょう? 前衛的な芸術に見えませんかね」
ラティラスはニヤリと笑った。
考えてみれば、自分は目の周りを血で赤く染め、肩に羽根をつけた貴族風の服を着て髪を逆立て、あちこちに傷をつけて赤いシミをつけているわけで、鏡を見ればさぞかしおもしろい格好になっているだろう。
「セダル!」
肩で息をしながらリティシアが言った。
「り、リティシア様! ご無事でしたか!」
「『ご無事でしたか』ではない! 私の親衛隊でありながら、なぜもっと早く助けに来ないのだ!」
「も、もうしわけありません!」
「でも、どうしてここが?」
ラティラスが聞いた。
いつの間にか親衛隊の制服を着た男達が、パーティー会場の中で黒いコウモリと戦っている。
力自慢の親衛隊がバトルアクスに物を言わせたのだろう、吹き抜けを囲う柵には、人が通れるほどの隙間が空けられていた。その隙間近くでは階下へ逃げようとする者達と、上がって来ようとする者達で渦を巻いている。
「どうしても何も。農機具小屋で商人が見つかってな。そいつを襲った奴の人相を訊いたら……」
「あ、なんか分かったからそこまでで結構です」
「それにしても、なんださっきの光は! あの物体は!」
セダルは三人掛かりで黒いコウモリを押さえ付けている同僚の方を顎(あご)で指した。「ワタシもよく知らないんですよ!」
また新手のケラス・オルニスが頭上に剣を振り下ろそうとする。なんとかそれを受け流しながらラティラスはどなった。
「弟神の作りたもうた武器だそうですよ。ちなみにコウモリは赤い仮面を被るか目のまわりを赤くすれば襲ってきませんから!」
「は? なんだそりゃ?」
「疑問はもっともですが、説明しているヒマはありませんよ。早く――」
斬りかかってきた敵の切っ先から逃げるとき、大きめの石を踏んでしまい、ラティラスは顔をしかめる。
もう揺れは収まったというのに、天井から石は落ちてくるし、壁には新しいヒビが入るし、この塔が崩れ落ちるのは時間の問題だった。
「――早く逃げないと!」
とセダルに叫んだが、はっきり言って逃げ切れる気はしなかった。
今はまだケラス・オルニスの兵がいるから親衛隊と共闘状態になっているものの、それが終われば次に剣を向けられるのはラティラスだ。とても一人で切り抜けられるとは思えない。
爆発のような音がして、ケラス・オルニスも親衛隊も、一瞬立ちすくんだ。
吹き抜けに沿って作られた階段の一部に、岩のように大きな天井の欠片が直撃したらしい。階段が途中でなくなっていた。運よくつぶされずにすんだ親衛隊の一人が、飛び込み台のようになった階段の端で腰を抜かしていた。
「あああ! 脱出路が!」
思わず悲鳴を上げた。
さっきケラス・オルニスの兵達がやってきた隠し通路はあるが、親衛隊もそれを使うだろう。この混乱では逃げる前に塔が崩れるかも知れないし、親衛隊と逃げたのでは後々自分は捕まり、リティシアとは引き離されるだろう。
「ラティラスさん!」
頭上から、この混乱の中でも響く澄んだ声が降り注いだ。
見上げると、上の吹き抜けからファネットが顔を覗かせていた。
三階にいるファネットの足元には、手回式の巻き上げ機があった。それにセットされている鎖は、鳥籠の頂点に繋がっている。この鳥籠はこれを使って二階に運び込まれたのだろう。
ファネットはハンドルを押さえているストッパーを足で蹴り、外した。
金属性の音を立てて、自身の重みで鎖が落ちていく。見えない手が操作しているようにハンドルが勝手に回る。
金属性の蛇がとぐろを巻くように、籠を乗せたバルコニーに鎖が溜まっていく。
ファネットの計画が分かって、ラティラスはニヤッと笑った。
「ありがとうございます、ファネットさん」
バルコニーに出て、籠のそばに駆けよる。ラティラスは思い切り籠を蹴り飛ばした。勢いで危うく吹き抜けから落ちる所だった。
鳥籠が床に叩きつけられ、耳が痛くなるような金属音がとどろいた。
「リティシア姫! こちらに!」
退路を確保したセダルが叫ぶ。
細い棒のように張った鎖に片手をかけ、ラティラスはもう片方の手をリティシアに差しのべた。
「姫(ひい)様!」
リティシアの安全を考えるなら、親衛隊にあずけるべきだ。それはラティラスにも分かっていた。目の前で姫を連れ去られる前の自分なら、そうしていただろう。けれど、今は。
「もう二度と離ればなれになってたまるか!」
ラティラスの想いそのままの言葉を放ったのはリティシアだった。
細い手が、ラティラスの手をつかむ。
「姫様、肩につかまっててください!」
リティシアが言われる通りラティラスの両肩にしがみついた。スカートがマントのようにラティラスの足元で揺れる。
「あだだだ!」
手の平の皮が鎖の隙間でひっかかれ、摩擦の熱にやられて声が出るほど痛い。
片手でリティシアを抱え、片手で鎖をつかみ、さっそうとすべり落ちる、そんな劇にありがちな格好のいいシーンとはならなかったが、それでもラティラスはどうにかこうにか姫君を塔から助け出した。
服が震えるほど大きな悲鳴と、驚きの叫びと、どこかで石が崩れるような音。
「あれか。この塔の兵器というのは」
唇を噛みしめるリティシアの横顔は、ひどく蒼ざめていた。
「どういうわけか、失敗したようですけどね」
安堵と疲れで、座り込もうとする体になんとか力をいれる。
「今のでフィダール達は死んだんじゃないだろうな? さっき吹き抜けの階段を下りていったが」
「まさか。そこまでバカではないでしょう。きっと今頃塔から脱出していますよ」
石のこすれる音がして、壁の一部が開いた。隠し通路が有ったらしい。そこから赤い仮面を付けたケラス・オルニスの兵達が現われた。もちろん皆コウモリに襲われないよう赤い仮面を被っている。
「完全に我々を全滅させるつもりですね」
ラティラスは苦々しく呟いた。
「ラティラス! 剣を持って来い! 一緒に戦う!」
リティシアの言葉に、思わず笑みを浮かべる。これこそリティシア姫だ。なんだか彼女の存在で、ぼろぼろの心に血と力が通うようだった。
「姫(ひい)様、相変わらずお勇ましいことで。少しはワタシに格好つけさせてくださいよ。たまにはあなたを守らせてください」
言いながらも、ラティラスは床に落ちていた剣を手渡す。リティシアが剣を抜くのを横目で確認し、自分の剣を構えた。
襲ってきた剣を払い除ける。カモフラージュの剣を覆う板が砕け散った。
遠くで悲鳴があがる。どこかで、ガン、ガン、と硬い物を硬い物で連打する音が聞こえた。
この階にいる者のほとんどが、黒いコウモリとケラス・オルニスの兵に屠(ほふ)られていき、辺りはだんだんと静かになっていった。
兵に殺された参加者の血が、床にまだら模様を描いている。もう鼻がなれてしまい、血の臭いはしなかった。
いつの間にか、ラティラス達はケラス・オルニスの兵に取り囲まれていた。リティシアと背を合わせるようにして、襲いかかる刃を払い除ける。
(くそ、敵の数が多すぎる! そもそも剣はそれほどうまくないんですよ!)
息が切れ、乾ききった喉が痛む。剣を振り続けていた腕が振るえる。続く緊張で頭がズキズキと傷んだ。
敵の切っ先がラティラスの左胸を貫こうとする。
(ここまできて殺されるのか? せっかく姫様に会えたのに?)
ギン、と金属同士のぶつかる音。突然横から現われた銀光に、剣がそらされる。
「ここにいたか、ラティラス」
「あー、セダル! お久しぶりですね!」
ラティラスの命を救ったのは、親衛隊のセダルだった。
一緒に姫の嫁入り行列を警護した時から一年も経っていないはずだが、もう何十年も会っていないように感じる。
セダルは仮面の敵のスキをつき、相手の腹に剣を突き刺してから、呆れたようにラティラスをながめた。
「なんだその格好は」
「なかなか狂気じみていていいでしょう? 前衛的な芸術に見えませんかね」
ラティラスはニヤリと笑った。
考えてみれば、自分は目の周りを血で赤く染め、肩に羽根をつけた貴族風の服を着て髪を逆立て、あちこちに傷をつけて赤いシミをつけているわけで、鏡を見ればさぞかしおもしろい格好になっているだろう。
「セダル!」
肩で息をしながらリティシアが言った。
「り、リティシア様! ご無事でしたか!」
「『ご無事でしたか』ではない! 私の親衛隊でありながら、なぜもっと早く助けに来ないのだ!」
「も、もうしわけありません!」
「でも、どうしてここが?」
ラティラスが聞いた。
いつの間にか親衛隊の制服を着た男達が、パーティー会場の中で黒いコウモリと戦っている。
力自慢の親衛隊がバトルアクスに物を言わせたのだろう、吹き抜けを囲う柵には、人が通れるほどの隙間が空けられていた。その隙間近くでは階下へ逃げようとする者達と、上がって来ようとする者達で渦を巻いている。
「どうしても何も。農機具小屋で商人が見つかってな。そいつを襲った奴の人相を訊いたら……」
「あ、なんか分かったからそこまでで結構です」
「それにしても、なんださっきの光は! あの物体は!」
セダルは三人掛かりで黒いコウモリを押さえ付けている同僚の方を顎(あご)で指した。「ワタシもよく知らないんですよ!」
また新手のケラス・オルニスが頭上に剣を振り下ろそうとする。なんとかそれを受け流しながらラティラスはどなった。
「弟神の作りたもうた武器だそうですよ。ちなみにコウモリは赤い仮面を被るか目のまわりを赤くすれば襲ってきませんから!」
「は? なんだそりゃ?」
「疑問はもっともですが、説明しているヒマはありませんよ。早く――」
斬りかかってきた敵の切っ先から逃げるとき、大きめの石を踏んでしまい、ラティラスは顔をしかめる。
もう揺れは収まったというのに、天井から石は落ちてくるし、壁には新しいヒビが入るし、この塔が崩れ落ちるのは時間の問題だった。
「――早く逃げないと!」
とセダルに叫んだが、はっきり言って逃げ切れる気はしなかった。
今はまだケラス・オルニスの兵がいるから親衛隊と共闘状態になっているものの、それが終われば次に剣を向けられるのはラティラスだ。とても一人で切り抜けられるとは思えない。
爆発のような音がして、ケラス・オルニスも親衛隊も、一瞬立ちすくんだ。
吹き抜けに沿って作られた階段の一部に、岩のように大きな天井の欠片が直撃したらしい。階段が途中でなくなっていた。運よくつぶされずにすんだ親衛隊の一人が、飛び込み台のようになった階段の端で腰を抜かしていた。
「あああ! 脱出路が!」
思わず悲鳴を上げた。
さっきケラス・オルニスの兵達がやってきた隠し通路はあるが、親衛隊もそれを使うだろう。この混乱では逃げる前に塔が崩れるかも知れないし、親衛隊と逃げたのでは後々自分は捕まり、リティシアとは引き離されるだろう。
「ラティラスさん!」
頭上から、この混乱の中でも響く澄んだ声が降り注いだ。
見上げると、上の吹き抜けからファネットが顔を覗かせていた。
三階にいるファネットの足元には、手回式の巻き上げ機があった。それにセットされている鎖は、鳥籠の頂点に繋がっている。この鳥籠はこれを使って二階に運び込まれたのだろう。
ファネットはハンドルを押さえているストッパーを足で蹴り、外した。
金属性の音を立てて、自身の重みで鎖が落ちていく。見えない手が操作しているようにハンドルが勝手に回る。
金属性の蛇がとぐろを巻くように、籠を乗せたバルコニーに鎖が溜まっていく。
ファネットの計画が分かって、ラティラスはニヤッと笑った。
「ありがとうございます、ファネットさん」
バルコニーに出て、籠のそばに駆けよる。ラティラスは思い切り籠を蹴り飛ばした。勢いで危うく吹き抜けから落ちる所だった。
鳥籠が床に叩きつけられ、耳が痛くなるような金属音がとどろいた。
「リティシア姫! こちらに!」
退路を確保したセダルが叫ぶ。
細い棒のように張った鎖に片手をかけ、ラティラスはもう片方の手をリティシアに差しのべた。
「姫(ひい)様!」
リティシアの安全を考えるなら、親衛隊にあずけるべきだ。それはラティラスにも分かっていた。目の前で姫を連れ去られる前の自分なら、そうしていただろう。けれど、今は。
「もう二度と離ればなれになってたまるか!」
ラティラスの想いそのままの言葉を放ったのはリティシアだった。
細い手が、ラティラスの手をつかむ。
「姫様、肩につかまっててください!」
リティシアが言われる通りラティラスの両肩にしがみついた。スカートがマントのようにラティラスの足元で揺れる。
「あだだだ!」
手の平の皮が鎖の隙間でひっかかれ、摩擦の熱にやられて声が出るほど痛い。
片手でリティシアを抱え、片手で鎖をつかみ、さっそうとすべり落ちる、そんな劇にありがちな格好のいいシーンとはならなかったが、それでもラティラスはどうにかこうにか姫君を塔から助け出した。
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