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第9話 さよならドラゴン
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あたしの今の仕事は、シノさんと共に山へと向かい、ドラゴンに仇なす人間が出ないか監視すること。
そんな人、そうそういないと思っていたけど、意外なことにそこそこいたりする。
その度にシノさんが出向き止めることになるんだけど。
せっかく建てた掘立て小屋にも帰ることもできず、シノさんと一緒に近くに建てられた簡易的な小屋に寝泊まりしている。
「便利ね、その体や衣服を綺麗にするスキル。
センタクって聞いたことのないスキルだけど」
「おねたんに付与してもらったスキルなんです」
「おねたん……その羽根うさぎのことね。
不思議な生き物ね。魔獣でもないみたいだし」
おねたんは、テイムされたモンスターか何かと思われているらしい。
説明が難しいから、もうその認識のままでいいけどね。
「それにしても、ドラゴンとも会話できるなんて、あなたスキルいくつ持ってるのよ」
「今のところ、人語翻訳と動物翻訳、ローキックにヒール、洗濯とDIY、それとバリアの7個かな?」
「スキルに一貫性がないわね……」
呆れているシノさん。
それにしても、おねたんはなんで実体化して、あたしにスキル付与なんてできるんだろう。
あたしが困ってると、その時々で役立つスキルを与えてくれる。
まるでド◯えもんみたいだ。
「そうだ、こっち来てからずっと言ってなかったね」
いつの間にか寝息を立てていたおねたん。
元の世界では、寝る前に必ず言っていた言葉。
「ありがとう、おねたん」
あたしは、おねたんの頭をそっと撫でた。
***
それから数日が過ぎ、ドラゴンの子供が無事に産まれたと、イクメンドラゴンがやってきた。
「ドラゴン……間近で見るとやっぱりちょっと怖いわね……」
「賢い竜だから大丈夫ですよ」
迫力あることは否めないけどね。
これで話の通じない凶暴なドラゴンだったら、あたしたち間違いなくこの世にいなかったわ。
『お前たち、世話をかけたな。
我らは明朝にもここを発とうと思う』
予想外の展開。
だって、ここを離れるのは子供がある程度成長してからだと思ってたから。
『妻が、子育ては故郷でやりたいと言うのでな……』
「奥さん第一なんて、さすがイクメンだね」
「何?なんて言ってるの?」
そして、翌朝──
あたしたちは、ドラゴンたちが飛び立つのを見届けて、今回の任務は終了となった。
思った以上に早く終わってしまったけど、とりあえず、ここまでの収入を使って、掘立て小屋をリフォームしていこうかな。
***
掘立て小屋に戻って数日。
本棚を作って街で買った本を置いたり、衣服を何着か買ったり、小屋の周りに畑を作って野菜を収穫したり、ギルドに顔を出して簡単なおつかい依頼をこなしたりして、あたしなりに平和に過ごしていた。
畑の野菜は、おねたんに教えてもらって、この森に自生している薬草や山芋を育てているだけで、日本にいたときみたいな色とりどりの感じのものはまだないけど、その辺はまた余裕が出たら揃えていこうかなと思っている。
あとは、やっぱりお風呂が欲しいな。
スキルで体や衣服は綺麗にできてるけど、ゆったりお湯に浸かるのは日本人としては欠かせない。
この際贅沢は言わないから、最悪ドラム缶風呂みたいなのでもいいんだけどね。
「おねたん、お風呂なんて、この森で作れないよね?」
ダメ元で聞いてみた。
「できるよ」
できるらしい。
まずはDIYで浴室を作る。
木材はお母さんグマに協力してもらった。
湿気がこもらないように煙突付きの離れを作成。
そして、お湯は、石を熱して浴槽に貯めた水の中に入れる。
これでお湯になるのか、なるほど。
「あとは、石鹸なんかも欲しいな」
「灰と油があればできるよ。
油はお母さんグマがくれた木の実からでも取れるし、あとは柑橘系のものがあれば香り付けもできる」
「柑橘系ねぇ……街で何か果物買ってこようかな。
種が取れたら育てたりもできるかもだし」
必要なものを買いに、おねたんと一緒に街へ向かう。
そしたら、果物はもちろんだけど、油も石鹸も普通に売っていた。
そりゃそうか。みんな、原始人みたいな生活してるわけじゃないもんね。
香水も売ってたから買っておこう。
いろいろ必要なものもでてきたから、やっぱりお金を稼がなきゃ。
ついでにギルドも覗いていこうかな。
***
「なんか仕事あります?魔物と戦闘しなくていいやつで」
「それだと、こんな依頼がありますよ」
受付のお姉さんが、依頼書を見せてくれた。
なになに……神様を助けてください?
「なんだこれ?」
「これは、ある貴族の少年からの依頼で、ちょっと複雑なの……実際に話を聞いた方が早いと思うわ」
「貴族?そんな偉い人に一般人のあたしが会いに行って大丈夫なんですか?」
「依頼を受ける場合は大丈夫よ」
貴族かぁ……どことなく中世ぽいなとは思ってたけど、やっぱりそういう身分とかあるのね。
神様を助けるって意味わかんないけど、戦ったりするわけじゃないんでしょ?それなら、受けてみようかな。
おねたんのウニャウニャでなんとかなる依頼かもしれないし、話を聞くだけでも聞いてみるか。
貴族からの依頼だけあって、報酬も高めだし。
そんな人、そうそういないと思っていたけど、意外なことにそこそこいたりする。
その度にシノさんが出向き止めることになるんだけど。
せっかく建てた掘立て小屋にも帰ることもできず、シノさんと一緒に近くに建てられた簡易的な小屋に寝泊まりしている。
「便利ね、その体や衣服を綺麗にするスキル。
センタクって聞いたことのないスキルだけど」
「おねたんに付与してもらったスキルなんです」
「おねたん……その羽根うさぎのことね。
不思議な生き物ね。魔獣でもないみたいだし」
おねたんは、テイムされたモンスターか何かと思われているらしい。
説明が難しいから、もうその認識のままでいいけどね。
「それにしても、ドラゴンとも会話できるなんて、あなたスキルいくつ持ってるのよ」
「今のところ、人語翻訳と動物翻訳、ローキックにヒール、洗濯とDIY、それとバリアの7個かな?」
「スキルに一貫性がないわね……」
呆れているシノさん。
それにしても、おねたんはなんで実体化して、あたしにスキル付与なんてできるんだろう。
あたしが困ってると、その時々で役立つスキルを与えてくれる。
まるでド◯えもんみたいだ。
「そうだ、こっち来てからずっと言ってなかったね」
いつの間にか寝息を立てていたおねたん。
元の世界では、寝る前に必ず言っていた言葉。
「ありがとう、おねたん」
あたしは、おねたんの頭をそっと撫でた。
***
それから数日が過ぎ、ドラゴンの子供が無事に産まれたと、イクメンドラゴンがやってきた。
「ドラゴン……間近で見るとやっぱりちょっと怖いわね……」
「賢い竜だから大丈夫ですよ」
迫力あることは否めないけどね。
これで話の通じない凶暴なドラゴンだったら、あたしたち間違いなくこの世にいなかったわ。
『お前たち、世話をかけたな。
我らは明朝にもここを発とうと思う』
予想外の展開。
だって、ここを離れるのは子供がある程度成長してからだと思ってたから。
『妻が、子育ては故郷でやりたいと言うのでな……』
「奥さん第一なんて、さすがイクメンだね」
「何?なんて言ってるの?」
そして、翌朝──
あたしたちは、ドラゴンたちが飛び立つのを見届けて、今回の任務は終了となった。
思った以上に早く終わってしまったけど、とりあえず、ここまでの収入を使って、掘立て小屋をリフォームしていこうかな。
***
掘立て小屋に戻って数日。
本棚を作って街で買った本を置いたり、衣服を何着か買ったり、小屋の周りに畑を作って野菜を収穫したり、ギルドに顔を出して簡単なおつかい依頼をこなしたりして、あたしなりに平和に過ごしていた。
畑の野菜は、おねたんに教えてもらって、この森に自生している薬草や山芋を育てているだけで、日本にいたときみたいな色とりどりの感じのものはまだないけど、その辺はまた余裕が出たら揃えていこうかなと思っている。
あとは、やっぱりお風呂が欲しいな。
スキルで体や衣服は綺麗にできてるけど、ゆったりお湯に浸かるのは日本人としては欠かせない。
この際贅沢は言わないから、最悪ドラム缶風呂みたいなのでもいいんだけどね。
「おねたん、お風呂なんて、この森で作れないよね?」
ダメ元で聞いてみた。
「できるよ」
できるらしい。
まずはDIYで浴室を作る。
木材はお母さんグマに協力してもらった。
湿気がこもらないように煙突付きの離れを作成。
そして、お湯は、石を熱して浴槽に貯めた水の中に入れる。
これでお湯になるのか、なるほど。
「あとは、石鹸なんかも欲しいな」
「灰と油があればできるよ。
油はお母さんグマがくれた木の実からでも取れるし、あとは柑橘系のものがあれば香り付けもできる」
「柑橘系ねぇ……街で何か果物買ってこようかな。
種が取れたら育てたりもできるかもだし」
必要なものを買いに、おねたんと一緒に街へ向かう。
そしたら、果物はもちろんだけど、油も石鹸も普通に売っていた。
そりゃそうか。みんな、原始人みたいな生活してるわけじゃないもんね。
香水も売ってたから買っておこう。
いろいろ必要なものもでてきたから、やっぱりお金を稼がなきゃ。
ついでにギルドも覗いていこうかな。
***
「なんか仕事あります?魔物と戦闘しなくていいやつで」
「それだと、こんな依頼がありますよ」
受付のお姉さんが、依頼書を見せてくれた。
なになに……神様を助けてください?
「なんだこれ?」
「これは、ある貴族の少年からの依頼で、ちょっと複雑なの……実際に話を聞いた方が早いと思うわ」
「貴族?そんな偉い人に一般人のあたしが会いに行って大丈夫なんですか?」
「依頼を受ける場合は大丈夫よ」
貴族かぁ……どことなく中世ぽいなとは思ってたけど、やっぱりそういう身分とかあるのね。
神様を助けるって意味わかんないけど、戦ったりするわけじゃないんでしょ?それなら、受けてみようかな。
おねたんのウニャウニャでなんとかなる依頼かもしれないし、話を聞くだけでも聞いてみるか。
貴族からの依頼だけあって、報酬も高めだし。
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