8 / 22
第七章 ~仲間の言の葉~
しおりを挟む
「千夜!! しっかりしろ! 千夜!」
まだ会って間もない敵の名を、千夜の名を呼ぶ。
目の前の千夜の肩を揺さぶる。
それでも、意識を失ったままで、反応はない。雷に打たれてしまったからか、少し焦げ臭い。
あの男は千夜の上司的な存在のはずだ。
なのになぜ攻撃をしたのか。
それも、休ませるためなのか。
いまいち人間は分からない。
あの男は近づいてくる。
覇気を放ち続けたまま近づいてくる。
かなりの強者であることは分かった。知識が豊富なのも、千夜と回想を繋げていたからわかった。
でも、強くても、私は許せない。
休ませるためとはいえども、仲間を傷つけるようなことを見過ごせない。
「? 俺と戦うのか?」
「まあね。無意味に君の仲間である千夜を傷つけたから。それが許せないだけ。仲間を傷つけることを、偉い人ほどしてはいけない。するのは、傲慢な証だ」
ぐっと握りこぶしを作る。
俺の強さを知っているくせに、とでも言いたげな顔で、透は刀を握り直す。
「勝てるとでも?」
自信ありげに言っている透でも、本心では分からないようだ。
実力を見せあっていない同士。先ほどの暴走も、策をこなして力を使ったわけでないため、実力のうちには入らない。
「勝つつもりもない。負けるつもりもない」
ダーインスレイヴではなく、細剣を出現させ、構える。
もう既に、千夜は仲間に運ばれている。
ノルとニルは端の方で静かに見守っている。
「ふん。流石は愚族の王だな」
挑発に乗る気は無い。
そもそも、戦う意味すらない。
意味もないのに戦うのは、本意ではないが、なにやら奥がありそうで引き下がれない。
静寂が辺りを支配する。
静寂を壊したのは――。
「透様。用意ができました」
マイク越しの女の声だった。
(用意······?)
一体なんのことだろうと、詮索をしていたその時。
「また会おう、アジ・ダカーハ」
(え、)
目を見開いてしまう。
その名前が出されるとは思わなかった。
それで、警戒が薄れてしまった。
ビュンッ。
下から風が吹く。
下を向くと――。
「あー······え~」
対処に困り、その場で硬直。
とはいえ、ライラといえども重力には逆らえない。
そのまま、闇に引きずり込まれるように落下。
行き先も、何もわからない暗い穴を落ちていく。
匂いもない、先も見えない、音もない。
五感がなにも感じない。感じると言ってもそれは無だけ。
先の見えない未来のような感覚に陥る。
「なんか、懐かしいかな」
ふと、王宮を思い出してしまう。
そういえば、千夜はどうなったのだろう。助かったのだろうか。色々と不明な点はあったが、本人に聞くしか手立てはない。
このえんえんトンネルを鼻で笑うようにして、終点を見つけた。
真っ暗だったせいか、目が慣れない。
かなり明るい部屋のようだ。
それとも、出口付近に灯りがあったのかもしれない。
数秒すると、目が慣れてきた。
先ほどの明るさに比べて、暗がりだ。
なにやら、儀式が始まりそうなほど暗い。けれど、近くには、千夜と思しき体格を持つ人や、円卓を囲むように座る人たちがいた。
「············はぁ」
謎のため息をつきながら半目で奥をみる。
暗がりの中でも、くっきり分かる強そうな体格。恐らくこの国の人間の王だろう。組織の長、のほうがしっくりくるかもしれない。
そんなことを思いつつ、一歩前に出てみる。
予想通りの結果だ。
高速でこちらに近づいてくるものが一つ。
上から降ってくる槍をヒラリと躱す。更に、追撃するように人影がくる。透だ。
「イラ、顕現せよ。我に、力を貸したまへ」
突き刺さっている槍を手に取り、唱える。
普通だった槍は、神々しく輝き、銀色の槍に変わる。
「フォルム、ブリューナク・レプリカ」
穂先が三つの槍。
元々、五本だった穂先が、今は長年の戦いで折れて何処かに隠されている。全ての穂先が戻るまでは、レプリカとして顕現される。
床から槍を引き抜き、くるくると回りながら攻撃を防いでいく。
狭いところでも難なく受け流し、意図を探す。情報は少ない。これから得られることだろう。だが、その話に乗っかるのは危険が伴う。一つ一つの動作、言動などをしっかり見なくてはならない。
臨機応変な対応が、求められるが。
「私、そういうの苦手なんだよなぁ」
独り言のように呟くと、反応が返ってくる。
「なにが苦手だ。お前はアンデッドの王ではないのか?」
聞き覚えのある声。ついさっきまで、耳に入っていた声がする。そこで、透の攻撃が止まる。カチャリ、と刀を鞘にしまう音がする。
さきほどの声の情報源は、私の脳内だろう。
やはり、『以心伝心』を使ってきたか。
想像するに容易い考えだ。だが、普通は考えようとはしない考えでもある。
この男、上月千夜は、それなりに頭が切れている。剣術もよし。知能もよし。呪符の使い方もよし。そこそこ強いライラだが、そこまで太鼓判をうつことはない。だが、残念なのが、従順すぎるところだろうか。透に服従している。ライラも、服従させられるのだろうが、人間同士のここまでの主従関係は、なかなか無いように思える。
利害が一致しているのだろうか。それにしても、ライラが関与することではない。
ライラが見る限りの千夜の仲間思いも、いいときと悪いときがある。
「はっ。なに自問自答してんだか。お前がそこまで思うほど、悪いもんじゃねーんだが。てか、勝手に評価すんな」
「そうか。なら、別に考えなくてもいいな。それに、こんなお遊びはお終いだ。どうせ、私の権限をとろうっていうんだろう?」
服従するのは嫌いだ。
だが、今の吸血鬼を罰するのは悪くない。ましてや、私を匿ってくれさえする。それほど悪い条件ではない。
ただ、それを利用して、ノルとニルを使うのは嫌だ。そのくらいの権限があってもいいだろう。
「おおっと。そんなことはしないと思うがな。お前を手に入れられるんだから」
「私を強者扱いしているようだが、実際はそこまで強くないぞ。能力も、格段に性能がおちているからな」
呆れたように、肩を竦ませると、千夜は意外そうな反応をする。
「あんなチートレベルで性能が落ちてんのかよ、バケモノか」
冗談で言っているのだろうが、事実上、バケモノだ。
かつて、自分の国を、世界を滅ぼしてしまったほどに。凶暴で、凶悪で。だからこそ、感情を捨てた。そうすれば、もう誰も苦しめないと思ったから。けど、結局は無意味だった。むしろ、感情を持たずにさらりと殺めてしまうほどになってしまった。表側しか表情を作れず、心の底から笑うことなどできない。全く真逆の方向に向くことになった。人間に捕まったなら、そのまま死ぬのも一興か、と思ってしまうほどに自分が嫌いだった。ずっと死に場所を探していたのかもしれない。
「なんだ? 黙り込んで。前なら突っかかってくるだろ」
不思議そうに笑いを交えて言ってくる。千夜には悪気はないのだろう。そりゃあ、ライラ自身のことを一言も話さなかったのだから、そうなのだけど。そもそも、話す前に立ち位置が違いすぎる。千夜と会ってから、まだ一ヶ月も経ってはいない。敵として会い、敵として戦い、そして、今は立場が不明。というよりも、この考えに至るまでが分からない。記憶が曖昧で、なんで昔の自分を思い出すことになったのだろうと、考える。
「······あれ?」
思考が遅れる。なんだか、急にぼうっとし始めた。考えがうまくまとまらない。
頭痛もわずかながらに感じて、体がだるい。
「あれ。風邪引いたかな」
コホッと咳をすると、千夜は怪訝そうな顔をする。体調が優れないライラをみて、なにかと心配するようだ。
「お前、風邪引いてんのかよ。気が張り詰めてたから、今までわかんなかったんだろうな。てか重症っぽいぞ」
ため息をつきながら、そんなことを言ってくる千夜は、やはり仲間思いだ。
そんなことを思って、ライラは少し、心のどこかで安心した。
まだ会って間もない敵の名を、千夜の名を呼ぶ。
目の前の千夜の肩を揺さぶる。
それでも、意識を失ったままで、反応はない。雷に打たれてしまったからか、少し焦げ臭い。
あの男は千夜の上司的な存在のはずだ。
なのになぜ攻撃をしたのか。
それも、休ませるためなのか。
いまいち人間は分からない。
あの男は近づいてくる。
覇気を放ち続けたまま近づいてくる。
かなりの強者であることは分かった。知識が豊富なのも、千夜と回想を繋げていたからわかった。
でも、強くても、私は許せない。
休ませるためとはいえども、仲間を傷つけるようなことを見過ごせない。
「? 俺と戦うのか?」
「まあね。無意味に君の仲間である千夜を傷つけたから。それが許せないだけ。仲間を傷つけることを、偉い人ほどしてはいけない。するのは、傲慢な証だ」
ぐっと握りこぶしを作る。
俺の強さを知っているくせに、とでも言いたげな顔で、透は刀を握り直す。
「勝てるとでも?」
自信ありげに言っている透でも、本心では分からないようだ。
実力を見せあっていない同士。先ほどの暴走も、策をこなして力を使ったわけでないため、実力のうちには入らない。
「勝つつもりもない。負けるつもりもない」
ダーインスレイヴではなく、細剣を出現させ、構える。
もう既に、千夜は仲間に運ばれている。
ノルとニルは端の方で静かに見守っている。
「ふん。流石は愚族の王だな」
挑発に乗る気は無い。
そもそも、戦う意味すらない。
意味もないのに戦うのは、本意ではないが、なにやら奥がありそうで引き下がれない。
静寂が辺りを支配する。
静寂を壊したのは――。
「透様。用意ができました」
マイク越しの女の声だった。
(用意······?)
一体なんのことだろうと、詮索をしていたその時。
「また会おう、アジ・ダカーハ」
(え、)
目を見開いてしまう。
その名前が出されるとは思わなかった。
それで、警戒が薄れてしまった。
ビュンッ。
下から風が吹く。
下を向くと――。
「あー······え~」
対処に困り、その場で硬直。
とはいえ、ライラといえども重力には逆らえない。
そのまま、闇に引きずり込まれるように落下。
行き先も、何もわからない暗い穴を落ちていく。
匂いもない、先も見えない、音もない。
五感がなにも感じない。感じると言ってもそれは無だけ。
先の見えない未来のような感覚に陥る。
「なんか、懐かしいかな」
ふと、王宮を思い出してしまう。
そういえば、千夜はどうなったのだろう。助かったのだろうか。色々と不明な点はあったが、本人に聞くしか手立てはない。
このえんえんトンネルを鼻で笑うようにして、終点を見つけた。
真っ暗だったせいか、目が慣れない。
かなり明るい部屋のようだ。
それとも、出口付近に灯りがあったのかもしれない。
数秒すると、目が慣れてきた。
先ほどの明るさに比べて、暗がりだ。
なにやら、儀式が始まりそうなほど暗い。けれど、近くには、千夜と思しき体格を持つ人や、円卓を囲むように座る人たちがいた。
「············はぁ」
謎のため息をつきながら半目で奥をみる。
暗がりの中でも、くっきり分かる強そうな体格。恐らくこの国の人間の王だろう。組織の長、のほうがしっくりくるかもしれない。
そんなことを思いつつ、一歩前に出てみる。
予想通りの結果だ。
高速でこちらに近づいてくるものが一つ。
上から降ってくる槍をヒラリと躱す。更に、追撃するように人影がくる。透だ。
「イラ、顕現せよ。我に、力を貸したまへ」
突き刺さっている槍を手に取り、唱える。
普通だった槍は、神々しく輝き、銀色の槍に変わる。
「フォルム、ブリューナク・レプリカ」
穂先が三つの槍。
元々、五本だった穂先が、今は長年の戦いで折れて何処かに隠されている。全ての穂先が戻るまでは、レプリカとして顕現される。
床から槍を引き抜き、くるくると回りながら攻撃を防いでいく。
狭いところでも難なく受け流し、意図を探す。情報は少ない。これから得られることだろう。だが、その話に乗っかるのは危険が伴う。一つ一つの動作、言動などをしっかり見なくてはならない。
臨機応変な対応が、求められるが。
「私、そういうの苦手なんだよなぁ」
独り言のように呟くと、反応が返ってくる。
「なにが苦手だ。お前はアンデッドの王ではないのか?」
聞き覚えのある声。ついさっきまで、耳に入っていた声がする。そこで、透の攻撃が止まる。カチャリ、と刀を鞘にしまう音がする。
さきほどの声の情報源は、私の脳内だろう。
やはり、『以心伝心』を使ってきたか。
想像するに容易い考えだ。だが、普通は考えようとはしない考えでもある。
この男、上月千夜は、それなりに頭が切れている。剣術もよし。知能もよし。呪符の使い方もよし。そこそこ強いライラだが、そこまで太鼓判をうつことはない。だが、残念なのが、従順すぎるところだろうか。透に服従している。ライラも、服従させられるのだろうが、人間同士のここまでの主従関係は、なかなか無いように思える。
利害が一致しているのだろうか。それにしても、ライラが関与することではない。
ライラが見る限りの千夜の仲間思いも、いいときと悪いときがある。
「はっ。なに自問自答してんだか。お前がそこまで思うほど、悪いもんじゃねーんだが。てか、勝手に評価すんな」
「そうか。なら、別に考えなくてもいいな。それに、こんなお遊びはお終いだ。どうせ、私の権限をとろうっていうんだろう?」
服従するのは嫌いだ。
だが、今の吸血鬼を罰するのは悪くない。ましてや、私を匿ってくれさえする。それほど悪い条件ではない。
ただ、それを利用して、ノルとニルを使うのは嫌だ。そのくらいの権限があってもいいだろう。
「おおっと。そんなことはしないと思うがな。お前を手に入れられるんだから」
「私を強者扱いしているようだが、実際はそこまで強くないぞ。能力も、格段に性能がおちているからな」
呆れたように、肩を竦ませると、千夜は意外そうな反応をする。
「あんなチートレベルで性能が落ちてんのかよ、バケモノか」
冗談で言っているのだろうが、事実上、バケモノだ。
かつて、自分の国を、世界を滅ぼしてしまったほどに。凶暴で、凶悪で。だからこそ、感情を捨てた。そうすれば、もう誰も苦しめないと思ったから。けど、結局は無意味だった。むしろ、感情を持たずにさらりと殺めてしまうほどになってしまった。表側しか表情を作れず、心の底から笑うことなどできない。全く真逆の方向に向くことになった。人間に捕まったなら、そのまま死ぬのも一興か、と思ってしまうほどに自分が嫌いだった。ずっと死に場所を探していたのかもしれない。
「なんだ? 黙り込んで。前なら突っかかってくるだろ」
不思議そうに笑いを交えて言ってくる。千夜には悪気はないのだろう。そりゃあ、ライラ自身のことを一言も話さなかったのだから、そうなのだけど。そもそも、話す前に立ち位置が違いすぎる。千夜と会ってから、まだ一ヶ月も経ってはいない。敵として会い、敵として戦い、そして、今は立場が不明。というよりも、この考えに至るまでが分からない。記憶が曖昧で、なんで昔の自分を思い出すことになったのだろうと、考える。
「······あれ?」
思考が遅れる。なんだか、急にぼうっとし始めた。考えがうまくまとまらない。
頭痛もわずかながらに感じて、体がだるい。
「あれ。風邪引いたかな」
コホッと咳をすると、千夜は怪訝そうな顔をする。体調が優れないライラをみて、なにかと心配するようだ。
「お前、風邪引いてんのかよ。気が張り詰めてたから、今までわかんなかったんだろうな。てか重症っぽいぞ」
ため息をつきながら、そんなことを言ってくる千夜は、やはり仲間思いだ。
そんなことを思って、ライラは少し、心のどこかで安心した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる