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vs. おじょーサマ。
とーとつな昔話。
それは、12年前のこと。
父、母、私の家族3人で住んでいた山沿いの村が、魔物の大群に襲われたそうだ。
気付いた時には、既に逃げようもなかったらしい。
父は、母と私を魔物避けの香を焚き染めた隠し部屋に押し込んで、村の大人達みんなと共に大群に立ち向かった、そうだ。
多勢に無勢。
山の開墾と農作業が日常な村人達が、大群に立ち向かったところで無意味である。
たとえ狩人が居たとしても。
その日。
一つの村が失われた。
生き残ったのは、母と私の2人だけ。
父は、私達を隠し部屋に押し込んだ後、家中に人間種の匂い消しを撒き散らして、ここに人間は居ません、という偽装を施した、らしい。
瓦礫と化した他の家とは違い、空き家になって久しい家や、ガラクタを詰め込んだ道具小屋等は、そっくりそのまま残っていたし。
住人が居た家としては、ウチ以外はすべて……破壊されていたらしい。
村人や、家畜の総数からは明らかに足りない上に、あちこちの部位が欠損した遺体がそこいらに散らばり。
あたりは血の海。
そして。
そうあるべき、と、言わんばかりに火の手が上がって……。
茫然とする私達母子の目の前で、村は失われた。
私達は、母の兄──私にとってはおじさんだな。
おじさんに引き取られた。
冒険者をやっているおじさんに連れられて、初めて町に行った私達は、人の多さに圧倒されたらしい。
まぁ、そこでいろいろゴチャゴチャして田舎の組合に拠点を移し。
いい加減、心労が祟ったのか。
村を出てから2年後。
母は、帰らぬ人となった。
私は、おじさん──おやじ殿と共に、あちこち転・転々とした。
サンタンジェロに落ち着いたのが4年前。
私が11才の頃だ。
ほどよく田舎で、居心地が良い。
……稀に例外は居るけど。
状況的に、問答無用で冒険者稼業に片足突っ込んでた私は、正式におやじ殿と組んで3年くらい活動した。
その後、組合の手が足りない、と駆り出されて現在に至る。
職員(仮)なのは、ちょいちょい冒険者として動くからである。
村の全滅。
母が生きていた頃、毎晩のように聞かされた話だ。
実際のところ、3才児にそんな詳しい記憶があるワケもない。
まぁ、世の中には赤ん坊の頃の記憶どころか、母親のお腹の中、ヘタしたら、前世の記憶持ち、なんて人も居るらしいし。
……前世の記憶持ちって、何の役に立つんだろう。
前世も人間種とは限らないよね?
実際、前世は人間種じゃなくて、羽根兎だった……って人の話聞いた事あるけど。
食欲と性欲と恐怖感でいっぱいだったって言ってた。
「食欲と性欲はなんとなく解るけど、恐怖感ってナニ?」
そう聞いたら、その人は。
「いつ喰われるか、わからない恐怖がね……。いや~、人間に生まれて良かった~。少なくとも、いきなり齧りつかれたりはしないだろう?」
……何でも、二尾狼に喰われて終わった前世だったそうな。
御愁傷様。
父、母、私の家族3人で住んでいた山沿いの村が、魔物の大群に襲われたそうだ。
気付いた時には、既に逃げようもなかったらしい。
父は、母と私を魔物避けの香を焚き染めた隠し部屋に押し込んで、村の大人達みんなと共に大群に立ち向かった、そうだ。
多勢に無勢。
山の開墾と農作業が日常な村人達が、大群に立ち向かったところで無意味である。
たとえ狩人が居たとしても。
その日。
一つの村が失われた。
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父は、私達を隠し部屋に押し込んだ後、家中に人間種の匂い消しを撒き散らして、ここに人間は居ません、という偽装を施した、らしい。
瓦礫と化した他の家とは違い、空き家になって久しい家や、ガラクタを詰め込んだ道具小屋等は、そっくりそのまま残っていたし。
住人が居た家としては、ウチ以外はすべて……破壊されていたらしい。
村人や、家畜の総数からは明らかに足りない上に、あちこちの部位が欠損した遺体がそこいらに散らばり。
あたりは血の海。
そして。
そうあるべき、と、言わんばかりに火の手が上がって……。
茫然とする私達母子の目の前で、村は失われた。
私達は、母の兄──私にとってはおじさんだな。
おじさんに引き取られた。
冒険者をやっているおじさんに連れられて、初めて町に行った私達は、人の多さに圧倒されたらしい。
まぁ、そこでいろいろゴチャゴチャして田舎の組合に拠点を移し。
いい加減、心労が祟ったのか。
村を出てから2年後。
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サンタンジェロに落ち着いたのが4年前。
私が11才の頃だ。
ほどよく田舎で、居心地が良い。
……稀に例外は居るけど。
状況的に、問答無用で冒険者稼業に片足突っ込んでた私は、正式におやじ殿と組んで3年くらい活動した。
その後、組合の手が足りない、と駆り出されて現在に至る。
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村の全滅。
母が生きていた頃、毎晩のように聞かされた話だ。
実際のところ、3才児にそんな詳しい記憶があるワケもない。
まぁ、世の中には赤ん坊の頃の記憶どころか、母親のお腹の中、ヘタしたら、前世の記憶持ち、なんて人も居るらしいし。
……前世の記憶持ちって、何の役に立つんだろう。
前世も人間種とは限らないよね?
実際、前世は人間種じゃなくて、羽根兎だった……って人の話聞いた事あるけど。
食欲と性欲と恐怖感でいっぱいだったって言ってた。
「食欲と性欲はなんとなく解るけど、恐怖感ってナニ?」
そう聞いたら、その人は。
「いつ喰われるか、わからない恐怖がね……。いや~、人間に生まれて良かった~。少なくとも、いきなり齧りつかれたりはしないだろう?」
……何でも、二尾狼に喰われて終わった前世だったそうな。
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