笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

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vs. おじょーサマ。

えーと……。

サラッと組合にやって来て、サラッと出て行って。
出戻ってきたおじょーさまは、かなりお怒りのよーだ。

「あなた! あなたはわたくしの奴隷なのよ! 何故主人の言う事を聞かないの!」

叫ぶおじょーさまの後ろに、お付きの2人が──1人はうんうんと頷いて、もう1人は呆れたよーな顔で──並んでいる。
盛んに頷いてるのは、まだ若いにーさんで、呆れてるのはおっさんだ。

おじょーさまは、私を睨み付けてきた。
思い通りに行かないのが、相当気に入らないよーだね。

……奴隷、奴隷って、さー……。
このおじょーさま、自分の領地の事も、国の方針も知らないの?
お貴族様なのに?
親の教育を疑うね。

「さっきから何を言ってんのか皆目意味が分かんない上に、根本的な事を一つ」

私は、おじょーさま一行に、完全に道端の石ころを見るよーな目を向けて、言った。

「どこのどなた?」
「なっ……!」

おじょーさまは、顔を真っ赤にしてお怒りになっていらっさる。
そんなおじょーさまを見て、お付きの片方──おっさんの方の目が笑っている。

……ひょっとして。
アンタ、このおじょーさまに散々振り回されてるクチだね?

思わず、おっさんに憐れみの目線を向けてしまった。
おっさんは、すっ……と目を反らした後、こっちに目線を返してきて、小さく頷いた。

ありゃ。
想像通りか。
御愁傷様。



おっさんの方と目と目で分かり合ってたら、若い方のお付きが大声で喚き出した。

「貴様っ! お嬢様に対して、その態度は何だ!」

唐突だな。
誰にも相手にされなくて、寂しかったのか?
それとも、おじょーさまに良いトコ見せたい系?

おっさんに視線で問うと、おっさんは。
呆れたよーに若いお付きを見てから、私の方に視線を寄越して頷いた。

……あー……。
おじょーさまを敬愛してるって?
そんな生やさしいモンじゃなさそうだけど。
でもまあ、私には関係ない話だよね。

な~んて、ちょっと生ぬるい気分になっていたら。

「貴様っ! 聞こえないのか! ナンとか言ったらどーだ!」

若いお付きは、おじょーさまと同じ……いや、それ以上に頭に血が昇っていらっさるよーで。
ある意味お約束かな。
んじゃ、あえて。

「な・ん・と・か」

にっこり笑って、明確に。
分かりやすく刻んで言ってやった。

ただでさえお怒りだった若いお付きは、間欠泉みたいにポーン、と一気に沸騰した。
絶句した後、顔中真っ赤にして更に大声で叫んだ。

「貴っ様~! お嬢様を愚弄するか!」

いや、むしろアンタをバカにしてる。
こんな簡単に頭に血が昇るよーなヤツ、お付きとしてどーなの?
つけ込むスキがあり過ぎじゃないの?

と、冷静に分析する目で見ていたら。

「~っ、こっの!」

あーあ。
やらかした。








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