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vs. おじょーサマ。
ぷるぷるしてる。
こんなトコで──組合の中で、他人を攻撃しようとするとか、バカじゃないの?
若いお付き──にーさんは、腰の長剣に手を掛け、抜こうとした。
瞬間。
その場に居た組合員達から、にーさんに向けて一斉に殺気が向けられた。
物理的なプレッシャーを伴って。
にーさんとおじょーさまに近い位置に居た組合員は、自分の獲物──剣やナイフを抜いて、2人に突き付けている。
おっさんのお付きは、しれっとした顔で両手を頭の上に挙げ、抵抗しません、何もしません……と、行動で示している。
が。
剥き出しの殺気をぶつけられたおじょーさまは、血の気の引いた顔でカタカタと小刻みに震えて。
長剣を抜き掛けて固まったにーさんは。
「なっ……!」
身動きも出来ずに、自分達に向けられた剣やナイフにビビっている。
おーい。
弓持ちの人達も、弓を引いてアンタ達に狙いを付けてるんだけど。
魔法使いも杖やら魔道具やら向けてるけど。
……気付いて、ない?
おっさんは、気付いてて無抵抗してるっポいけど?
ま、いーか。
この隙に、領主のトコに行ってきましょーか。
意味不明な事を平然とやらかした、残念なおじょーさまを引き取りに来てもらわなきゃね?
「大丈夫ですよ。すでにこちらに迎えの人が向かっているそうだからね」
おお。
さすが、対応力ナンバーワンなおにーさま。
仕事が早い。
……ちょっと残念だけど。
「? 何が、かしら?」
一番人気のおねーさまが、小首を傾げて聞いてきた。
かわいい。
そりゃ、おねーさまの前に行列できるわ。
納得しながら、おねーさまの疑問に答えた。
「いやー、子供の教育もマトモに出来ない親の顔、見てやろうかと思ったんだけど」
「領主様は比較的マトモな方なんだけどね。奥方の方は……ねぇ。田舎は嫌だーって、娘共々皇都で好き放題に暮らしているらしいわよ。後継ぎさえ産めば、もう責任は果たしただろうって、勝手に判断を下しての諸行だそうよ。後継ぎの若様はちゃんとしてるんだけど。……正直、娘の方は……あら?」
おねーさまはそこで一旦言葉を切ると、ちょっと考えて。
蒼白になって震えているおじょーさまに視線を向けて、言った。
「こんな愚かな娘、政略結婚以外に何の役に立つのかしらね?」
う~ん……。
立たないんじゃないかな。
おじょーさまは、いまだにぷるぷる震えてる。
自分が貶められてるのを聞いても何も言えないよーだし。
ま、周囲からの殺気のせいだろうけどね。
おじょーさまがぷるぷるしてるのは、まぁ納得できるけどさ。
固まったまんまのお付きのにーさんは、どーなの?
それでいいの?
そんな、役立たずっポいにーさんは放置して。
私は、両手をお手上げ状態にしてるおっさんを指して言った。
「ねぇねぇ。この人は最初っからおじょーさまのやるコトには反対だったみたいだし。こっちに何一つ危害を加えるつもりも無いよーだし、自由にしてあげてもいいんじゃ?」
ぷるぷるするのを止めたおじょーさまとにーさんは、何でソイツだけ!? って顔になったけど。
知らん。
「ん~……。いいですけど、一応武器だけは取り上げておきますよ?」
おにーさまがそう言って、おっさんに近づいていった。
おっさんは、ハイ、とばかりに自分から腰の長剣や懐の短剣なんかを差し出して。
素直だね?
腕利きの人なら武器無しでもまぁ……そこそこやるんだろう。
でも、さすがにこの人数をおっさん1人で……ってのは、ちょっとムリっポいしね。
それに。
「あ、いざとなったら私が」
ちょいちょい、と指をうごめかせて見せたら、組合員達が全員。
「「「あー」」」
納得した。
若いお付き──にーさんは、腰の長剣に手を掛け、抜こうとした。
瞬間。
その場に居た組合員達から、にーさんに向けて一斉に殺気が向けられた。
物理的なプレッシャーを伴って。
にーさんとおじょーさまに近い位置に居た組合員は、自分の獲物──剣やナイフを抜いて、2人に突き付けている。
おっさんのお付きは、しれっとした顔で両手を頭の上に挙げ、抵抗しません、何もしません……と、行動で示している。
が。
剥き出しの殺気をぶつけられたおじょーさまは、血の気の引いた顔でカタカタと小刻みに震えて。
長剣を抜き掛けて固まったにーさんは。
「なっ……!」
身動きも出来ずに、自分達に向けられた剣やナイフにビビっている。
おーい。
弓持ちの人達も、弓を引いてアンタ達に狙いを付けてるんだけど。
魔法使いも杖やら魔道具やら向けてるけど。
……気付いて、ない?
おっさんは、気付いてて無抵抗してるっポいけど?
ま、いーか。
この隙に、領主のトコに行ってきましょーか。
意味不明な事を平然とやらかした、残念なおじょーさまを引き取りに来てもらわなきゃね?
「大丈夫ですよ。すでにこちらに迎えの人が向かっているそうだからね」
おお。
さすが、対応力ナンバーワンなおにーさま。
仕事が早い。
……ちょっと残念だけど。
「? 何が、かしら?」
一番人気のおねーさまが、小首を傾げて聞いてきた。
かわいい。
そりゃ、おねーさまの前に行列できるわ。
納得しながら、おねーさまの疑問に答えた。
「いやー、子供の教育もマトモに出来ない親の顔、見てやろうかと思ったんだけど」
「領主様は比較的マトモな方なんだけどね。奥方の方は……ねぇ。田舎は嫌だーって、娘共々皇都で好き放題に暮らしているらしいわよ。後継ぎさえ産めば、もう責任は果たしただろうって、勝手に判断を下しての諸行だそうよ。後継ぎの若様はちゃんとしてるんだけど。……正直、娘の方は……あら?」
おねーさまはそこで一旦言葉を切ると、ちょっと考えて。
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「こんな愚かな娘、政略結婚以外に何の役に立つのかしらね?」
う~ん……。
立たないんじゃないかな。
おじょーさまは、いまだにぷるぷる震えてる。
自分が貶められてるのを聞いても何も言えないよーだし。
ま、周囲からの殺気のせいだろうけどね。
おじょーさまがぷるぷるしてるのは、まぁ納得できるけどさ。
固まったまんまのお付きのにーさんは、どーなの?
それでいいの?
そんな、役立たずっポいにーさんは放置して。
私は、両手をお手上げ状態にしてるおっさんを指して言った。
「ねぇねぇ。この人は最初っからおじょーさまのやるコトには反対だったみたいだし。こっちに何一つ危害を加えるつもりも無いよーだし、自由にしてあげてもいいんじゃ?」
ぷるぷるするのを止めたおじょーさまとにーさんは、何でソイツだけ!? って顔になったけど。
知らん。
「ん~……。いいですけど、一応武器だけは取り上げておきますよ?」
おにーさまがそう言って、おっさんに近づいていった。
おっさんは、ハイ、とばかりに自分から腰の長剣や懐の短剣なんかを差し出して。
素直だね?
腕利きの人なら武器無しでもまぁ……そこそこやるんだろう。
でも、さすがにこの人数をおっさん1人で……ってのは、ちょっとムリっポいしね。
それに。
「あ、いざとなったら私が」
ちょいちょい、と指をうごめかせて見せたら、組合員達が全員。
「「「あー」」」
納得した。
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