笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

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vs. おじょーサマ。

えっマジで?

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おっさんやにーさん、執事の人はおろか、元凶のおじょーさまの名前すら知らない、聞いてない、聞こうともしないって時点で、なんとなく察していたらしい執事の人は。
私や組合関係者に向かって、深々と頭を下げた。

「……大変お騒がせ致しました」

そう言うと、おじょーさまの方に向き直り。

「さて。お嬢様、そろそろお戻りになりませんと。旦那様がお怒りですよ?」

……笑顔の執事の人の目は、笑ってなかった……。
じんわりと、圧が……。
……こわっ。

執事からの圧を食らったおじょーさまは、どこか必死な顔で叫びながら。

「だって……だって!」

私の方に手を伸ばしてくる。
怖いよ。

「コーネリア・ブランシェット! わたくしと共に……!」

必死なトコ悪いケド。
……いや、悪くないな。
なんか、知らない人の名前で呼ばれたし。

「コー……。誰だそれ?」
「……えっ?」

おじょーさまは、キョトンとした顔になった。



「え? ナニひょっとして、そのコーネリアなんちゃらいう人と、私間違えられてたワケ?」

私が、はあ? と思いながらそう言うと。

「……え? だってお前……コーネリア・ブランシェットじゃ……」
「だから、誰、それ」

どっから出てきた、その長い名前。

おじょーさまは、大混乱。
アワアワしながら、言った。

「お前、病弱な母親と2人暮らしの、コーネリア・ブランシェットよね?」

そーじゃなきゃおかしい、そーじゃなきゃ困る、とばかりに。
妙に必死なおじょーさま。

だが。
残念だな。

「私はムダに元気な父と2人暮らしの、冒険者組合職員(仮)のコーラルですが、何か」

それを聞いたおじょーさまは。
目を見張り、茫然とした後。
ナニやらぶつぶつ言い始めた。
ハタから見たら、ちょっとヤバい。

「……何で? おかしいわよ。父親なんか、コーネリアには居なかったはずなのに……。名前も違うし……あ!」

病みかけたおじょーさまは、急に。
思い出した! みたいに目をキラキラ……と、いうよりギラつかせて。

「お前の母親は、貴族階級出身の……」
「違いますよ」
「へ?」

詰め寄って来ようとするおじょーさまを、執事の人がさりげなく止めていた。

「私は10年くらい前に、魔物の大暴走で壊滅したどっかの山奥の村の生き残りですよ」

その時に生き残ったのは母と私の2人だけ。
母の兄──つまり、おじさんが私達を引き取ってくれた後、転・転々と何度も引っ越ししたからな。
今となっては、どこの国出身なのかまったく覚えちゃおりません。
おやじ殿──まあ、実際には伯父で義理の父が組合員だから、あっちこっち行きましたしね。

「──誰と間違ってんだか知らないけど。私は清々しいほど一般庶民ですよ」

うっすらと私の過去を語ってみたところ。

「そんなぁ……」

おじょーさまは、膝から崩れ落ちた。
四つん這いになったその姿は、とても貴族階級の人とは思えない……。
その場に居た全員が、なんとも言えない目でそんなおじょーさまを見ていた。








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