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庭にハニワ

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……で? っていう。

市場が荒れる。

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王城の中庭では、表面上は華やかな貴婦人方令嬢方のお茶会が繰り広げられてるようだが。

なんだろう。

奥庭の薔薇園とその垣根の奥では、いささか居心地の悪い空気が漂っていた。

……。
まぁ、そんな空気にしたのは私なんたが。
多分。

じゃ、空気悪いついでに交渉と行きましょうか、ね?

「正直な話。本日は、騒ぎを肥大化させた事への相応の処分を申し付けられる為に呼ばれた、と思っておりましたが、ね? 例えば、まぁ……簡単でお手軽なのは、ウチの爵位落とした上での賠償金……。金でカタをつける事でしょうかね。領地の返還か、文字通りの現金か……」

災害ては、疲弊しきったとこからよーやく復興しかけてる領地、欲しいかね?
他に担保になるモノって……。

あ。

「その場合、飛竜の魔石でも構いませんかね?」

取っ掛かりを見つけたぜって顔で笑顔を浮かべる王妃様を華麗にスルーして、ケーリッシュ嬢に話を振った。




飛竜、と聞いた王妃サマ、ゑっ、て顔してた。
貴婦人のする顔じゃないぞ。

だ~か~ら~、上っ面取り繕わなくていいのかよ王族サマよ。
あと、垣根越しにこっちの様子伺ってる王族サマ方よ。

話を振られたケーリッシュ嬢。
落ち着きを取り戻す為か、茶を一口飲んでから言った。

「あの、飛竜の魔石、ですの……?」

うっそーん……って雰囲気をかもし出してるケーリッシュ嬢。
目がまんまるになってるぞ。
……まぁ、王妃サマよりは表情の変化は少ないかな?

でもね? ケーリッシュ嬢よ。

飛竜の魔石の存在。
信じられないのかもしれないが。

残念ながら、単なる事実だ。

だって狩った本人が言ってるんだから。

「イサナ公国付近で狩った飛竜の魔石、まだ手元にあるんですが何か?」



……ってゆーか。
飛竜の魔石なんか市場に出したらそりゃもう大混乱って知ってるし。
靴と扇作ってもらう用に職人に飛竜素材渡したら、ちょっとした騒ぎになったし。
手付かずで丸っと一匹分ある、なんて言ったら商業ギルドと冒険者ギルドが戦争始めかねん。

ん?

国でお買い上げですか?

高値ふっかけますよ?

義妹のやらかしへの詫びに出すとしたら、一つで十分でしょ。
欲張っちゃいけない。

……まぁ、その気になればいつでもゲットできるからね私。

やらんけど。

とりあえず。
垣根の向こうでまだ手に入れてない飛竜の魔石について、語ってる。
気が早いにも程がある。








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