特技は有効利用しよう。

よーやく出発？

結果(途中)。

人の命には障りはないが、うっかり私が死ぬかも知らんし。

と、ゆーワケで。

擦り付けられた手負いの魔熊、さっくりと始末してみた。
なに、たいした手間じゃない。
ここからここまで、と範囲を決めて、空気を抜いただけだ。

よーするに、窒息死させてる。

一撃必殺じゃないし、結構時間かかるけどね。

あとやり方としては、鼻と喉の奥に圧縮した空気玉詰めて、呼吸を止めるってのもある。
詰めるのは、水でもいい。

コップ一杯の水があれば殺やれるって、以前どこかで聞いた事がある。

やってみたら、まぁ簡単。

呼吸する生き物だったら、すっごい簡単なんだ……って思いしった。

あ、飛竜は窒息させてませんよ？




で。

さっくり殺った魔熊をマジックバック(収納のゴマかし用に持っている)に放り込み、通りすがりの魔物もついでに狩って、ノンキに戻った冒険者ギルド。

私に手負いの魔熊を擦り付けた冒険者どもが、受付できゃんきゃん吠えてるのを華麗にスルー。

人に危険物押し付けといて、一言もない失礼なヤツらだ。

男１人に女３人か。
いわゆるハーレムチームか。

近寄らんどこ。



きゃんきゃん吠えてるハーレムチーム、依頼を失敗するのはこれが初めてじゃないらしい。

受付嬢(小娘)と女どもが、責任の擦り合いをして、男がまぁまぁ……なんてやってる。

そんなヤツらの隣りのカウンターで、受付嬢(おばちゃん)と狩り捲った獲物どーする？　と話してると、こっちが気になったのか、ハーレム男がナニやらチラチラ見てくる。

こっち見んな。
あっち行け。
厄介事の気配がプンプンしてるじゃないか。

「ちょっとナニよ？　あたし達のダーリンにナニか用？」

いきなりケンカ売られた。

え、この辺の相場って、どのくらい？