特技は有効利用しよう。

人は変わらない。

そして私は。

逃げた。
そりゃもうさっくりと逃げた。

いや、だってよくよく考えたら、遊びにおいでって強めに誘われただけじゃないか。
最初に笑顔全開で『嫌です♪』って言っておきゃ良かった。
ナンとか言った、イサナ公国の紳士の事なんか、どーでもいいし。
気が付いた時には、王国と公国の勝手な私についての『権利の主張』のし合いになってるし。

私は。

自分トコの領地と家族、領民以外はかなりどーでもいい。
個人的には、愛国心とか無い。
ケーリッシュ嬢のように、自己犠牲っつか滅私奉公精神も個人的に愛している人間も無い。
家族以外。

あ、不愉快な義妹は最初っから家族じゃなかったしな。

故に。
いつでも姿消そうと思えば消せる。

領地は自立出来るかも？　ってくらいは発展させたし。
いざという時の相談役に、魔女本人を勧誘済みだし。
ありがたい事に、ウチの領地、薬草やら魔法草やらの群生地があちこちに……。
手付かず！って奇声を上げてスンゴい笑顔で『まかせて！』って叫んだのは齢450、見た目は美熟女な魔女様だった。
うん。
ウチの領地、魔女様に都合良く魔改造されるだろうね。

それで人死にが減るんなら、好きにやっちゃって、と領民達からOK 出てるらしい。

ので。

自発的行方不明になろうかな？って企んでる今日この頃。

とりあえず、ケーリッシュ嬢の嫁入りまでは付き合うかな？


それもまた、面倒かな？