『仕事です』~恋愛脳への最後の言葉

庭にハニワ

文字の大きさ
22 / 25

王国の子息達。1

しおりを挟む
「それなりに情はあったんだよ。王命での婚約とはいえ、ね」

公爵家の談話室。
ちょっとした報告会。
やらかした王女──元王女の堕ちた先について報告を受けながら、公爵令息はため息を一つこぼした。

「まぁ、王女彼女が平民の暮らしに馴染めるはずが無いんだけどね。現実を突きつけられて、今更こちらにすがり付かれても迷惑なだけだし」

そう言いながら、同席している自分公爵令息と同じ目にあった子息達──伯爵令息と子爵令息──と目を見合せて、苦く笑う。


「確かに今更、になりますね。我々も新たな婚約が成立したところですし」

侯爵令嬢とは最初からギクシャクしていた侯爵令息。
婚約破棄で良かったかも……とか考えている。
今の婚約者とは良い感じになっているし。

※侯爵令息としては、婚約破棄は大歓迎だった……あんなにハデにやらかされるとは思ってもいなかったけれど。


幼い日の約束を、あっさりと捨てられた子爵令息は。

「気心の知れた幼馴染み。そう言えば聞こえは良いですが、無神経な関係にもなりかねません。自分は気を配っていたつもりですが、彼女伯爵令嬢は……」

王命で──とか、遺言による政略で──とかではなく。
自然に、流れるままに婚約した子爵令息は、まだ引きずっているようだ。

※そのへんはまぁ、しょーがないんじゃね?
それなりに長い付き合いだったワケだし。


公爵令息が言う。

「こちらが手配する迄もなく、彼女王女達は自ら望んで堕ちていく道を選んだようだよ。もはやおおやけの場で彼女達を目にする事は無いだろうね」
「王女と侯爵令嬢は高級娼館に、伯爵令嬢は人身売買組織が持っていったそうですよ。彼女伯爵令嬢を欲しがった、とある老富豪が手を回したそうです」

さらり、と話すのは侯爵令息。
既にすっぱりと割り切り済みだ。

そう言えば、といった感じに子爵令息が言い出した。

「公国の公女は国に帰ったらしいですけど、聖女はどうしたんでしょうね? まだあの男と一緒なんでしょうかね?」

※そーいや居たね? 聖女とかいうヤツ。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい

あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。 誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。 それが私の最後の記憶。 ※わかっている、これはご都合主義! ※設定はゆるんゆるん ※実在しない ※全五話

アドリアナさんはヒロインでした。

みなせ
ファンタジー
誰かが机を叩きました。 教室が鎮まると、アドリアナさんはメアリーさんに向かって尋ねました。 アドリアナさんによる、メアリーさんの断罪の始まりです。 小説家になろうさんにも掲載しています。

最後に言い残した事は

白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
 どうして、こんな事になったんだろう……  断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。  本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。 「最後に、言い残した事はあるか?」  かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。 ※ファンタジーです。ややグロ表現注意。 ※「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載。

聖女召喚2

胸の轟
ファンタジー
召喚に成功した男たちは歓喜した。これで憎き敵国を滅ぼすことが出来ると。

【完結】勇者の息子

つくも茄子
ファンタジー
勇者一行によって滅ぼされた魔王。 勇者は王女であり聖女である女性と結婚し、王様になった。 他の勇者パーティーのメンバー達もまた、勇者の治める国で要職につき、世界は平和な時代が訪れたのである。 そんな誰もが知る勇者の物語。 御伽噺にはじかれた一人の女性がいたことを知る者は、ほとんどいない。 月日は流れ、最年少で最高ランク(S級)の冒険者が誕生した。 彼の名前はグレイ。 グレイは幼い頃から実父の話を母親から子守唄代わりに聞かされてきた。 「秘密よ、秘密――――」 母が何度も語る秘密の話。 何故、父の話が秘密なのか。 それは長じるにつれ、グレイは理解していく。 自分の父親が誰なのかを。 秘密にする必要が何なのかを。 グレイは父親に似ていた。 それが全ての答えだった。 魔王は滅びても残党の魔獣達はいる。 主を失ったからか、それとも魔王という楔を失ったからか。 魔獣達は勢力を伸ばし始めた。 繁殖力もあり、倒しても倒しても次々に現れる。 各国は魔獣退治に頭を悩ませた。 魔王ほど強力でなくとも数が多すぎた。そのうえ、魔獣は賢い。群れを形成、奇襲をかけようとするほどになった。 皮肉にも魔王という存在がいたゆえに、魔獣は大人しくしていたともいえた。 世界は再び窮地に立たされていた。 勇者一行は魔王討伐以降、全盛期の力は失われていた。 しかも勇者は数年前から病床に臥している。 今や、魔獣退治の英雄は冒険者だった。 そんな時だ。 勇者の国が極秘でとある人物を探しているという。 噂では「勇者の子供(隠し子)」だという。 勇者の子供の存在は国家機密。だから極秘捜査というのは当然だった。 もともと勇者は平民出身。 魔王を退治する以前に恋人がいても不思議ではない。 何故、今頃になってそんな捜査が行われているのか。 それには理由があった。 魔獣は勇者の国を集中的に襲っているからだ。 勇者の子供に魔獣退治をさせようという魂胆だろう。 極秘捜査も不自然ではなかった。 もっともその極秘捜査はうまくいっていない。 本物が名乗り出ることはない。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

処理中です...