ハナミズキ

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「話を戻すんですけど、
女と男が家を出ていった後どうなったんですか」
「ちょ、ちょ、言い方。あの人達で良いでしょ」
「すいません、そう呼びます」

「えっと、その後、私は施設に入ったんだ。
数人ぐらいしかいない少人数のところ」

お姉さんは下を向きながら言った。
そこで何かあったのだろうか。

「友達いなきゃ詰みますね」
「それは、どこでもそうなんだけどね。
案の定、私は生きるのが下手だから…」
「作れなかった…ですね?」

そういう少人数のところは、
友達とか仲間をつくらないと中々優位に立つのは難しいし、人間って仲間意識が無駄にあるからみんなの意識から除外されたら、生きにくくなる。

お姉さんはそうなってしまったんだろう。
私もそうだ。今もずっと。

「私も友達いないんで、一緒ですね」
「だろうね」
「お姉さんと一緒で嬉しいです」
「へー」

お姉さんは興味がなさそうだ。
いや、ないんじゃなくて恥ずかしいだけなのか。

お姉さんには、私の気持ちなんてわからないだろうけど、私はあなたに密かに好感を持っている。
だから、共通するものがあったら勿論嬉しいし、

気持ちが高ぶるんだ。
今まで知らなかった、
生きる喜びを知ってしまったんだ。

「というか、なんで血まみれなんですか」

大体の予想はついている。
だけど、その憶測が正しいとは限らない。

「手首、切ったんだよ。
君も知ってるでしょー?リストカットってやつ」
「痛そうだし、怖そうだから、
意地でもしてなかったんですけどそれって…」
「君、ホント度胸ないねー。あー呆れた」

お姉さんは私を見つめ、ニヤついた。


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