青い花の里の物語

アンジュ・あんこ

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【第五話 レオとの出会い】

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 ナツの二の一。

 その日、北の洞窟からとある青年がやってきた。

 この里の人間は、洞窟から来た人間と会う時は、必ず白い仮面をつけて顔を隠さなくてはならない。
 何故か、それが決まりだった。

 里長のアオさんから、洞窟から来たレオという青年が、しばらく里の外れの建物に滞在すると説明があった。

 僕以外の人間は、何故かレオによそよそしくて、誰もレオに近寄らなかった。
 でも僕は、何故かレオのことが気になって仕方がなかった。
 レオがどんな人間なのか知りたくなって、レオに会いたいという衝動を抑えられなくなった。
 レオに会って、彼と話さなくちゃいけない気がしたんだ。
 それに……。

 僕は夜中にこっそり家を抜け出して、レオに会いに行った。

「おや……こんな時間に何のようだい?」

「遅くにごめんなさい。僕の名前はアキ。お兄さんとお話ししたくて、ここにきたんだ」

 初めて僕の姿を見たレオは驚いていたけど、色々な話をしていくうちに、僕たちは仲良くなった。

 レオはこの里に生えている青い花を調査するために、この里にやってきたらしい。

 見た目は、僕の父さんよりも少し若いくらい。
 年齢は二十八歳だと言っていた。

 目に変な形をしたガラスのようなものをかけていた。
 僕が何か聞いたら、これはメガネといって、眼が見えづらくなっている人が、見えるようにするために使う道具だと教えてくれた。

 でも、レオが今かけているものはゴーグルといって、ニセモノのメガネらしい。
 何故、ニセモノのメガネをかけているのか聞いたら、レオは笑っていた。
 これは、ゴミとかが目に入らないように守るためのもので、花の調査をする時に必要なものらしい。

 他にもレオは花の調査用として、さまざまな道具を持ち込んでいた。
 僕はレオから色々な道具を見せてもらって、説明してもらった。

 でも、レオは、一番奥のカバンに入っていた持物は、決して見せてくれなかったんだ。

 そのあと、レオはいろんなことを僕に教えてくれた。

 洞窟の外には、レオたちの暮らす大きな里があって、それをレオたちは村と読んでいること。
 前にも話したとおり、レオはこの里に咲いている青い花の調査にきたこと。
 この里の青い花には、まるで悪魔のような効能があること。
 そして、レオの住んでいる世界は、こことは違って、とてつもなく広くて大きいことを教えてくれたんだ。

 いつか、僕も洞窟を抜けて、レオたちの世界へいってみたい。
 それが、僕の夢になった。

 でも、しばらくして、僕は、それが叶わない夢だと知った。
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