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ファイル.07 洋館に住む謎の少女と少年探偵団
ファイル.07 洋館に住む謎の少女と少年探偵団(10)
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『まさか、組織の人間が邪魔してくるとは……』
『くそっ、あの山高帽の男。とんでもなく強いぜ。この俺が一歩も動けなかった……』
『仕方ないよゼロ。君もまだ万全じゃないってことさ。がんばって力を取り戻していくしかないね』
『ああ、少しだけやる気が湧いてきたよ。もっとたくさん怪異を喰って、力を取り戻さないとな』
「先生、大丈夫ですか?」
「私は大丈夫だよ。でもすまないナージャさん。狼たちに逃げられてしまいました」
「ツクモさん、あなたたちががんばってくれたから、私たちは無事でいられるんです。それだけで十分です」
「小学生たちは、応接室に待機してもらっています。外の安全が確認できたら、彼らの家に帰しましょう」
「でも、どうします? きっと狼さんたちまた来ますよ?」
「そのことなんですが、ナージャさん、よかったら、私たちのところに来ませんか? ちょうどもう一人、助手が欲しいと思っていたところなんです。ね、サキくん」
「えへへ、ナージャさんが来てくれると、私もうれしいですー」
「あなたたちに迷惑をかけてしまいますよ? それでもいいんですか?」
「私は全然構わないですよ」
「私もですー」
「うれしい。私、ずっと一人だったから、そう言ってもらえるの、すごくうれしいです」
ナージャは泣きながら九十九に頭を下げた。
「それじゃあ、よろしくお願いします。ナージャさん」
「こちらこそ、よろしくお願いします。本当にありがとう、ツクモさん」
二人はがっちりと握手をした。
「そういえばナージャさん。一つ聞きたかったんですけど、どうやって今回私たちに依頼したお金を稼いだんですか?」
「ああ、私、動画サイトでアニメのキャラになりきって配信してるんです。ファンがスパチャっていう投げ銭でたくさんお金をくれるから、基本的にお金には困らないんです」
「えー、ナージャさん、ブイチューバーだったんですねー。どんなキャラなんですか?」
「わたし、いづなまいって名前で配信してます。サキさん知ってますか?」
「ええー、い、いづなまいですってー!」
「ど、どうしたの、サキくん」
「先生、いづなまいっていうのは、最近話題の超有名なブイチューバーですよー。日本だけじゃなくて、世界中にファンがいますー」
「ええ、ナージャさん、そんなにすごい人だったの?」
「ふふ、すごいかどうかはわからないですけど、配信するたびに視聴者さんからお金を結構もらえましたよ」
「わー、ブイチューバーって稼げるんですねー。先生、うちの事務所、金欠なんで、私たちもそれ、やりましょー。みんなで配信して、荒稼ぎしますよー」
「えー、私もやるの?」
「もちろんです。あ、そうだ。先生は名探偵ポワンのホワイトキャットにそっくりなんですから、顔出し配信で行きましょー。事務所の宣伝にもなりますからねー」
「宣伝ねえ。確かにそうだけど……」
九十九は苦笑いした。
『くそっ、あの山高帽の男。とんでもなく強いぜ。この俺が一歩も動けなかった……』
『仕方ないよゼロ。君もまだ万全じゃないってことさ。がんばって力を取り戻していくしかないね』
『ああ、少しだけやる気が湧いてきたよ。もっとたくさん怪異を喰って、力を取り戻さないとな』
「先生、大丈夫ですか?」
「私は大丈夫だよ。でもすまないナージャさん。狼たちに逃げられてしまいました」
「ツクモさん、あなたたちががんばってくれたから、私たちは無事でいられるんです。それだけで十分です」
「小学生たちは、応接室に待機してもらっています。外の安全が確認できたら、彼らの家に帰しましょう」
「でも、どうします? きっと狼さんたちまた来ますよ?」
「そのことなんですが、ナージャさん、よかったら、私たちのところに来ませんか? ちょうどもう一人、助手が欲しいと思っていたところなんです。ね、サキくん」
「えへへ、ナージャさんが来てくれると、私もうれしいですー」
「あなたたちに迷惑をかけてしまいますよ? それでもいいんですか?」
「私は全然構わないですよ」
「私もですー」
「うれしい。私、ずっと一人だったから、そう言ってもらえるの、すごくうれしいです」
ナージャは泣きながら九十九に頭を下げた。
「それじゃあ、よろしくお願いします。ナージャさん」
「こちらこそ、よろしくお願いします。本当にありがとう、ツクモさん」
二人はがっちりと握手をした。
「そういえばナージャさん。一つ聞きたかったんですけど、どうやって今回私たちに依頼したお金を稼いだんですか?」
「ああ、私、動画サイトでアニメのキャラになりきって配信してるんです。ファンがスパチャっていう投げ銭でたくさんお金をくれるから、基本的にお金には困らないんです」
「えー、ナージャさん、ブイチューバーだったんですねー。どんなキャラなんですか?」
「わたし、いづなまいって名前で配信してます。サキさん知ってますか?」
「ええー、い、いづなまいですってー!」
「ど、どうしたの、サキくん」
「先生、いづなまいっていうのは、最近話題の超有名なブイチューバーですよー。日本だけじゃなくて、世界中にファンがいますー」
「ええ、ナージャさん、そんなにすごい人だったの?」
「ふふ、すごいかどうかはわからないですけど、配信するたびに視聴者さんからお金を結構もらえましたよ」
「わー、ブイチューバーって稼げるんですねー。先生、うちの事務所、金欠なんで、私たちもそれ、やりましょー。みんなで配信して、荒稼ぎしますよー」
「えー、私もやるの?」
「もちろんです。あ、そうだ。先生は名探偵ポワンのホワイトキャットにそっくりなんですから、顔出し配信で行きましょー。事務所の宣伝にもなりますからねー」
「宣伝ねえ。確かにそうだけど……」
九十九は苦笑いした。
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