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4 珍味実食倶楽部
3 どこにかくまう?
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「追われている。頼む。かくまってくれ」
不自然なほどハキハキした声。程よい低音で耳によく響く。
なにより目を引いたのは、銀色の髪だった。とても高貴な感じがする。
偉そうな口調もあって、まるで王子様みたいだ。
「はい?」
「少しの間でいい。かくまってくれ!」
そんなこと言われても、隠れられるような場所は無い。本棚は壁にぴったりで隙間は無いし、テーブルは低すぎて体が入らないだろう。
「隠れられるものなら、別に、いいけど……」
「すまない。恩に着る」
激しく息を切らす彼はテーブルの上のお菓子に手を伸ばし、なんのことわりもなく食べた。
たぶん、相当お腹が減っていたのだろう。残っていた飴を一気に口の中へと放り込む。かなりの量だった。
「あ」
まさか“媚薬ですよ”と言うわけにもいかない。
ボクは気づかなかったふりで、黙ってやり過ごすことにした。
「ぬぁあああ! なんだこの狭さは!」
ほぼ正方形の小さな部屋を彼はうろうろ歩き、果てに頭を抱え、膝から崩れ落ちる。
どうやら相当困っているらしい。
「ここはなんなのだ、牢獄か!?」
「部室だよ」
「これでは見つかってしまう!!」
「他の部屋は?」
「どこも鍵がかかっていた」
確かに、この階に拠点を置いている部はどれもこれも看板だけで、ほとんど活動していないものばかりだっけ。
「しょうがないなぁ……」
ボクは肩で溜息をつく。
この狭い空間で身をかくせるとっておきの場所が一つだけ、ある。
「おいで」
まず、ボクの前でひざまずくように彼に言う。
ボクは脚をなるべく大きく開いて、彼の頭をその中心に誘った。
突然過ぎて拒絶されるかと思ったけど、
「その派手な髪が隠れれば、誤魔化せるよ。きっと」
彼はボクを見上げて生唾をゴクリと飲んだ。そんな仕草も大袈裟でやっぱり演技臭い。――まあ、来てくれるなら細かいことはどうでもいい。あと、長い下まつ毛が結構セクシーだ。見れば見るほどキレイな顔してる。
「失礼する……」
彼は恐る恐る、という感じでボクの脚の間に顔をうずめた。
ひざ掛けを銀色の頭にかぶせてあげる。
ボクが少しだけ上体を反らせれば、背後の入口からは彼の姿は完全に見えなくなる。
「……はぁ」
ボクはゆっくりと目を閉じた。布ごしに彼の頭を撫で回しながら、記憶の中の快楽を呼び覚ます。
膨らみきったモノが舌でつつかれ、吸われ、弄ばれたときのことを――。
「……アッ、あぁ、……そ、んなっ……」
なるべく扉の向こうにも聞こえるよう、大声で喘いでみる。
演技だと思うと虚しいけれど、ムラムラした気分を発散できるからちょうどいい――。
誰に抱いてもらおうかなと喘ぎながら迷った末、一番やさしくシてくれそうなユーくんに決める。
「ユー、くん……」
愛おしく呼べば、沈み込んでいるのが本当にユーラスくんである気がしてくる。
「……あっ、……気持ち、イイ……」
しばらくして扉の向こうに気配を感じた。たぶん、一人じゃない。ぞろぞろと何人も連なる靴音。
やがて、扉が少し開いたような気配がした。
不自然なほどハキハキした声。程よい低音で耳によく響く。
なにより目を引いたのは、銀色の髪だった。とても高貴な感じがする。
偉そうな口調もあって、まるで王子様みたいだ。
「はい?」
「少しの間でいい。かくまってくれ!」
そんなこと言われても、隠れられるような場所は無い。本棚は壁にぴったりで隙間は無いし、テーブルは低すぎて体が入らないだろう。
「隠れられるものなら、別に、いいけど……」
「すまない。恩に着る」
激しく息を切らす彼はテーブルの上のお菓子に手を伸ばし、なんのことわりもなく食べた。
たぶん、相当お腹が減っていたのだろう。残っていた飴を一気に口の中へと放り込む。かなりの量だった。
「あ」
まさか“媚薬ですよ”と言うわけにもいかない。
ボクは気づかなかったふりで、黙ってやり過ごすことにした。
「ぬぁあああ! なんだこの狭さは!」
ほぼ正方形の小さな部屋を彼はうろうろ歩き、果てに頭を抱え、膝から崩れ落ちる。
どうやら相当困っているらしい。
「ここはなんなのだ、牢獄か!?」
「部室だよ」
「これでは見つかってしまう!!」
「他の部屋は?」
「どこも鍵がかかっていた」
確かに、この階に拠点を置いている部はどれもこれも看板だけで、ほとんど活動していないものばかりだっけ。
「しょうがないなぁ……」
ボクは肩で溜息をつく。
この狭い空間で身をかくせるとっておきの場所が一つだけ、ある。
「おいで」
まず、ボクの前でひざまずくように彼に言う。
ボクは脚をなるべく大きく開いて、彼の頭をその中心に誘った。
突然過ぎて拒絶されるかと思ったけど、
「その派手な髪が隠れれば、誤魔化せるよ。きっと」
彼はボクを見上げて生唾をゴクリと飲んだ。そんな仕草も大袈裟でやっぱり演技臭い。――まあ、来てくれるなら細かいことはどうでもいい。あと、長い下まつ毛が結構セクシーだ。見れば見るほどキレイな顔してる。
「失礼する……」
彼は恐る恐る、という感じでボクの脚の間に顔をうずめた。
ひざ掛けを銀色の頭にかぶせてあげる。
ボクが少しだけ上体を反らせれば、背後の入口からは彼の姿は完全に見えなくなる。
「……はぁ」
ボクはゆっくりと目を閉じた。布ごしに彼の頭を撫で回しながら、記憶の中の快楽を呼び覚ます。
膨らみきったモノが舌でつつかれ、吸われ、弄ばれたときのことを――。
「……アッ、あぁ、……そ、んなっ……」
なるべく扉の向こうにも聞こえるよう、大声で喘いでみる。
演技だと思うと虚しいけれど、ムラムラした気分を発散できるからちょうどいい――。
誰に抱いてもらおうかなと喘ぎながら迷った末、一番やさしくシてくれそうなユーくんに決める。
「ユー、くん……」
愛おしく呼べば、沈み込んでいるのが本当にユーラスくんである気がしてくる。
「……あっ、……気持ち、イイ……」
しばらくして扉の向こうに気配を感じた。たぶん、一人じゃない。ぞろぞろと何人も連なる靴音。
やがて、扉が少し開いたような気配がした。
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