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しおりを挟むすべての始まりは、本だった。
ネット経由で買ってみたものの、薄っぺらで紙質も悪く、後悔と恥ずかしさと共に本棚の奥へ押しやった。
僕の留守中に部屋にやってきた幼なじみが、どういうわけかそれを引きずり出したのだ。
──「百井ってこんなの見てんだぜ! 男のくせに男が好きなんだってよ!」
誰にも知られたくなかったことがクラス中に言いふらされたのは翌日のこと。
僕が隠したいたはずのそれは、同じ年頃の男子が見ているのとは明らかに内容が違った。
昨日まで友達だったはずの人は一斉に悲鳴をあげ、みんな僕を汚いものとして扱うようになった。
「お前、オレらのこともおかずにしてたのか?」
「やっべぇな。コイツと二人っきりにならねぇようにしよーっと」
「だったらもっとオカマみてぇな喋り方しろよな。おもしろくない」
バカにされる筋合いはない──そう言い返せばよかったのに、なにもできなかった。
もともと僕は口下手で、友達を作るのがヘタで、自己主張なんてうまくできなかったから。
せめてもの抵抗で、笑うヤツらを遠くから睨みつけた──。
それがかえって火に油をそそいだらしい。
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