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5 アツイので擦って ※
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しおりを挟む「アイロンかけてるだけだろがっ、妙な声出すなっ!」
しびれを切らし、鶴見の伸び放題の髪をひっぱり、耳元で怒鳴りつけてやった。だがそれもたいした効果はないのは目に見えていた。
「はァあああん! 奥にっ、奥に当たるよぉおお、凛くんのがぁああ」
「あー……、コイツまじうぜぇ」
だいぶ後悔していた。
ぐずぐずの鶴見を見ているうちに我慢できなくなって、制服一式を勢いのままに脱がせてしまったのはやはり間違いだった。
ブレザー、ネクタイ、シャツ。それからズボンのなかに丸めて突っ込んであったというハンカチにもアイロンを当てる。
シワだらけのブレザーをピッチリさせたいと前から思っていたが、いざ始めてみればなかなかスムーズにはいかない。
その間、ヒマで半裸の鶴見は、まるで自分自身の体にアイロンがかけられてるみたいに悶えまくっている。
「凛くんの熱くてカタくておっきいの、しゅごいっ、しゅごいのぉおお!!」
「あーあー! そうだなっ、確かに熱くてカタくて大きいなアイロンはっ!」
舌を打ちながら、制服のわき腹から腰のあたりのシワを入念にのばしていく。生地が痛まないようにアイロンと服の間にタオルをはさみ、あまり力をかけず、やさしく。
鶴見はその動きにシンクロさせるように自分の体をなで、うっとりしている。
鶴見の本体のほうは、ぜい肉も筋肉もなくぺらぺら。太陽を知らない真っ白い肌の下、あばら骨がぼこぼこ浮かんでいる。皮をかぶったガイコツみたいだ。
痩せすぎだ。貧弱すぎる。
「はぁあああんっ! 早くぅうう! 早く凛くんの熱いお汁をぶっかけてくだひゃいぃいい!」
ちなみに熱い汁とはスチームのことらしい。
「それは最後の仕上げだ。バカ野郎」
「もぉ、がまん、でひないぃい! 溶かひてっ、とろとろにひてぇええ!」
アホにもほどがある。
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