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14.破壊者/いたみ ※
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しおりを挟む「本当、いやらしい身体」
「……っ、はー、……はーっ……」
俺は力を振りしぼり、肩越しにケティを睨みつける。
「いい目ね」
まるでそれが引き金になったかのように、突き上げる動きが激しくなった。逃げたい一心で腰を浮かせようとしたところを両側から掴まれ、揺さぶられる。
「ぅあ! ひ、あっ、やっ!」
俺の中で暴れ回るケティは、満たされた体液を掻き鳴らし、圧し上げてくる。
「……ああっ、龍広、……今すっごく、素敵よ」
「――ッ!」
奥まで執拗に叩き込まれ、感じないわけがなかった。喉が引き攣るほどの深い快楽が生まれる度、彼のモノもびくびくと震え、強張る。
「ひんっ!」
すると、この身体までつられて大きく跳ね上がってしまう。
硬く猛り切ったそれは異物でしかない。それなのに、激しく交じり合うことでだんだんと己の一部のような気がしてくる。
嫌なのに、感覚は麻痺してしまう。痛みまで遠くなって、本当にどうにかなってしまいそうだった。
彼は俺の身体のことなど気にもせず、動き続けている。
「あっ……イイ、そのままっ……もっと!」
「……だ、あ、……やっ……!」
分かる。
彼が高ぶり続けているのが、分かる。
背筋が、ぞくりとした。
「龍広……あっ! た、つ、ひ……ろぉおおおッ!」
「ひッ!」
彼の声が上擦って動きがいっそう激しくなる。乱暴に腰を叩きつけられた瞬間、俺の意識は真っ白に弾けた。
「……っ、は……はーっ」
しばらくして我に返ると、熱いものが注ぎ込まれた直後だった。
ただの器である俺にはなんの快感も喜びも無い。腹の中を汚すものがまた増えただけだ。
引き抜かれれば、それで用済み。
支えを失った身体は重い肉となり、シーツにうつ伏せで倒れこむ。
その拍子に片足がベッドからずり落ちてしまった。栓を失い、あふれたものが太腿をつたい、肌を汚していく。
気持ちが悪いのに、それを拭う気力すら無い。もう、どうだっていい。少しも動けそうにない。
「……っ、……」
たちまち、猛烈な眠気が頭を支配する。まぶたを閉じることさえ忘れてしまいそうな――。
これでやっと、楽になれる。
やっと、朝を迎えられる。
響に、あいたい。
できることなら謝って、また、前みたいに――。
汚れ切った身体でこんなことを考えてしまうなんて。苦しくて虚しくて、たまらなかった。
乱れた前髪が顔に吸い付くほど、涙が次々にこぼれていく。
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