6 / 136
第1章 現実とファンタジーの間で
1−4
しおりを挟む
「このバッジは、自分自身が持っている能力を引き出してもらうの」
人には誰にでも自分自身に適した能力がある。それを大抵の人は使いこなせないで一生を終えてしまう。
リズが持っているバッジは、その人自身に生まれつき持っている能力を引き出してくれる。
と言っても、ただすぐに完全に発揮される訳ではない。
例えば、魔法を使う能力がある人がこのバッジを使って引き出したところで
ゲームのような凄い魔法が使える訳ではない。
結局のところ、努力を重ねて使いこなせるようになるしかない。
リズが持っているバッジは、結局のところそのキッカケを作ってくれるものだ。
「だけど、そのバッジを使ったところで、いきなり戦える訳ではないでしょ」
「まあ、そうなんだけどね。その辺は私が教えてあげるわよ」
「大丈夫かよ・・・」
「はいはい、ゴチャゴチャ言わないでバッジを手に取って!」
ジュンは、リズからバッジを受け取った。
すると、バッジが光り出した。その光はジュンの体の中に入っていった。
「うん、これで能力が引き出されたわね」
引き出されたとか言われても、特に何かを感じる訳ではない。
本当に何か変わったのだろうか?
「そうね。自分に適した武器を出すことができるようになったと思うわ。手に武器があるイメージをしてみて」
ジュンは手に何か武器があるイメージを思い描く。
すると、ジュンの手から光が光と共に拳銃と大型の剣が現れた。
「うおっ、何か出てきた!」
「これが君と共に戦う武器だね。剣と銃ってところかな?」
「これが、自分の武器なのか?」
初めて見た物なのに、自分の手に馴染んでいる感じがする。これが、自分自身にとって適切な武器なのか。
「さて、もう一つ。胸元にあるバッジに注目」
バッジには、〆切マークみたいなものとローマ数字の「I」が書いてある。
「どうやら、君の職業は見習いヒーローだね」
「見習いヒーロー?なんかあまりパッとしない職業のような・・・」
「まあ、最初はそんなもんだよ。後は君次第だね。レベルが上がれば別の職業にクラスチェンジするよ」
最初はレベル「Ⅰ」からスタートで、レベルが「Ⅶ」あれば、ジョブとしてはかなりの上級者らしい。
「どうすればレベルが上がるの?」
「まあ、戦ったり人助けをしたり、そんなところかな」
「なんだか曖昧だなぁ・・・。ちなみにリズは何の職業なの?」
リズのバッジは星マークでローマ数字の「Ⅸ」が記載されている。
「これは、異界冒険者ね」
しかもレベルが「Ⅸ」と表示されている。さっきの話だと「Ⅶ」でも上級者。彼女はさらに上の実力を持っていることになる。
見た目は自分よりもかなり若いのに相当な実力者なんだろうな、彼女は。
「さて、これで戦う力に関する問題は解決ね。後は実戦で色々と教えるわ。
次の問題は、発信機がどこにあるかね。これが反応したということは近くのはずなんだけど」
「他に手がかりは無いの?」
近くとは言え、ジュンが住んでいるこの江戸川町は建物が沢山ある。探す範囲が広すぎる。
「この近くに数十人規模の人が入れる建物があればいいのだけど。
というのは、私が侵入した時に少なくともそれぐらいの人数の人を見かけたから」
数十人規模の人が入れる建物と言えば、学校や公民館を想像する。
いや、学校や公民館はまだ開いていない。その線は低いか。
あと、可能性があるとしたら・・・
「あら?何の音かしら?」
外から、パトカーのサイレンの音が聞こえた。
「ああ、これはパトカーのサイレンだね。何か事件でもあったんじゃないかな?」
しかし、音が近い。この近くで何かあったのだろうか。しかも聞こえるのは1、2台というレベルではない。
「やけに多いな・・・」
ジュンはベランダから外を見た。パトカーの群は、ジュンの家の近くの工場に集まってる。
数十人規模の人が入れる建物。その条件に当てはまる建物が目の前にあった。
「まさか・・・」
「ジュン、どうしたの?」
「いや、リズが言ってた数十人規模の人間が入る建物の候補があれなんじゃないかと思ったところ。
これだけ警察が集まるということは何かあった可能性があるよ」
「なるほどね。手がかりも無いし行ってみる価値はありそうだ。よし行こう」
人には誰にでも自分自身に適した能力がある。それを大抵の人は使いこなせないで一生を終えてしまう。
リズが持っているバッジは、その人自身に生まれつき持っている能力を引き出してくれる。
と言っても、ただすぐに完全に発揮される訳ではない。
例えば、魔法を使う能力がある人がこのバッジを使って引き出したところで
ゲームのような凄い魔法が使える訳ではない。
結局のところ、努力を重ねて使いこなせるようになるしかない。
リズが持っているバッジは、結局のところそのキッカケを作ってくれるものだ。
「だけど、そのバッジを使ったところで、いきなり戦える訳ではないでしょ」
「まあ、そうなんだけどね。その辺は私が教えてあげるわよ」
「大丈夫かよ・・・」
「はいはい、ゴチャゴチャ言わないでバッジを手に取って!」
ジュンは、リズからバッジを受け取った。
すると、バッジが光り出した。その光はジュンの体の中に入っていった。
「うん、これで能力が引き出されたわね」
引き出されたとか言われても、特に何かを感じる訳ではない。
本当に何か変わったのだろうか?
「そうね。自分に適した武器を出すことができるようになったと思うわ。手に武器があるイメージをしてみて」
ジュンは手に何か武器があるイメージを思い描く。
すると、ジュンの手から光が光と共に拳銃と大型の剣が現れた。
「うおっ、何か出てきた!」
「これが君と共に戦う武器だね。剣と銃ってところかな?」
「これが、自分の武器なのか?」
初めて見た物なのに、自分の手に馴染んでいる感じがする。これが、自分自身にとって適切な武器なのか。
「さて、もう一つ。胸元にあるバッジに注目」
バッジには、〆切マークみたいなものとローマ数字の「I」が書いてある。
「どうやら、君の職業は見習いヒーローだね」
「見習いヒーロー?なんかあまりパッとしない職業のような・・・」
「まあ、最初はそんなもんだよ。後は君次第だね。レベルが上がれば別の職業にクラスチェンジするよ」
最初はレベル「Ⅰ」からスタートで、レベルが「Ⅶ」あれば、ジョブとしてはかなりの上級者らしい。
「どうすればレベルが上がるの?」
「まあ、戦ったり人助けをしたり、そんなところかな」
「なんだか曖昧だなぁ・・・。ちなみにリズは何の職業なの?」
リズのバッジは星マークでローマ数字の「Ⅸ」が記載されている。
「これは、異界冒険者ね」
しかもレベルが「Ⅸ」と表示されている。さっきの話だと「Ⅶ」でも上級者。彼女はさらに上の実力を持っていることになる。
見た目は自分よりもかなり若いのに相当な実力者なんだろうな、彼女は。
「さて、これで戦う力に関する問題は解決ね。後は実戦で色々と教えるわ。
次の問題は、発信機がどこにあるかね。これが反応したということは近くのはずなんだけど」
「他に手がかりは無いの?」
近くとは言え、ジュンが住んでいるこの江戸川町は建物が沢山ある。探す範囲が広すぎる。
「この近くに数十人規模の人が入れる建物があればいいのだけど。
というのは、私が侵入した時に少なくともそれぐらいの人数の人を見かけたから」
数十人規模の人が入れる建物と言えば、学校や公民館を想像する。
いや、学校や公民館はまだ開いていない。その線は低いか。
あと、可能性があるとしたら・・・
「あら?何の音かしら?」
外から、パトカーのサイレンの音が聞こえた。
「ああ、これはパトカーのサイレンだね。何か事件でもあったんじゃないかな?」
しかし、音が近い。この近くで何かあったのだろうか。しかも聞こえるのは1、2台というレベルではない。
「やけに多いな・・・」
ジュンはベランダから外を見た。パトカーの群は、ジュンの家の近くの工場に集まってる。
数十人規模の人が入れる建物。その条件に当てはまる建物が目の前にあった。
「まさか・・・」
「ジュン、どうしたの?」
「いや、リズが言ってた数十人規模の人間が入る建物の候補があれなんじゃないかと思ったところ。
これだけ警察が集まるということは何かあった可能性があるよ」
「なるほどね。手がかりも無いし行ってみる価値はありそうだ。よし行こう」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
陸上自衛隊 異世界作戦団
EPIC
ファンタジー
その世界は、日本は。
とある新技術の研究中の暴走から、異世界に接続してしまった。
その異世界は魔法魔力が存在し、そして様々な異種族が住まい栄える幻想的な世界。しかし同時に動乱渦巻く不安定な世界であった。
日本はそれに嫌が応にも巻き込まれ、ついには予防防衛及び人道支援の観点から自衛隊の派遣を決断。
此度は、そのために編成された〝外域作戦団〟の。
そしてその内の一隊を押しつけられることとなった、自衛官兼研究者の。
その戦いを描く――
自衛隊もの、異世界ミリタリーもの……――の皮を被った、超常テクノロジーVS最強異世界魔法種族のトンデモ決戦。
ぶっ飛びまくりの話です。真面目な戦争戦闘話を期待してはいけない。
最初は自衛隊VS異世界軍隊でコンクエストをする想定だったけど、悪癖が多分に漏れた。
自衛隊名称ですが半分IF組織。
オグラ博士……これはもはや神話だ……!
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる