探検隊ルイーザと不思議な物語

第8章 勇気の向こう側に

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3人は下に落下している。この高さだと1分後には地面に激突してしまう。
「うわーん、こんなところで死んじゃうのか」
「諦めないで！ジュン、ルイーザ、私の近くに集まって！」
「そうか、落下する直前に風の魔法を出して衝撃を和らげるのか」
2人はウェンディの近くに行く。ウェンディは風の魔法の準備をした。
「そうはさせませんよ」
ローデンが落下中の3人に向かって突進してきた。
ローデンの突進により、ジュンとルイーザが別の場所に飛ばされる。
「ジュン、ルイーザ！」
風の魔法を使えない2人。このままで地面に激突してしまう。ジュンはせめてルイーザが先に地面に着かないように抱えた。最悪、自分が先に落ちても、衝撃で助かるのでは。そう考えたが、どうすればこの状況を打破出来るかの方が大事だと思った。2人とも生き延びるんだ。こんな場所で終わるわけにはいかない。この状況で何が出来るか。考えろ、考えるんだ。
・・・ダメだ。何も思いつかない。悔しいな。自分にもっと力があれば。もっと強ければ、みんなを守れるくらいの強さがあればこんな状況にならなかったのだろうな。

もっと強くなりたい！ここで諦めたくない。

そのジュンの想いに対して奇跡が起きる。
「ジュン、体が・・・」
ジュンの体が輝く。違う。輝いてるのは、ローデンの塔で手に入れた始まりのタグだ。大きな輝きがジュンとルイーザを包んでいく。その輝きはゆっくり地上へ降りていく。
先に地面に着地していたウェンディはその輝きを見て驚いていた。
光の中に居るジュンやルイーザも何が起きているのか分からない状況だ。
「この状況は一体・・・」
「ねえ、ジュン、私たち浮いてるよ！」
「え？お！ホントだ。どういうこと？」
何が何なのか全く分からない。今言えることは、この光のおかげで助かったということと。始まりのタグが何らの効果を発揮してくれたということだ。
「このタグ、一体何なのかな？そもそも僕らの持ってる異界の笛や導きのコンパスに反応したんだよね。始まりの異界に関係するアイテムとはいえ謎だよね」
そう思うと、2人はこのタグの謎を解いてみたい、そう感じた。
2人を包んだ光は、地面に着地した。そして、着地と同時に光が消えたのだった。
着地したところにはウェンディが待っていた。そして、光が消えると同時に2人のところに駆け寄って来た。
「ジュン、ルイーザ！良かった！無事だったのね」
「いや、僕らも何が何だか」
「けど、すごく不思議な感じがしたわ。この始まりのタグのおかげね。助かったわ」
ウェンディがタグをまじまじと見た。
「へー・・・不思議なタグね、一体何なのかな？」
「そんな馬鹿なことが・・・まさかあの高さから落ちて助かるとは・・・あなた達は一体何者ですか！？」
ローデンがジュン達の前に降りて来た。彼自身も信じられないという表情だ。
「え？今更そこを聞く？まあいいや。僕らはルイーザ探検隊。始まりの異界を追求する者だ！」