探検隊ルイーザと不思議な物語

4章〜8章リフィリア王国編エピローグ 新たなる旅立ち

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リフィリア王国のセトが入院している部屋に行った2人。だが、そこには誰も居なかった。
「あれ？誰もいないね」
確か、セトはここに入院していると聞いたのだが。どこかでリハビリでもしてるのだろうか。
そこに現れたウェンディが驚いた。彼女はセトの専属の医師を務めている。
「あ、あれ？騎士団長さんがいないわ。眠ったままだったはず・・・。まさか、目が覚めていた？それはとにかく、2人とも、騎士団長さんがどこに行ったから知らない？」
「いや、僕らも今来たから・・・」
ルイーザがベッドの上に紙が置いてあるのを見つけた。
「あれ？この紙は何かな？」
「これって騎士団長が書いたものじゃない？」
そこにはこう書かれていた。

『トーラに勝てない今の私に騎士団の長を
勤めることは出来ません。
騎士団長の職を辞めます。
勝手ながらご許しを　　セト』

「ってことは、そういうことだよな？」
セトが騎士団を辞めて、どこかに行ってしまったということだ。きっと、強くなる為にどこかに旅に出たのだろう。今回の出来事は、騎士団、ギルド、両方がトップを失ってしまったのだ。何も辞めることはないのにとジュンは思ったが、トーラに負けた事がよほど悔しかったのだろう。ジュン達もローデンに一度負けているから気持ちは分かるが。
そんな状況にルイーザはある人物を思い浮かべた。
「これ、クルールが胃を痛めそうな話だね」
今、リフィリア王国で権力が1番高いのはクルールだ。彼に色々な仕事が回ってきて苦労する様子は容易に想像できた。
「胃を痛めていそうなのがここにもいるけどな」
2人はウェンディの方を見た。怒りでブルブル震えていた。
「まったく、もー！何で私の患者は大人しくしてないのよ！」
ウェンディの怒りの叫びは病院中に広まったのだった。
その後、セトが居なくなった事実はクルールに知れ渡った。ジュン達が予想した通り、彼は深いため息をついていた。
「はあ・・・書類仕事がまた増えるな・・・」
既にクルールのデスクには胃薬らしきものが置いてあった。これから増える仕事量のことを考えると気が滅入っている様子だったらしい。
そんな感じで、リフィリア王国の混乱もまっまだ収まる様子は無さそうだ。
病院にセトが居ないと分かった2人は、ルイーザの家に戻ることにした。