魔法の遺産

ことのは工房

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第8章

伝説の戦士の力

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エドガーの登場により、ダリウスの攻撃が一時的に止まった。彼の圧倒的な気配に、アレン、カイル、そしてリリィの三人は驚きの表情を浮かべる。エドガーは、魔王軍の精鋭であるダリウスと対峙するために現れた、まさに伝説の戦士だった。

「お前が…エドガーか?」

ダリウスはその名を聞き、明らかに動揺した様子を見せた。その目には、これまでにない不安の色が浮かんでいた。

「俺がエドガーだ。」

エドガーは静かに答えると、手にした大剣を強く握りしめた。彼の姿からは、ただ者ではない気迫が漂っている。その圧倒的な存在感に、ダリウスは一歩後退した。

「お前が俺を止めるつもりか?」

ダリウスは冷笑を浮かべ、再び魔力を高め始めた。しかし、エドガーは動じることなく、その足を一歩前に踏み出す。

「魔王軍に仕える者が、こんなにも弱くなってしまったか。」

エドガーの一言に、ダリウスはさらに怒りを露わにし、黒いエネルギーを全身から放った。だが、エドガーはその攻撃を一瞬で切り裂くような速さで大剣を振るった。

「――!」

ダリウスの攻撃は、エドガーの一閃によって無力化され、黒いエネルギーが爆発するように消えていった。その威力に、アレンたちも思わず息を呑んだ。

「すごい…」

アレンはその圧倒的な力に驚き、思わず呟いた。カイルもその剣技に目を見張り、リリィは精霊の力を使う手を止めて見入っていた。

「この戦いでお前が何を得ようと、もう遅い。」

エドガーは静かな口調で言い放った。その言葉が終わるや否や、エドガーは一気にダリウスに迫り、鋭い剣撃を放った。ダリウスはその攻撃を受け止めることができず、吹き飛ばされた。

「ぐっ…!」

ダリウスは地面に叩きつけられ、しばらく動けなかった。エドガーはそのままダリウスに歩み寄り、剣を鞘に収めながら言った。

「お前のような者に、私の力を試す資格はない。」

「待て!」

ダリウスは必死に立ち上がり、最後の力を振り絞って叫んだ。

「魔王軍の真の力を知らないお前に、勝てると思っているのか?」

その言葉に、エドガーは一瞬だけ考え込んだ。しかし、すぐに冷静さを取り戻し、言い放った。

「知らないかもしれないが、俺の戦いには譲れないものがある。それがある限り、魔王軍には負ける気がしない。」

エドガーのその言葉に、ダリウスは完全に沈黙した。その後、エドガーはダリウスに向けて短い言葉を告げる。

「立ち去れ。お前にこれ以上関わるつもりはない。」

ダリウスはその場から一目散に退却し、黒い霧の中に消えていった。エドガーはその背を見送りながら、深くため息をついた。

「一時的に追い払っただけだ。奴らが本当に諦めることはない。」

アレンはその言葉を受けて、思いを新たにした。

「でも、今は助かりました。ありがとう、エドガー。」

エドガーは微笑んだ。

「礼を言われるのは慣れていないが、今回はお前たちの命を救うために動いた。それで十分だ。」

その言葉に、アレンはエドガーを尊敬の眼差しで見つめた。

「それにしても、エドガーさん…すごい力を持っているんですね。」

リリィが感嘆の声を上げると、エドガーは少し考えてから答えた。

「俺の力は、魔王軍に立ち向かうために磨き上げたものだ。それだけでは足りないことも分かっている。だが、今はお前たちと共に戦い、力を合わせるべきだと思った。」

カイルもエドガーに向かって頷き、言った。

「俺たちの仲間になってくれるのか?」

「もちろんだ。」

エドガーは静かに言い、再び大剣を肩に担いだ。

「お前たちの力になれるなら、遠慮なく力を貸す。」

アレンはその言葉を聞いて、再び決意を固めた。

「ありがとう、エドガーさん。これから一緒に戦おう。」

こうして、エドガーも新たな仲間として加わることとなり、アレンたちの戦いはさらに強力な力を得ることになった。しかし、魔王軍の陰謀はまだ終わったわけではなく、彼らの前にさらなる試練が待ち受けていることを、アレンたちはまだ知らなかった。
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