魔法の遺産

ことのは工房

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第23章

新たなる同盟

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アスタとの激闘から数日が経過し、アレンたちはその疲れを癒しながら次なる戦いに備えていた。アスタを倒したことで、魔王軍の幹部の一人を撃退したものの、魔王自体がまだ存在しているという事実に変わりはない。

「アレン、どうするんだ…?」

リリィが心配そうにアレンを見つめる。アレンは、しばらく黙ったまま窓の外を見つめていた。

「アスタを倒しただけじゃ、まだ終わらない。次に控えている魔王軍の幹部は、さらに強力だ。だが、私たちは一人では戦えない。」

アレンの言葉に、カイルやエドガーも頷く。彼らはすでにアレンの意図を察していた。

「だから、俺たちだけでは無理だってことか。」

カイルが言うと、アレンはゆっくりと頷く。

「その通りだ。でも、仲間がいれば、きっと乗り越えられる。新たな仲間を探さないと。」

その言葉に、エドガーが口を開いた。

「それなら、俺たちの知り合いに力を貸してくれそうな奴がいるかもしれない。彼の名前は、ヴァルド。昔、俺が旅をしていたときに出会った強力な剣士だ。」

「ヴァルドか…。」

アレンはその名前を聞いて一瞬思案する。だが、すぐに顔を上げて決意を固めた。

「よし、じゃあ彼に会いに行こう。彼の力が必要だ。」

アレンたちは急ぎ、エドガーの指示でヴァルドが住んでいる町に向かうことに決めた。道中、彼らは再び協力し合い、慎重に進んでいった。


---

町に到着すると、ヴァルドの家は古びた小屋のようなもので、周囲の風景とは少し離れた場所にひっそりと建っていた。アレンたちは戸をノックする。

「ヴァルド、いるか?」

しばらくして、戸が開き、顔を出したのは年齢にしては若いものの、鋼のように鍛え上げられた筋肉を持った男だった。彼の目は鋭く、どこか冷徹な雰囲気を漂わせているが、その視線に恐れはなかった。

「お前たちは…?」

ヴァルドはアレンたちを見つめ、一歩前に出る。エドガーはその姿を見て懐かしそうに声をかけた。

「ヴァルド、久しぶりだ。俺だよ、エドガー。」

「エドガーか…。お前、こんなところに来るとは珍しいな。」

ヴァルドは少しだけ驚きの表情を見せたが、すぐに冷静に戻る。

「何の用だ? あんたたちのような冒険者が俺を訪ねてくるなんて、珍しいな。」

「実は、魔王軍の幹部を倒してきたんだが…まだ魔王軍の脅威は去っていない。次なる戦いに備えて、君の力を貸してほしい。」

アレンが真剣な表情で語ると、ヴァルドは黙ってアレンを見つめた。しばらくの沈黙の後、彼はゆっくりと答える。

「魔王軍か…。それなら、俺の力が必要だろうな。だが、俺が手を貸すことでお前たちが負けるようなことがあれば、責任は取らんぞ。」

アレンはその言葉に何も言い返さず、ただ深く頷いた。

「分かった。君の力が必要だ。」

ヴァルドは静かに頷き、扉を開けてアレンたちを中へ招き入れる。

「どうせ戦うなら、全力で戦うつもりだ。お前たちを倒すために来た魔王軍の幹部を倒してやるよ。」


---

その夜、アレンたちはヴァルドとともに過ごし、彼の強さを改めて実感することとなった。ヴァルドの剣の使い手としての技術はまさに圧巻で、アレンはその実力を見て改めて彼を仲間に迎える決意を固めた。

「これから、俺たちはさらに強くならないといけない。ヴァルド、君の力を貸してくれ。」

「お前がその覚悟を持っているなら、俺も力を貸すさ。」

その夜、アレンたちは新たな仲間ヴァルドとともに、魔王軍との戦いに備えて準備を進めることを誓った。
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