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第8章
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しおりを挟む「今、俺と藤本さんはアメリカの支社で働いているんだ。この会社を大きくするためには俺たちに頑張って欲しいって・・・兄さんが」
「そうだったんだ。そっか、そうなんだ。幸せなんだね?」
「___そうだよ。だから、沙也加さんにもお裾分け」
そう言って二人が目を合わせて笑ってから、藤本さんが黄色の花を耳の上に挿してくれた。
「今日は赤いルージュでとっても色っぽくて素敵。その黄色い花はフクジュソウっていうの。凄く似合っているわ」
「ありがとうございます」
「俺たちは行くよ。沙也加さんはそこにいて」
藤本さんの手を大切そうに引きながら、司くんたちは去っていった。ウエイターに声を掛けられて、とりあえずシャンパンを受け取った。お母さんが塗ったルージュは赤だったのか。以前の藤本さんを思い出してしまうから、避けていた色だった。___でも、それはもう必要のない事。藤本さんは優しい笑顔をしていた。司くんを傷つけることはもう無いだろう。
心からの祝福を込めて、おめでとう司くん。
「今ので大丈夫だったかしら」
「えぇ、大丈夫です。俺たちの出番は終わりです」
沙也加さん、俺たち家族と関わったことを後悔しないで欲しい。俺たちを変えたのは、他の誰でもない貴女だから。フクジュソウはその名の通り、”幸せを招く”花だ。貴女にとびっきりの幸せが舞い降りてきますように。
「どうしたの司。なんだかにやけちゃって。やっぱり水谷さんが好きだと思った?」
「そんな事ないよ。俺は君を守っていくと決めたから」
清々しい気分だった。匠から話は聞いていたが、元気になっているようだった。凄く・・・、心配していた。酷く傷つけてしまったから。それなのに怒りもせず、元気にやっているかだなんて、本当に___最高の女性だ。あの時の気持ちは、一時の気の迷いなんかじゃなかった。心底あの人を愛していた。
あのときの温かい気持ちを持って、俺はこの先、目の前にいるこの女性を大切に愛していこうと思う。
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