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水の精と遊ぶ
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下界の早朝、月光族の港町と村の中間ぐらいの場所に人が集まって来ている。
戦士、料理人、商人がそれぞれで固まり、何か準備している。
合図と共に戦士達が一斉に森の中に入って行った。
しばらくすると獲物を持った人がちらほら森から戻ってきて料理人が解体、調理。素材は商人がその場で買い取っている。
料理人が調理を始める頃になると一般人もやって来て賑わいを見せる。
狩猟祭。
不定期ではあるが、森の生物が増えると行っている月光族の伝統的なお祭りだ。
月光族の港町の付近には広大な森が広がっているのだが、どうもここはマナが集まりやすく、動植物の成長が早い。
おかげで大食らいの多い月光族の食事情を補えているわけだが、一方で森の生物は変異しやすく、時として凶暴な変異種が生まれる事がある。
そういった危険な生物を増やさず、外に出さないでいるのは月光族が常に森に入り、狩猟を行っているおかげだったりする。
大河が渡れるのも月光族が数を減らすのに一役買っているし、結構重要な種族なんじゃないかと改めて思う。
んー。でも考えれば何処でもそんなもんか。
どこにも利と害があって、そのバランスが上手く取れた場所に人は集まるようになっている気がする。不思議なものだ。
狩猟祭は更に盛り上がりを見せている。
次第に大物が運び込まれてきて、その都度参加者達が盛り上げている。
その大きさは勿論のこと、その場で解体され、日持ちしない部位を口にする事が出来るからな。テンションも上がる。
正直言えばちょっとどんな味か気になる。
こっちじゃ動物性の物は口に出来ないからな。
とはいえこういう日持ちしない部分も食べる文化はなんとなく勇者の影響の気がする。
ちょっとサチに確認を取ってみよう。
・・・やっぱりそうだった。
いくら魔法があるとはいえ下処理をしないと食べられない部位に普通は手を出したりはしない。
精々お掃除スライムの餌にするぐらいだろう。
だが、異世界の、特に食に異様なこだわりと探究心を持った人ならそこを勿体無いと感じる感性を持っている。
そうやって本当に無駄なく頂く。
人によっては意地汚いと思う人もいるかもしれないが、命を頂くのだ。無駄にしない精神は良いと俺は思う。
ま、それが元々下界にいる人に理解されているかはわからないが。
なんであれ無駄なく美味しく頂いている現状はいいと俺は思う。
・・・本当に美味そうだ。
おなかが辛くなってくるから他の場所に視点を移して紛らわそう。
今日は運動する日ということで水の島に来ている。
水の精の子供達に囲まれながらサチとゆったりと泳ぐ。
サチの泳ぎも大分上達してきた。
今は休憩と称して念で作った空気球を胸の辺りに抱えて流れに身を任せている。
水の精が面白半分でサチを押して行く方向をあっちこっちにしているがいいのか?楽でいい?そうか。
俺はもうちょっと泳ぎたいのでサチに断りを入れて潜る。
神の体になったおかげで水中の活動が凄く楽になった。
他にもゴーグルなど付けなくとも水中の物が綺麗に見えるというのも嬉しい。
そんなわけで深くなっている部分の水底遊泳と洒落込んでいる。
と言っても水底には大したものはなく、小さな水の精霊石ぐらいしか目ぼしい物が無いんだけどね。
あとあれだ、本人は気付いてないだろうが、下からサチの泳いでる姿を眺めるのがいい。
ちょっと悪戯したくなるな。
一度水面に出て思いっきり空気を吸い込んで潜る。
そしてサチの真下あたりで吐き出す。
結構な量の泡が上って行く。
あ、気付いた。ははは、慌ててる。
げ、気付かれた。ふふん、だが水中の俺に追いつけるかな?あ、ちょっと念を使うのはズルイぞ。
あー捕まった。しょうがない、罰は甘んじて受けよう。
頬を引っ張るのはいいけど、あっちで水の精達が真似してるけどいいのか?・・・照れて赤くならんでも。
よくみるとさっき俺がやった水中から泡を出すのも何人か真似しているのがいる。
水面にポコポコ泡が出ててちょっと面白い。
水の精の小さい子は何事にも興味を示し、真似して遊ぶようだ。
「ソウ、少し休憩したいです」
「あいよ」
なんだかんだで水中にいるだけで体力を奪われるからな。一回あがるとしよう。
適当なところに座っておやつにする。
今日のおやつは蒸かしたサツマイモ。
これにちょっと塩をかけて食べると美味い。サチもやっている。
最初塩をかけて食べた俺に相当驚いていたが、今じゃすっかり同じようにして食べるようになった。
ん?水の精が水辺からこっちを覗いている。
「欲しいの?」
小刻みにうんうんと頷くので、小さくしたのを手に乗せてあげると、直ぐに口に含んだ。
体が半透明だから溶けて小さくなっていくのが見てわかる。
「水の精って味わかるのかな?」
「多分わからないと思いますよ」
何かを確かめるかのように頭を傾けて吟味している。あ、なくなった。
「どうだ?」
首を振る。そうか、イマイチか。
じゃあ残りは気にせず俺が食っていいな。なんで悲しそうな顔するかな。どうしてまた欲しがるかな。
「ソウ、ソウ、折角なので私が色々あげてもいいですか?」
「ん?うん、これはそこまで好きじゃないっぽいぞ」
「えぇ、ですから何が好きなのか調べさせて頂こうかと」
サチが空間収納から色々出して並べ始めた。
露天開くんじゃないからそんな並べなくても。あーほら、他の子も気付いて群がっちゃった。
サチはパネルを開きながら欲しがる子に違うものをそれぞれ与えていった。
そしてわかったこと。
水の精は純粋にマナの含有量が多いものが好きなようだ。
よかったな、完全食を出してたら取り合いになってたぞ。
他に傾向としては柔らかいものより長く楽しめる硬いもの、噛み切れないので長かったり大きいものより一口で食べられるものの方がいいようだ。
あと、食べてる最中は動きが止まる。
比較的常に動き回っている水の精が一斉に止まってる姿はちょっと怖かった。
「ごちさまー」
「ちまー」
食べ終わるとごちそうさまを言う。
俺がさっき食べ終えた時にやったからな。早速真似たようだ。可愛い。
サチに念で作り出して貰った小石程の平たい氷をサイドスローで投げる。
何回か水面を跳ねてスピードが落ちて沈む。
沈むとそこに水の精が群がる。
・・・面白い。
もう一度やってみる。
うん、もう何回跳ねるかより水の精が群がって取ったのを見せてくれる方が面白いな。
その後小さくなったのを頬張る。
ただ冷たいだけだろ。違う?なかなかいける?そうなの?
「念で作ったからではないでしょうか」
「あーなるほど」
そうか。念で作るとマナが含まれるから彼らにとってはなかなか美味いものになるんだな。
「ところでソウ、私もさっきのをやってみたいのですが!」
「お、おう。いいぞ」
サチは水の精より俺のやっていた水切りの方が興味心をくすぐられたらしい。
「むぅ・・・」
何度かやったが全て一度も跳ねずに水の中に消えた。
うん、いちいち見せてくれなくて良いよ。召し上がれ。
とりあえずサチが音を上げるまでは助言しないでおこうかな。
しばらく黙って見ていたが、息が上がるまで頑張った末、不貞腐れた顔して氷を俺に渡してきた。
しょうがないので四角い氷を手で溶かして楕円型にしてサチに返してやる。
「・・・え?」
「投げてみ」
「わかりました」
半信半疑のままサチが投げると何度か跳ねた。
「!ソウ!できました!」
「うんうん、よかったな」
そりゃ四角いまま投げてりゃ跳ねないって。
出来たのが嬉しいのか氷を楕円型にしたものを次々に投げている。
そして力尽きて崩れ落ちる。
あのさ、嬉しいのわかるけどもうちょっと体力配分考えよう?な?
「そういえば今日は水の精の母は出てこないのか?」
「ん?ねむー」
「寝てるのか。結構騒がしくしてたけど気にならないんだな」
「んーん。なか、しー」
「あぁ、精霊石の中は静かなのか。熟睡してるんだな」
「んっ!」
サチが回復するまで水の精と他愛もない話をする。
他の個体少し大きいからか言葉がわかりやすい。
ちなみにさっきから左右に揺らす俺の手を掴んでゆらゆらしてる。
「にへー」
楽しいらしい。
ホント水の精は人懐っこいな。
ついつい構ってあげたくなってしまう。
気がつけば大分日も傾いてきた。
そういえば水の精の数も減ってるな。皆家に帰ったのか。
名残惜しいが俺らも帰ろうかな。また来よう。
夜。
風呂で水切りを試みる者が約一名居た。
止めた。
いくらタオルを巻いているからといって、大股開きで投げようとするのは流石にちょっとどうかと思うよ、うん。
戦士、料理人、商人がそれぞれで固まり、何か準備している。
合図と共に戦士達が一斉に森の中に入って行った。
しばらくすると獲物を持った人がちらほら森から戻ってきて料理人が解体、調理。素材は商人がその場で買い取っている。
料理人が調理を始める頃になると一般人もやって来て賑わいを見せる。
狩猟祭。
不定期ではあるが、森の生物が増えると行っている月光族の伝統的なお祭りだ。
月光族の港町の付近には広大な森が広がっているのだが、どうもここはマナが集まりやすく、動植物の成長が早い。
おかげで大食らいの多い月光族の食事情を補えているわけだが、一方で森の生物は変異しやすく、時として凶暴な変異種が生まれる事がある。
そういった危険な生物を増やさず、外に出さないでいるのは月光族が常に森に入り、狩猟を行っているおかげだったりする。
大河が渡れるのも月光族が数を減らすのに一役買っているし、結構重要な種族なんじゃないかと改めて思う。
んー。でも考えれば何処でもそんなもんか。
どこにも利と害があって、そのバランスが上手く取れた場所に人は集まるようになっている気がする。不思議なものだ。
狩猟祭は更に盛り上がりを見せている。
次第に大物が運び込まれてきて、その都度参加者達が盛り上げている。
その大きさは勿論のこと、その場で解体され、日持ちしない部位を口にする事が出来るからな。テンションも上がる。
正直言えばちょっとどんな味か気になる。
こっちじゃ動物性の物は口に出来ないからな。
とはいえこういう日持ちしない部分も食べる文化はなんとなく勇者の影響の気がする。
ちょっとサチに確認を取ってみよう。
・・・やっぱりそうだった。
いくら魔法があるとはいえ下処理をしないと食べられない部位に普通は手を出したりはしない。
精々お掃除スライムの餌にするぐらいだろう。
だが、異世界の、特に食に異様なこだわりと探究心を持った人ならそこを勿体無いと感じる感性を持っている。
そうやって本当に無駄なく頂く。
人によっては意地汚いと思う人もいるかもしれないが、命を頂くのだ。無駄にしない精神は良いと俺は思う。
ま、それが元々下界にいる人に理解されているかはわからないが。
なんであれ無駄なく美味しく頂いている現状はいいと俺は思う。
・・・本当に美味そうだ。
おなかが辛くなってくるから他の場所に視点を移して紛らわそう。
今日は運動する日ということで水の島に来ている。
水の精の子供達に囲まれながらサチとゆったりと泳ぐ。
サチの泳ぎも大分上達してきた。
今は休憩と称して念で作った空気球を胸の辺りに抱えて流れに身を任せている。
水の精が面白半分でサチを押して行く方向をあっちこっちにしているがいいのか?楽でいい?そうか。
俺はもうちょっと泳ぎたいのでサチに断りを入れて潜る。
神の体になったおかげで水中の活動が凄く楽になった。
他にもゴーグルなど付けなくとも水中の物が綺麗に見えるというのも嬉しい。
そんなわけで深くなっている部分の水底遊泳と洒落込んでいる。
と言っても水底には大したものはなく、小さな水の精霊石ぐらいしか目ぼしい物が無いんだけどね。
あとあれだ、本人は気付いてないだろうが、下からサチの泳いでる姿を眺めるのがいい。
ちょっと悪戯したくなるな。
一度水面に出て思いっきり空気を吸い込んで潜る。
そしてサチの真下あたりで吐き出す。
結構な量の泡が上って行く。
あ、気付いた。ははは、慌ててる。
げ、気付かれた。ふふん、だが水中の俺に追いつけるかな?あ、ちょっと念を使うのはズルイぞ。
あー捕まった。しょうがない、罰は甘んじて受けよう。
頬を引っ張るのはいいけど、あっちで水の精達が真似してるけどいいのか?・・・照れて赤くならんでも。
よくみるとさっき俺がやった水中から泡を出すのも何人か真似しているのがいる。
水面にポコポコ泡が出ててちょっと面白い。
水の精の小さい子は何事にも興味を示し、真似して遊ぶようだ。
「ソウ、少し休憩したいです」
「あいよ」
なんだかんだで水中にいるだけで体力を奪われるからな。一回あがるとしよう。
適当なところに座っておやつにする。
今日のおやつは蒸かしたサツマイモ。
これにちょっと塩をかけて食べると美味い。サチもやっている。
最初塩をかけて食べた俺に相当驚いていたが、今じゃすっかり同じようにして食べるようになった。
ん?水の精が水辺からこっちを覗いている。
「欲しいの?」
小刻みにうんうんと頷くので、小さくしたのを手に乗せてあげると、直ぐに口に含んだ。
体が半透明だから溶けて小さくなっていくのが見てわかる。
「水の精って味わかるのかな?」
「多分わからないと思いますよ」
何かを確かめるかのように頭を傾けて吟味している。あ、なくなった。
「どうだ?」
首を振る。そうか、イマイチか。
じゃあ残りは気にせず俺が食っていいな。なんで悲しそうな顔するかな。どうしてまた欲しがるかな。
「ソウ、ソウ、折角なので私が色々あげてもいいですか?」
「ん?うん、これはそこまで好きじゃないっぽいぞ」
「えぇ、ですから何が好きなのか調べさせて頂こうかと」
サチが空間収納から色々出して並べ始めた。
露天開くんじゃないからそんな並べなくても。あーほら、他の子も気付いて群がっちゃった。
サチはパネルを開きながら欲しがる子に違うものをそれぞれ与えていった。
そしてわかったこと。
水の精は純粋にマナの含有量が多いものが好きなようだ。
よかったな、完全食を出してたら取り合いになってたぞ。
他に傾向としては柔らかいものより長く楽しめる硬いもの、噛み切れないので長かったり大きいものより一口で食べられるものの方がいいようだ。
あと、食べてる最中は動きが止まる。
比較的常に動き回っている水の精が一斉に止まってる姿はちょっと怖かった。
「ごちさまー」
「ちまー」
食べ終わるとごちそうさまを言う。
俺がさっき食べ終えた時にやったからな。早速真似たようだ。可愛い。
サチに念で作り出して貰った小石程の平たい氷をサイドスローで投げる。
何回か水面を跳ねてスピードが落ちて沈む。
沈むとそこに水の精が群がる。
・・・面白い。
もう一度やってみる。
うん、もう何回跳ねるかより水の精が群がって取ったのを見せてくれる方が面白いな。
その後小さくなったのを頬張る。
ただ冷たいだけだろ。違う?なかなかいける?そうなの?
「念で作ったからではないでしょうか」
「あーなるほど」
そうか。念で作るとマナが含まれるから彼らにとってはなかなか美味いものになるんだな。
「ところでソウ、私もさっきのをやってみたいのですが!」
「お、おう。いいぞ」
サチは水の精より俺のやっていた水切りの方が興味心をくすぐられたらしい。
「むぅ・・・」
何度かやったが全て一度も跳ねずに水の中に消えた。
うん、いちいち見せてくれなくて良いよ。召し上がれ。
とりあえずサチが音を上げるまでは助言しないでおこうかな。
しばらく黙って見ていたが、息が上がるまで頑張った末、不貞腐れた顔して氷を俺に渡してきた。
しょうがないので四角い氷を手で溶かして楕円型にしてサチに返してやる。
「・・・え?」
「投げてみ」
「わかりました」
半信半疑のままサチが投げると何度か跳ねた。
「!ソウ!できました!」
「うんうん、よかったな」
そりゃ四角いまま投げてりゃ跳ねないって。
出来たのが嬉しいのか氷を楕円型にしたものを次々に投げている。
そして力尽きて崩れ落ちる。
あのさ、嬉しいのわかるけどもうちょっと体力配分考えよう?な?
「そういえば今日は水の精の母は出てこないのか?」
「ん?ねむー」
「寝てるのか。結構騒がしくしてたけど気にならないんだな」
「んーん。なか、しー」
「あぁ、精霊石の中は静かなのか。熟睡してるんだな」
「んっ!」
サチが回復するまで水の精と他愛もない話をする。
他の個体少し大きいからか言葉がわかりやすい。
ちなみにさっきから左右に揺らす俺の手を掴んでゆらゆらしてる。
「にへー」
楽しいらしい。
ホント水の精は人懐っこいな。
ついつい構ってあげたくなってしまう。
気がつけば大分日も傾いてきた。
そういえば水の精の数も減ってるな。皆家に帰ったのか。
名残惜しいが俺らも帰ろうかな。また来よう。
夜。
風呂で水切りを試みる者が約一名居た。
止めた。
いくらタオルを巻いているからといって、大股開きで投げようとするのは流石にちょっとどうかと思うよ、うん。
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