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18話 新技
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俺達は一旦特訓を止めて昼食休憩を取った、宿で宿主さんに特訓しに行くと伝えていた時に、朝食の残りを頂いたのでお昼代わりにそれを食べた。
食べ終わった後に、カエデはジルさんと意気投合したのか戦術について語り合っていた。
昼からも特訓は続き、俺は改めてミラさんの指導の元、魔力コントロール向上と魔力強化に勤しんだ。
カエデはジルさんと共に模擬戦をした後、魔物を呼び寄せ実戦経験を積んでいた、魔物を呼び寄せる笛があるんだそうで、それでレベリングしたりするらしい。
特訓を重ねて夕方になりかけた頃、俺はカエデと特訓していたジルさんに声を掛けた。
「ジルさん!ちょっと良いですか?」
「む?どうした?」
ジルさんがチラッとこちらを見るが視線をカエデに戻す、カエデはワイルドボア相手に殴り飛ばして討伐しまくっていた、ワイルドボアやウルフ、兎のような姿をした一角ラビットという魔物が何体も地面に転がっている。
「俺もジルさんに模擬戦お願いしたいんです、少しだけ時間貰えませんか?」
「あぁ、いいぞ。カエデ!今近くにいる魔物を倒したら戻って来い!」
「はーい!」
カエデが少し離れた場所にいるので返事か小さく聞こえたが、手を挙げて返事をしてくれた。
魔物の数が少なかったからか、すぐカエデが戻ってきた。
「さて、次はコウガが相手か」
「よろしくお願いします!」
「よろしく、さぁ来るがいい!俺は攻撃しないからな!」
盾をドシンと構えて俺と対峙する、あれだけ頼もしかった盾が俺に向けられている……やっぱり感じ方が全く違ってプレッシャーが凄い。
「……変身」
狼人族の姿になり、腰を少し低くしてナイフを構える。
「人族の魔法使いが、狼人族になって接近戦のナイフを使うか……知らない奴がみたらきっと驚くだろうな」
「でしょうね、これが俺の強みなので」
「さぁ、魔法使いの接近戦、見せてもらおう!」
ジルさんが俺の動きを見極めるようにジッと睨みつける。
俺はいつも通りカエデと似たような動きをしてみる。
「アクセルブースト」
ジルさんに向かって加速し、盾の上から出ている顔を切り付けるようにナイフを振るうが盾で防がれる、その勢いのままジルさんの背後を取りもう一度切り付けようとするが、即座にジルさんが反転し盾で防ぐ、盾とナイフで力比べしながら会話する。
「なかなかの速度だな、だがカエデより少しぎこちない気がするが?」
「えぇ、まだこの速度に慣れてないんです、もう少し付き合ってもらいますよ!」
俺はジャンプしてジルさんの上を飛び越える、そして上空から顔に目掛けて魔法を放つ。
「ファイアーアロー!」
火の矢がジルさんの顔に飛んで行くが盾で防がれる、しかし、顔の前を盾で防御したので一瞬だけ俺への視線が外れた、着地した瞬間にアクセルブーストで一気に詰め寄る。
「……!ふん!」
ジルさんが片足を上げてドン!と地鳴らしすると、地面が揺れて一瞬スピードが落ちる。
「っ!!」
バランスを崩しそうになるが何とか耐えて切り掛るが、一瞬スピードが落ちてしまったが故にギリギリで防がれてしまう。
「ダメか……」
「盾で目線を塞がせるのはなかなか良い案だ。だがあと一歩届かなかったな」
「いけると思ったんですがね」
「甘い」
ジルさんが盾で俺を振り払い距離を取らされた。
「なら、俺が今思い付く全てを出して1撃喰らわせてみせます」
「楽しみだ、来い!」
ジルさんが改めて盾を構える。
俺はアクセルブーストと身体強化ダブルで使う事にした、身体強化まで使っていなかったのはまだ慣れていないからだ。
しかし、俺の全てを出すには必要不可欠、相手はジルさんだから失敗しても構わない、全力でいく。
「身体強化……アクセルブースト!」
自分でも経験のないスピード域へ達する。
「はぁぁぁ!」
左右にフェイントを掛けつつ攻撃するが防がれる、だが想定通りだ、俺はバックステップをし、離れ際に空中から魔法を放つ。
「ブリザード!」
「……!」
ジルさんが吹雪に見舞われるが、即座に対応される。
「……マジックシールド」
範囲魔法の対処法もやはり持っていたか、仕方ない。
「……」
着地した後、精神を集中させる、ミラさんから教わった魔力コントロールでナイフに風をイメージした魔力を纏わせる、するとナイフに風が纏い始めた。
「……大した魔力操作だ、もうそこまで出来るようになったか」
近くで戦いを見ていたミラさんがニヤッと笑みを浮かべる。
「ミ、ミラさんこれって……」
カエデが驚いてミラさんの顔を見た。
「えぇ、私が教えたのだけど……それ物凄く難しいのよ、繊細な魔力コントロールがいるから器用な人じゃないと無理、凄いわよコウガくん!センスあるわね!」
ミラさんが嬉しそうな顔をしている。
「じゃ、いきますよ……これが全力です」
「はははっ!面白い!来いコウガ!!」
俺は腰を低くしてナイフを逆手持ちでいつでも駆け出せるような姿勢を取る、ジルさんは腰を深く落としてドッシリと盾を構える。
「ブリザード!」
吹雪でジルさんの行動を制限する、すかさずジルさんもマジックシールドで対処するが、俺はもう既に動き出している。
「アクセルブースト!」
ジルさんに最速で迫る、そして敢えて盾に目掛けてナイフを振りかざす、当然防がれるが連撃を与える、風を纏っている為に一撃一撃がナイフとは思えないような衝撃になっているらしく、一撃加える度に盾が揺れている。
「くっ……重い、風魔法の衝撃か」
ジルさんが初めて余裕を無くした顔になる。
「凄いぞ!やるじゃないか!!ふん!!」
ジルさんが盾で俺を押し出すようにして振り払う、俺が空中に押し出されるが、盾で振り払うって事は瞬間的に盾で守る事が出来なくなる、盾の振り払いを多用していたのは分かっていたからな、これを狙っていた!俺は今狼人族、要するに狼だ!空中で体勢を整えるなんて容易い!
「今だ!風刃!」
即座に体勢を整えてナイフを横に振り抜くと、ナイフに纏わせていた風属性魔力が風の刃となってジルさんに向かって飛んで行く。
「なっ!?」
バキッ!ズドーーン!!
大量の土煙で周りが見えなくなる、草原だったのに草を通り越して土を抉ったのだろう。
「ジ……ジル!!」
ミラさんがジルさんの名前を叫ぶ、暫く経つと土煙が薄くなりジルさんのシルエットが映る。
「はははっ!凄いぞコウガ、俺に一撃加えるとはな……!」
ジルさんは仁王立ちで立っていたが、肩上を見ると鎧の肩当てが割れて皮膚を少し切っていた。
ジルさんはポーションを肩にかけて傷を治した。
「す、すみません!大丈夫ですか!?」
俺は変身を解いてジルさんに駆け寄る。
「あぁ、心配しなくても問題ないぞ。それよりも今のは見事だった!武器を持っていなかったとはいえ、あれは防げなかった!俺もまだまだだな、ははは!」
ジルさんってテンションが上がると人が変わったように笑うようになるんだな。
気が付くと夕日も落ちかけていた為、俺達はトライデント王国に急いで戻った。
「今日はありがとうございました!」
「あぁ、こちらこそありがとう、いい経験だったぞ!」
「私もコウガくんとカエデちゃんの成長を見てて楽しかったわ!」
「私も楽しかったです!また会ったら特訓してもらえませんか?」
ジルさんとミラさん2人はこちらを見てニコッと笑ってくれた。
「「もちろん!」よ!」
お互い握手し、また再会したら特訓とついでに飯を食おうと約束して別れた。
俺達は宿に戻ってきた、宿に泊まるのも今日で一旦終わりだ。
この異世界に来て5日、長いようで短かったトライデント王国の生活はかなり充実していた。
「明日朝一に旅道具を買って、お世話になった人に声掛けてから旅に出よう」
「そうね、私も奴隷商館にいる子達に挨拶したい」
お互い、挨拶したい人をリストUPして、湯浴みして寝る事にする。
いつも通り湯浴みをし、お互いの尻尾を手入れした。
カエデがいつも通りふにゃふにゃになって気持ちよさそうにしている、ふにゃふにゃになったカエデを布団に誘導し、お互い眠りにつく。
反対に向いて眠ったカエデの寝顔を覗き込んでみると、安心しきったような顔をして眠っており、心が安らいだ気がした、優しく頭を撫でると耳がピクピクッと動く。
ほんとに可愛いなカエデ……
「ずっと一緒だからな」
そう言ってから俺も眠りについた。
暫くして。
「……もう、ご主人様ったら……」
カエデは寝たフリしていた、ずっと一緒と言われて嬉しい、恥ずかしくて多分顔真っ赤だと思う。
「私もご主人様とずっと一緒です」
私もご主人様の顔をみて堪能した後、ほっぺにキスをした。
「おやすみなさい、ご主人様」
私も眠りについた。
食べ終わった後に、カエデはジルさんと意気投合したのか戦術について語り合っていた。
昼からも特訓は続き、俺は改めてミラさんの指導の元、魔力コントロール向上と魔力強化に勤しんだ。
カエデはジルさんと共に模擬戦をした後、魔物を呼び寄せ実戦経験を積んでいた、魔物を呼び寄せる笛があるんだそうで、それでレベリングしたりするらしい。
特訓を重ねて夕方になりかけた頃、俺はカエデと特訓していたジルさんに声を掛けた。
「ジルさん!ちょっと良いですか?」
「む?どうした?」
ジルさんがチラッとこちらを見るが視線をカエデに戻す、カエデはワイルドボア相手に殴り飛ばして討伐しまくっていた、ワイルドボアやウルフ、兎のような姿をした一角ラビットという魔物が何体も地面に転がっている。
「俺もジルさんに模擬戦お願いしたいんです、少しだけ時間貰えませんか?」
「あぁ、いいぞ。カエデ!今近くにいる魔物を倒したら戻って来い!」
「はーい!」
カエデが少し離れた場所にいるので返事か小さく聞こえたが、手を挙げて返事をしてくれた。
魔物の数が少なかったからか、すぐカエデが戻ってきた。
「さて、次はコウガが相手か」
「よろしくお願いします!」
「よろしく、さぁ来るがいい!俺は攻撃しないからな!」
盾をドシンと構えて俺と対峙する、あれだけ頼もしかった盾が俺に向けられている……やっぱり感じ方が全く違ってプレッシャーが凄い。
「……変身」
狼人族の姿になり、腰を少し低くしてナイフを構える。
「人族の魔法使いが、狼人族になって接近戦のナイフを使うか……知らない奴がみたらきっと驚くだろうな」
「でしょうね、これが俺の強みなので」
「さぁ、魔法使いの接近戦、見せてもらおう!」
ジルさんが俺の動きを見極めるようにジッと睨みつける。
俺はいつも通りカエデと似たような動きをしてみる。
「アクセルブースト」
ジルさんに向かって加速し、盾の上から出ている顔を切り付けるようにナイフを振るうが盾で防がれる、その勢いのままジルさんの背後を取りもう一度切り付けようとするが、即座にジルさんが反転し盾で防ぐ、盾とナイフで力比べしながら会話する。
「なかなかの速度だな、だがカエデより少しぎこちない気がするが?」
「えぇ、まだこの速度に慣れてないんです、もう少し付き合ってもらいますよ!」
俺はジャンプしてジルさんの上を飛び越える、そして上空から顔に目掛けて魔法を放つ。
「ファイアーアロー!」
火の矢がジルさんの顔に飛んで行くが盾で防がれる、しかし、顔の前を盾で防御したので一瞬だけ俺への視線が外れた、着地した瞬間にアクセルブーストで一気に詰め寄る。
「……!ふん!」
ジルさんが片足を上げてドン!と地鳴らしすると、地面が揺れて一瞬スピードが落ちる。
「っ!!」
バランスを崩しそうになるが何とか耐えて切り掛るが、一瞬スピードが落ちてしまったが故にギリギリで防がれてしまう。
「ダメか……」
「盾で目線を塞がせるのはなかなか良い案だ。だがあと一歩届かなかったな」
「いけると思ったんですがね」
「甘い」
ジルさんが盾で俺を振り払い距離を取らされた。
「なら、俺が今思い付く全てを出して1撃喰らわせてみせます」
「楽しみだ、来い!」
ジルさんが改めて盾を構える。
俺はアクセルブーストと身体強化ダブルで使う事にした、身体強化まで使っていなかったのはまだ慣れていないからだ。
しかし、俺の全てを出すには必要不可欠、相手はジルさんだから失敗しても構わない、全力でいく。
「身体強化……アクセルブースト!」
自分でも経験のないスピード域へ達する。
「はぁぁぁ!」
左右にフェイントを掛けつつ攻撃するが防がれる、だが想定通りだ、俺はバックステップをし、離れ際に空中から魔法を放つ。
「ブリザード!」
「……!」
ジルさんが吹雪に見舞われるが、即座に対応される。
「……マジックシールド」
範囲魔法の対処法もやはり持っていたか、仕方ない。
「……」
着地した後、精神を集中させる、ミラさんから教わった魔力コントロールでナイフに風をイメージした魔力を纏わせる、するとナイフに風が纏い始めた。
「……大した魔力操作だ、もうそこまで出来るようになったか」
近くで戦いを見ていたミラさんがニヤッと笑みを浮かべる。
「ミ、ミラさんこれって……」
カエデが驚いてミラさんの顔を見た。
「えぇ、私が教えたのだけど……それ物凄く難しいのよ、繊細な魔力コントロールがいるから器用な人じゃないと無理、凄いわよコウガくん!センスあるわね!」
ミラさんが嬉しそうな顔をしている。
「じゃ、いきますよ……これが全力です」
「はははっ!面白い!来いコウガ!!」
俺は腰を低くしてナイフを逆手持ちでいつでも駆け出せるような姿勢を取る、ジルさんは腰を深く落としてドッシリと盾を構える。
「ブリザード!」
吹雪でジルさんの行動を制限する、すかさずジルさんもマジックシールドで対処するが、俺はもう既に動き出している。
「アクセルブースト!」
ジルさんに最速で迫る、そして敢えて盾に目掛けてナイフを振りかざす、当然防がれるが連撃を与える、風を纏っている為に一撃一撃がナイフとは思えないような衝撃になっているらしく、一撃加える度に盾が揺れている。
「くっ……重い、風魔法の衝撃か」
ジルさんが初めて余裕を無くした顔になる。
「凄いぞ!やるじゃないか!!ふん!!」
ジルさんが盾で俺を押し出すようにして振り払う、俺が空中に押し出されるが、盾で振り払うって事は瞬間的に盾で守る事が出来なくなる、盾の振り払いを多用していたのは分かっていたからな、これを狙っていた!俺は今狼人族、要するに狼だ!空中で体勢を整えるなんて容易い!
「今だ!風刃!」
即座に体勢を整えてナイフを横に振り抜くと、ナイフに纏わせていた風属性魔力が風の刃となってジルさんに向かって飛んで行く。
「なっ!?」
バキッ!ズドーーン!!
大量の土煙で周りが見えなくなる、草原だったのに草を通り越して土を抉ったのだろう。
「ジ……ジル!!」
ミラさんがジルさんの名前を叫ぶ、暫く経つと土煙が薄くなりジルさんのシルエットが映る。
「はははっ!凄いぞコウガ、俺に一撃加えるとはな……!」
ジルさんは仁王立ちで立っていたが、肩上を見ると鎧の肩当てが割れて皮膚を少し切っていた。
ジルさんはポーションを肩にかけて傷を治した。
「す、すみません!大丈夫ですか!?」
俺は変身を解いてジルさんに駆け寄る。
「あぁ、心配しなくても問題ないぞ。それよりも今のは見事だった!武器を持っていなかったとはいえ、あれは防げなかった!俺もまだまだだな、ははは!」
ジルさんってテンションが上がると人が変わったように笑うようになるんだな。
気が付くと夕日も落ちかけていた為、俺達はトライデント王国に急いで戻った。
「今日はありがとうございました!」
「あぁ、こちらこそありがとう、いい経験だったぞ!」
「私もコウガくんとカエデちゃんの成長を見てて楽しかったわ!」
「私も楽しかったです!また会ったら特訓してもらえませんか?」
ジルさんとミラさん2人はこちらを見てニコッと笑ってくれた。
「「もちろん!」よ!」
お互い握手し、また再会したら特訓とついでに飯を食おうと約束して別れた。
俺達は宿に戻ってきた、宿に泊まるのも今日で一旦終わりだ。
この異世界に来て5日、長いようで短かったトライデント王国の生活はかなり充実していた。
「明日朝一に旅道具を買って、お世話になった人に声掛けてから旅に出よう」
「そうね、私も奴隷商館にいる子達に挨拶したい」
お互い、挨拶したい人をリストUPして、湯浴みして寝る事にする。
いつも通り湯浴みをし、お互いの尻尾を手入れした。
カエデがいつも通りふにゃふにゃになって気持ちよさそうにしている、ふにゃふにゃになったカエデを布団に誘導し、お互い眠りにつく。
反対に向いて眠ったカエデの寝顔を覗き込んでみると、安心しきったような顔をして眠っており、心が安らいだ気がした、優しく頭を撫でると耳がピクピクッと動く。
ほんとに可愛いなカエデ……
「ずっと一緒だからな」
そう言ってから俺も眠りについた。
暫くして。
「……もう、ご主人様ったら……」
カエデは寝たフリしていた、ずっと一緒と言われて嬉しい、恥ずかしくて多分顔真っ赤だと思う。
「私もご主人様とずっと一緒です」
私もご主人様の顔をみて堪能した後、ほっぺにキスをした。
「おやすみなさい、ご主人様」
私も眠りについた。
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