もふもふ好きトリマーの異世界旅~奴隷との絆で変身だ!~

ひょーう.CNP

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33話 ドラゴン族は炎を吐く

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 昼食後、更に南へ30分程移動し、野ウサギが現れるだろう区域に到着。
 カエデから通常テイムのやり方を本を見つつ説明してもらった、野ウサギや害のない動物を見かけ次第練習開始しようと思う。
 でもまずは野ウサギを見付けなくちゃな。
 再度索敵スキルを使用すると、とある変化に気付いた。

「ん?」
「どうしたの?ご主人様」
「いや、索敵スキルがいつの間にか少し変わっててな」
「変わった?」
「索敵反応に色が付いたみたいでな。人の反応が黄色になってる、シェミィが黄緑だな、後はその辺でよく見る鳥が緑になってる」

 最初出発する時は色は付いていなかったはず、途中で魔物と出会った時も確か色は付いていなかったような……いや曖昧だな、ドラゴン族変身で飛べた事に感動して索敵スキルが強化されてる事に気付かなかったのかもしれない。
 使えば使うほど強化されるって事が分かった、それならば魔法も使っていれば、いずれは強い魔法も使えるようになるかもしれない。

「鳥の反応が緑なら、多分緑が動物全般だな、だから野ウサギを探すなら多分緑反応……といっても緑の反応が点々とあって分かりにくいな」

 点々とする反応が何か確認するが大体は鳥だ。

「殆ど鳥だな……野ウサギじゃない」
「コウガ様、鳥をテイムしてはどうかしら?」
「鳥をか?」
「えぇ、鳥を何羽かテイムして野ウサギを空から探してもらうのよ、2人のテイム練習にもなるし、テイム限界数がもしかしたら分かるかもしれないわ」
「なるほど、確かにそうだな。カエデやるぞ!」
「了解ご主人様!」

 俺はドラゴン族から狼人族へ変身を切り替える、手を鳥に向けて伸ばし魔力を飛ばすと、鳥の胴体を縛るかのように魔法陣が現れる、魔力が上手く鳥に当たったようだ。

「テイム」

 そう言い放つと、鳥の周りにあった魔法陣が鳥を包み込み光り出す。
 すると鳥がこちらにやって来て手の上に乗りに来た、テイム成功だ!

「よし、成功だ!」
「私も成功した!」

 隣を見るとカエデの手にも鳥が乗りに来ていた、カエデの少ない魔力量でも問題ないようだ、もしかしたらシェミィから魔力を分けてもらった可能性もあるが。

「でも1羽テイムするだけで、私の魔力が結構少なくなったみたい。シェミィ、少しだけ魔力借りるね」
「にゃう」

 カエデがシェミィのテイム紋に左手をかざすと、俺からでも分かるくらいの魔力の流れを感じた。

「これがシェミィの魔力……一瞬で私の所持魔力量を上回ったみたい、しかも温かい」

 カエデは左手から伝わってきたシェミィの魔力を包み込むように右手を添える。

「シェミィはピンピンしてるな、かなり魔力量が多いんだろうな」
「シェミィのこの魔力なら、もう2~3匹くらいテイム出来る魔力はありそうかな」
「よし、もう少しテイム数増やそうか」

 1羽に仲間を呼んで欲しいと伝えると空に飛び立ち、数分後戻ってきた、6羽だ。
 テイムスキル持ちが本来ならカエデのみなので、まずはカエデがどれだけテイム出来るか試してみると、2羽が限界だった。
 恐らく、各個人の魔力総量とテイム数が比例しているのかもしれない、俺が試すと残りの5羽全てテイムする事が出来た。

「うーん、2羽が限界かぁ……やっぱり魔力総量増やさないと」
「カエデ、大丈夫よ!魔力を使い込むと少しずつ魔力総量は増えるの、心配要らないわ」
「そうだね、ありがとうメイランちゃん!」
「じゃ、鳥達に野ウサギを探してもらおうか、お前達頼んだぞ」
「野ウサギ捜索、お願いね!」

 カエデ2羽、俺6羽の計8羽に野ウサギの捜索をお願いすると一斉に飛び立ち、多方面に散らばって行った。
 てか、今思ったのだが……人の言葉分かるんだな、テイムの影響なのか?都合のいい世界だな……

 暫く待っていると鳥達が戻ってきた、カエデがテイムした1羽がピーピーと鳴いている、どうやら見付けたようだ。

「見付けたみたいだな」
「付いて行きましょうか」

 移動する為にドラゴン族に変身するも鳥達が付いてきてくれる、テイムは解除されないようだ。
 テイムスキルがなくても、1度発動したテイムは解除するまで継続される事が分かった。

「ピー!」

 鳥達が鳴きながら空上をぐるぐる回っている、その地上を見てみると野ウサギの大群を発見した。

「えぇ……こんなに居るのか?」
「何匹居るのよ?道すら埋め尽くされてるじゃない」
「ご主人様、どうする?」
「うーん……なぁメイラン、ドラゴン族特性で炎吐けるよな?」
「ええ、吐けるわよ?ヤっちゃいましょうか?」
「それも良いんだけど、俺も出来たりするんだろうか?」
「ドラゴン族特性も引き継ぐんだったわよね?出来るんじゃないかしら……やってみる?」

 メイランが口を開けると炎がどんどん集まっていき、火球が出来上がる。
 それを解き放つと、火球が野ウサギの大群に飛び込み爆風が起きる。

「こうして、口に火を集めるイメージすればコウガ様でも出来ると思うわ。火球を作るイメージじゃなくとも、火を集めてそのまま吐き出せば広範囲に炎を吐けるわよ、こんな風にね」

 メイランが空気を吸い込み、吐き出すと炎が広がる、炎のブレスだ。
 丸焼きの野ウサギが出来上がる、攻撃に驚いた野ウサギが周辺へ逃げ出すが、シェミィとカエデが2手で回り込んだりして一部は食い止めてくれていた。

「火球が威力、ブレスが範囲って感じで使い分けるの。ドラゴン族特性を引き継いでるなら熱さは感じないはずよ」
「なるほど、やってみる」

 俺はメイランが見せてくれたブレスのイメージをしっかり頭に描く、思いっ切り空気を吸い込むと火が口に集まってくるのを感じた、それを全て吐き出すと炎のブレスが周囲を焼き焦がす。

「すげぇ……出来た」
「さすがコウガ様!お見事ね」
「カエデ!シェミィと協力して討伐しつつ野ウサギを集めてくれ!」
「了解!シェミィ!!」
「にゃ!!」

 シェミィとカエデが自慢のスピードを活かし、野ウサギを討伐しつつも1ヶ所に集めてくれる。

「もう1度!」

 俺とメイランの2人でブレスを吐き出し、周辺を思いっ切り焼き焦がす。
 逃がしてしまった野ウサギもいるが、あの大群の6割くらいは討伐出来たと思う。

「よし、逃げ出した野ウサギも追い掛けるぞ!」
「「了解!」」

 俺とカエデ&シェミィとメイランの3人で手分けをし、逃がした野ウサギを討伐していく。

 夕刻になり、これ以上の捜索は危ないと踏んで撤収。
 近くにミルト村という小さな村があるみたいなので、そこで1泊する事にした。

 ちなみに、最近ステータスを確認していなかったが、結構レベルが上がっていた。

 コウガLv8
 カエデLv9
 メイランLv10

 になっていた。
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