5 / 47
若葉と通信機
しおりを挟む
「昨日はハーラーが担当しましたが、――どうだった」
世間話の調子で始めたカイは、一日空いただけで敬語が出るのをセヴランが指差すので仕方なく口調を切り替える。朝に会ったデニスも、ごねる上に話したがりで時間がかかったよ、と肩を竦めていた。もう数日目で慣れただろうと手際よく終えてすぐ帰ろうとしたところ、折角早起きしたのにこれだけかと文句を言われたとも。
セヴランは頬杖をついてカイに訴えた。
「あのおじさんは見た目の割に、君ほど優しくない。ちゃんとパンを買っておいたから褒めてもらおうと思ったのにさ」
「ああそれはまあ、――偉い。前進だ。いい傾向と言える……」
瞬いたカイの、どうにか捻り出した誉め言葉で満足してにっと笑う。自分は優しくしすぎだろうか、子供相手でもないのに、大体子供だが、と若手園丁官が惑ううちに、再び口を開く。
「別に、問題はなかったんじゃない? 昨日は何も生えなかったし」
その言葉にはカイも頷いた。言うとおり、デニスの記載した報告にも問題点はなかった。何か生えたこともなくただの健診だけで済んだのが知れていた。
「問題はないな。今日も生えなければ少し期間を空けての訪問に切り替えることになる」
「よかった。これ結構大変だもんね。毎朝起きるのもしんどいし」
「でもなるべく朝のうちに起きて、日光浴を」
「日に当たるならベッドの上でもいいんだよね?」
「……まあ、はい。それでも。でも水は飲んでから寝ること」
そこだけ明るい窓辺で聴診をして、カルテをつける。今日は採血は無しだった。
「……カーテンの留め紐はない?」
「どっか行ったね」
問うて、体温計を咥えさせる間に、カイは鞄から麻紐を取り出して適当な長さで切り取った。それでさっとカーテンを端まで手繰って束ねる。見てくれは悪いが十分に仕事する。俄かに明るさを取り戻す室内に二人は目を細めた。
検温も平熱――やや低いが正常の範囲。記入するうち、シャツの裾に手を突っ込み脇腹を掻いていたセヴランが眉を寄せ、声を上げた。
「あー、待って、生えてるかも」
「見せてくれ」
捲り上げられた右の脇腹に、確かに緑の芽吹きがある。生えたばかりのそれは小さく柔らかく、そして何と判別ができなかった。カイは身を傾げ、取り出したルーペを当てて暫らく睨んでは、携行する小型ながら分厚い図鑑を捲って様々な記載や図に照らしていたが、諦めた。
「全身を見ておこう。服を脱いでくれ」
「男の前で脱ぐのって盛り上がんないよなー」
生える場所が一カ所とは限らないと探せば右膝にも兆しが見える。生白い肌に載る新緑色。ただしそちらはより小さく、結局何かは分からない。これまでの蔦とは違うのだけ確かだった。
「貴方は右半身、かな――ちょっと、報告をするから、そのまま」
「ん」
カイはまた鞄を漁り、今度はルーペではなく、四角いガラスが嵌った板状の通信機器を取り出しセヴランの身へと翳した。縁を上からなぞる操作で一瞬白く曇って元に戻る。撮影と本部への送信は同時だ。長年勤める研究者に近い内勤の知識と、もっと膨大な資料に当たる。
「外回りのカイ・エッカルトです」
「カイ・エッカルト、どうぞ」
通信機の下部に空いた穴に吹き込む声、応答するざらついた、男とも女ともつかない声にセヴランはびくりと体を揺らした。窺い見る視線に、静かに、と人差し指を唇に当てる所作で示して、カイは続けた。
「セヴラン・プレーツ氏の訪問中です。鑑定を依頼します。新芽と思われるものが二カ所」
「了解。指示を待ってください」
「了解しました。指示を待ちます」
通信は一度途絶えた。今日はすぐ戻れるかと思っていたカイだが、どうやら逆だ。以前のやりとりも過ぎるものの、まだ採取前、これから成長も見込める植物を放って外に出るわけにはいかない。此処で観察を続ける必要があった。備えて、午後まで他の予定は入れていない。
座っていいとセヴランに促し、カイも座る。
「それなに。今の人の声?」
「通信機だ。本部と連絡を取る。これを通すと皆似たような声になる」
「へえ、変なの」
「今、それが何かを調べてる。まだ採取するには弱そうだし様子を見るから、日光浴しててくれ」
「あーい」
観察の時間。とはいえじっと見つめている必要はない。ただ、上を脱ぎ、片足は膝までズボンを捲った格好に落ち着いた貧相な男と向かい合って暫らく雑談をすることになる。
茶や珈琲は無いが、水分補給、とカイが促したことで、水を注いだコップは出てきた。
「じゃあそうだな、女の子の好みのタイプでも話してよう」
本日一つ目の質問はそんなもので、カイは文字通り閉口した。
「……――なんかあるだろ、黒髪がいいとか、胸の大きいコがいいとか」
「朝からそういう話題はよさないか?」
呆れた沈黙が長引いて、答えを待っていたセヴランにせっつかれる。余計に朝には不向きな話題に転がっていきそうだったので、今度はきっぱりと口にして制した。セヴランは足を組もうとしてやめた。緑色の見える膝が気になった。
「じゃあ――うーん……好きな……食べ物は? 好きな食べ物」
「……アスパラガス」
「あーいいね、俺も好き。あのソースがまた美味いよね」
問いに、今の旬から導いて一つ呟けば無事普通の話に落ち着いたのでカイはほっとする。頷き、ほんの少し、背筋を緩めた。
「すぐ時期が終わるのが残念だが」
「でもそうすると果物の時期だろ。サクランボのケーキ……とかまあ、大体、何もしなくても美味しいから楽でいいよ」
「貴方は、甘いものが好きか?」
「勿論。君は嫌い?」
「いや、好きだ」
口にするのは水だけであるのに、腹の減るような話題が続く。果物は、サクランボ、木苺にスグリ。赤色の連想をして、時期はまだだが林檎も好きだと言い合う。
今日もよく晴れており、部屋はぽかぽかと温かい。擡げてくるのは食欲だけではなくて、セヴランはふあと隠さず欠伸を零し瞬いた。
「眠くなってきたな……」
「寝ていても構わない」
「君はどうするのさ」
「本でも読ませてもらう」
「……何読むの?」
連なる問いかけに、カイは鞄の隙間から本を取り出して見せた。まだ出したままの図鑑に比べて薄い一冊は、今日は医学書だった。『血液の循環と健康』――仰々しいタイトルがついているのにセヴランが顰め面を見せる。これはこれで、朝から読むものでもなかった。
「もっと面白いの読みなよ」
「どうせなら勉強したい。時間潰しだし、面白くて熱中するような本は向かない」
――そうやって話すうちに庭が育ってきた。先日の蔦とは違い絡むのではなくするりと伸び、細く柔らかな緑色を連ねる枝に、あああれかも知れないな、という推測がカイにも出来た。また図鑑を捲り、幾つもの精密画が載っているページと見比べる。そのあたりで連絡も来た。
「鑑定結果が出ました。カイ・エッカルト、応答せよ」
テーブルの中央に置いた通信機が声の響きに震えるのに、セヴランが飛びのいた。カイはそっと通信機を持ち上げて返事をする。
「――びっ、くりしたぁ……」
胸を押さえるセヴランには、小さく笑って。
「カイ・エッカルトです。結果どうぞ」
「鑑定結果をお伝えします。セイレイデー――霊香柳の若芽と推定。状況見て採取をお願いします」
「了解。通信終了」
通信機が鞄に戻されるのを横目にセヴランは自分の腹や、膝に伸びた枝を掬いあげて撫でた。柳。そう言われれば確かにそんな見た目だった。端を一度環にしてみても、ぴんと戻るだけ瑞々しい。
「女神様が冠にしてるやつ?」
「そうだ」
慈愛と癒しを与える存在として広く信仰を集める女神ニストが、その象徴の一つとして頂くのがこの柳の冠だった。すべての痛みを取り除くといわれる、非常によい薬になる。たまに庭に現れ今では二本が本部中枢の第二保管庭園で根付いているが、需要はまだまだ、大いにあった。よい状態で採取が叶いそうだと、カイは張り切って鋏などを並べる。
そうしてふと思い至って、告げた。
「……さっきはああ言ったが、庭の発現周期が早そうなら今後も一日置きとか、三日に一度の訪問になるかもしれない。針で刺すのは、そんなに頻繁じゃなく済むと思うが」
言い添えれば、セヴランはそんなに嫌そうではない。仕方ないとばかりに肩を竦めて応じた。
「君が遊んでくれるって思えば、悪くない」
世間話の調子で始めたカイは、一日空いただけで敬語が出るのをセヴランが指差すので仕方なく口調を切り替える。朝に会ったデニスも、ごねる上に話したがりで時間がかかったよ、と肩を竦めていた。もう数日目で慣れただろうと手際よく終えてすぐ帰ろうとしたところ、折角早起きしたのにこれだけかと文句を言われたとも。
セヴランは頬杖をついてカイに訴えた。
「あのおじさんは見た目の割に、君ほど優しくない。ちゃんとパンを買っておいたから褒めてもらおうと思ったのにさ」
「ああそれはまあ、――偉い。前進だ。いい傾向と言える……」
瞬いたカイの、どうにか捻り出した誉め言葉で満足してにっと笑う。自分は優しくしすぎだろうか、子供相手でもないのに、大体子供だが、と若手園丁官が惑ううちに、再び口を開く。
「別に、問題はなかったんじゃない? 昨日は何も生えなかったし」
その言葉にはカイも頷いた。言うとおり、デニスの記載した報告にも問題点はなかった。何か生えたこともなくただの健診だけで済んだのが知れていた。
「問題はないな。今日も生えなければ少し期間を空けての訪問に切り替えることになる」
「よかった。これ結構大変だもんね。毎朝起きるのもしんどいし」
「でもなるべく朝のうちに起きて、日光浴を」
「日に当たるならベッドの上でもいいんだよね?」
「……まあ、はい。それでも。でも水は飲んでから寝ること」
そこだけ明るい窓辺で聴診をして、カルテをつける。今日は採血は無しだった。
「……カーテンの留め紐はない?」
「どっか行ったね」
問うて、体温計を咥えさせる間に、カイは鞄から麻紐を取り出して適当な長さで切り取った。それでさっとカーテンを端まで手繰って束ねる。見てくれは悪いが十分に仕事する。俄かに明るさを取り戻す室内に二人は目を細めた。
検温も平熱――やや低いが正常の範囲。記入するうち、シャツの裾に手を突っ込み脇腹を掻いていたセヴランが眉を寄せ、声を上げた。
「あー、待って、生えてるかも」
「見せてくれ」
捲り上げられた右の脇腹に、確かに緑の芽吹きがある。生えたばかりのそれは小さく柔らかく、そして何と判別ができなかった。カイは身を傾げ、取り出したルーペを当てて暫らく睨んでは、携行する小型ながら分厚い図鑑を捲って様々な記載や図に照らしていたが、諦めた。
「全身を見ておこう。服を脱いでくれ」
「男の前で脱ぐのって盛り上がんないよなー」
生える場所が一カ所とは限らないと探せば右膝にも兆しが見える。生白い肌に載る新緑色。ただしそちらはより小さく、結局何かは分からない。これまでの蔦とは違うのだけ確かだった。
「貴方は右半身、かな――ちょっと、報告をするから、そのまま」
「ん」
カイはまた鞄を漁り、今度はルーペではなく、四角いガラスが嵌った板状の通信機器を取り出しセヴランの身へと翳した。縁を上からなぞる操作で一瞬白く曇って元に戻る。撮影と本部への送信は同時だ。長年勤める研究者に近い内勤の知識と、もっと膨大な資料に当たる。
「外回りのカイ・エッカルトです」
「カイ・エッカルト、どうぞ」
通信機の下部に空いた穴に吹き込む声、応答するざらついた、男とも女ともつかない声にセヴランはびくりと体を揺らした。窺い見る視線に、静かに、と人差し指を唇に当てる所作で示して、カイは続けた。
「セヴラン・プレーツ氏の訪問中です。鑑定を依頼します。新芽と思われるものが二カ所」
「了解。指示を待ってください」
「了解しました。指示を待ちます」
通信は一度途絶えた。今日はすぐ戻れるかと思っていたカイだが、どうやら逆だ。以前のやりとりも過ぎるものの、まだ採取前、これから成長も見込める植物を放って外に出るわけにはいかない。此処で観察を続ける必要があった。備えて、午後まで他の予定は入れていない。
座っていいとセヴランに促し、カイも座る。
「それなに。今の人の声?」
「通信機だ。本部と連絡を取る。これを通すと皆似たような声になる」
「へえ、変なの」
「今、それが何かを調べてる。まだ採取するには弱そうだし様子を見るから、日光浴しててくれ」
「あーい」
観察の時間。とはいえじっと見つめている必要はない。ただ、上を脱ぎ、片足は膝までズボンを捲った格好に落ち着いた貧相な男と向かい合って暫らく雑談をすることになる。
茶や珈琲は無いが、水分補給、とカイが促したことで、水を注いだコップは出てきた。
「じゃあそうだな、女の子の好みのタイプでも話してよう」
本日一つ目の質問はそんなもので、カイは文字通り閉口した。
「……――なんかあるだろ、黒髪がいいとか、胸の大きいコがいいとか」
「朝からそういう話題はよさないか?」
呆れた沈黙が長引いて、答えを待っていたセヴランにせっつかれる。余計に朝には不向きな話題に転がっていきそうだったので、今度はきっぱりと口にして制した。セヴランは足を組もうとしてやめた。緑色の見える膝が気になった。
「じゃあ――うーん……好きな……食べ物は? 好きな食べ物」
「……アスパラガス」
「あーいいね、俺も好き。あのソースがまた美味いよね」
問いに、今の旬から導いて一つ呟けば無事普通の話に落ち着いたのでカイはほっとする。頷き、ほんの少し、背筋を緩めた。
「すぐ時期が終わるのが残念だが」
「でもそうすると果物の時期だろ。サクランボのケーキ……とかまあ、大体、何もしなくても美味しいから楽でいいよ」
「貴方は、甘いものが好きか?」
「勿論。君は嫌い?」
「いや、好きだ」
口にするのは水だけであるのに、腹の減るような話題が続く。果物は、サクランボ、木苺にスグリ。赤色の連想をして、時期はまだだが林檎も好きだと言い合う。
今日もよく晴れており、部屋はぽかぽかと温かい。擡げてくるのは食欲だけではなくて、セヴランはふあと隠さず欠伸を零し瞬いた。
「眠くなってきたな……」
「寝ていても構わない」
「君はどうするのさ」
「本でも読ませてもらう」
「……何読むの?」
連なる問いかけに、カイは鞄の隙間から本を取り出して見せた。まだ出したままの図鑑に比べて薄い一冊は、今日は医学書だった。『血液の循環と健康』――仰々しいタイトルがついているのにセヴランが顰め面を見せる。これはこれで、朝から読むものでもなかった。
「もっと面白いの読みなよ」
「どうせなら勉強したい。時間潰しだし、面白くて熱中するような本は向かない」
――そうやって話すうちに庭が育ってきた。先日の蔦とは違い絡むのではなくするりと伸び、細く柔らかな緑色を連ねる枝に、あああれかも知れないな、という推測がカイにも出来た。また図鑑を捲り、幾つもの精密画が載っているページと見比べる。そのあたりで連絡も来た。
「鑑定結果が出ました。カイ・エッカルト、応答せよ」
テーブルの中央に置いた通信機が声の響きに震えるのに、セヴランが飛びのいた。カイはそっと通信機を持ち上げて返事をする。
「――びっ、くりしたぁ……」
胸を押さえるセヴランには、小さく笑って。
「カイ・エッカルトです。結果どうぞ」
「鑑定結果をお伝えします。セイレイデー――霊香柳の若芽と推定。状況見て採取をお願いします」
「了解。通信終了」
通信機が鞄に戻されるのを横目にセヴランは自分の腹や、膝に伸びた枝を掬いあげて撫でた。柳。そう言われれば確かにそんな見た目だった。端を一度環にしてみても、ぴんと戻るだけ瑞々しい。
「女神様が冠にしてるやつ?」
「そうだ」
慈愛と癒しを与える存在として広く信仰を集める女神ニストが、その象徴の一つとして頂くのがこの柳の冠だった。すべての痛みを取り除くといわれる、非常によい薬になる。たまに庭に現れ今では二本が本部中枢の第二保管庭園で根付いているが、需要はまだまだ、大いにあった。よい状態で採取が叶いそうだと、カイは張り切って鋏などを並べる。
そうしてふと思い至って、告げた。
「……さっきはああ言ったが、庭の発現周期が早そうなら今後も一日置きとか、三日に一度の訪問になるかもしれない。針で刺すのは、そんなに頻繁じゃなく済むと思うが」
言い添えれば、セヴランはそんなに嫌そうではない。仕方ないとばかりに肩を竦めて応じた。
「君が遊んでくれるって思えば、悪くない」
25
あなたにおすすめの小説
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。
これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。
無自覚両片想いの勇者×親友。
読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる