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歌い祝う日の喜びよ
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エッカルト家の朝は早い。中でも長男のカイは七時前、他の家族が朝のお茶を準備する頃にはもう出ていく。
「じゃあ行ってきます」
「いってらっしゃい」
眠気などは欠片もなく、いつもの流れで朝の日課の諸々を済ませしゃっきりとした顔で春めく外に向かう弟の姿を横目に見送って、フィリーネはハーブティーに蜂蜜を混ぜた。扉が閉まる音を聞き届けてから、口を開く。
「……最近、鼻歌が増えたわ」
こそと囁くのは食卓の隣で茶を飲む夫に向かって。言われて彼も、今しがた出て行ったカイが小さく口遊む様を思い出した。今朝だけではない、確かにここ最近よく聞くように思う。
「君のがうつったんじゃないのか?」
ただし他の家族も皆、子供が生まれてあやすのに童謡など歌う機会が増えている。家自体が賑やかだ。その範疇ではないかと言ってみるが、フィリーネはもっと用心深く首を振った。
「曲が違うの。知らない曲だわ。しかも毎回違うの。……もしかすると思う?」
ハンネスも、彼女が要するに何を言いたいのかは分かっていた。仲のよい姉弟。と、昔から親しんだ義兄である。あれこれと語り合って育ってきた中で時には色恋の話が出ることもあった。昔はときめきに騒いでいただけの姉も、この歳にもなるともっと現実味を帯びた調子になる。
「姉の勘?」
「そう。今度はきっと当たる。というか、そろそろもう、そういう時期じゃない?」
勝手な憶測をしてそんなんじゃないと本人に突っぱねられたことも過去幾度かあり、今は大人らしくこうして密やかに噂してみるに留めているが。
そんな弟ももうじき二十二である。二人もその頃に結婚したのだし、浮いた話の一つや二つ、あってもよい年頃だ。
「まあなんとなく、そういうのもあるかも知れないな」
ハンネスも同意した。そうでもおかしくはない。カイはちょっとお堅くて年の割には初心だが人嫌いではない。恋の一つくらいするだろう。もしかすればもう叶ってもいるのかも。その相手がよく歌うのかも知れない。それがうつって、カイの吐息も弾ませるのかも知れない……
そういう想像はけっして悪いものではなかった。現実なら、吉報の部類だろう。
――まさか相手が男だとは、想像しても行き着くはずもなかったが。
「母さんたちにはまだ内緒だけど」
「本人が言うまでは何も言うなよ」
「分かってるわよう」
波乱の気配はまだまだ遠く。フィリーネも朝食の支度をする母のほうを窺いながら、歌めいた調子で甘くしたハーブティーに息を吹きかけた。
カイの鼻歌の元であるセヴランは浮き立って歌を口遊んでいた。竪琴も特に念入りに磨かれ、金のリボンを飾って用意されているのが来たときからカイの目に入っていた。
今日二月の二十八日は、音楽を司る神ラライリロゥの祭日である。
大神リーアーなどはそれはそれは盛大な催しがある。地方によっては特定の神を大きく祀る町村もある。が、それ以外にも家ごと、あるいは職業ごとに祀る神がいるもので、毎日が誰かの祭日であるのが此処カーリンの日常だった。ラライリロゥのそれは楽師たちが毎年あちこちで賑やかに祝っているからカイも知っていた。賛歌の調子にも覚えがある。
「カイは誰の日?」
「俺たちは園の主ナンスェレル……と、うちは医者だから、医神ラウゲスの日」
「いつ?」
「春分日と、七月の十三日」
「ナンスェレル様もうすぐじゃん。俺も祝ったほうがいいのかな。何するのさ」
「まあよくある儀式かな。祭壇を作って――ああ火は焚かない。燭台の代わりに露を集めた枝を挿して飾って、唱和して。時間は午前中、方角は南。ラウゲスのほうは蜂蜜とチーズの捧げ物をして、ヨモギを煎じた湯を飲んだり、体を拭いたりする。道具を磨いて供えたり新調したりするのは貴方たちと同じだな」
足に絡んだ葡萄の蔦を採取をしながら片手間に――カイとしては多少、毛布の内から一本突き出されたセヴランの素足から気を逸らす意図も含めて――喋る。こういう会話もよくあるものだ。
「時間は夕方、方角は北東」
「北のほうの広場に立派な像あるもんな」
「普通、身内の祭壇で済ませるけどな」
「あー病院にあるやつ?」
「そう」
多くの神は特に加護を持つ時間帯や方角が決まっている。首都の民は通りに立つ銅像の位置でそれを覚えるのだった。
「ラライリロゥはさ、エーゲンス通りのところが祭壇になるんだよ」
楽神もまた銅像がある。東の大通りで座しヒバリと共に歌う、双角の若い男の姿だ。カイも目にする場所だった。思い至って、彼は一度仕事の手を止めた。
「ああ、そっちのほう通り道なんだよな。――今日避けたほうがいいな」
「ええ? この後行くなら俺もすぐ出るから一緒に行こうよ。ちゃんと祭事するのは昼だからまだそんな混んでないって」
混雑を避けようとするとむしろ誘われる。まだ一筋葉の残る足を揺らして、セヴランはごねた。
「別に途中まででもいいからさぁ、折角だろー」
――是非一緒に行こうと言い続けるのに結局折れて、カイはセヴランと共に家を出た。夜に働くときの衣装に近い濃緑の上下を着た楽師は一層に張り切り、大股に石畳を踏んで笑う。その様を見るとカイはやっぱり、仕方ないなあ、と思ってしまう。
路地を越し大きな道に出たところで、セヴランは気負いなく弦を撫でた。近頃は幾分温んだ空気を吸い込み、麗らかな旋律と声を張る。呼びかけるように。
「おおいと麗しき調べ、貴方の名こそその極み、ラライリロゥ、我が竪琴を捧げます、聞き給え!」
すると、離れたところで誰かが応えた。微かに、楽神を讃える文句、そして音色。
「おっもう居るな――笛の音だ」
聞き取り笑ったセヴランが、さらに応じるようにまた鳴らす。典雅な響きだった。
へえ、とカイは感心した。祭事として集合し弾き始めるのだとばかり思っていたが、こうやって徐々に集まるものらしい。それで尚更、毎年方々で歌っているのを見かけるのだと納得した。勿論、そういう意図を除いても祭の日の彼らなど浮かれて奏でているものではあったが。
進むうち、彼方から歌声が近づいてくる。行き会えばそちらはもう列になっていた。幼い子供を連れた女たちが楽しげに歌うのを見てセヴランの頬が緩んだ。手を打ち合わせ、改めて子供に向け調子をとってやるとたどたどしくもラライリロゥの名を唱える。そこに皆が合わせて、歌が一つになる。笑みが弾けた。
そうやってエーゲンス通りの祭壇に向かう中に、さらに通りすがりが加わり合奏、合唱になっていく。竪琴に笛に太鼓も出てきて銘々着飾った老若男女が集う。
いつの間にか囲まれて、自分は違うとは言えないまま、カイはその中心に居た。まあ時間には余裕があるし、祝って悪いわけではない。本業の彼らほど張り切って歌えないながらに神の名を唱え、感謝を捧げて加護を請う。
――セヴランがまたよく歌えますように。
愛想ではなく本心から、そう願った。
道の脇や窓辺からの視線、祝儀の小銭も集めながら進み、一行は件の銅像へと行き着く。ラライリロゥの肩には艶めく白絹のマントが羽織られていた。
正面に設けられた立派な祭壇も同じく、金糸の装飾を施された白布を敷いて日の下で眩しい。豪奢な燭台が火を待ち、パンや果実の供え物が積まれている。酒を金の盃に満たすその周囲でもう輪を成し、歌い踊っている者たちがいる。本格的な祭事はこの後正午と決まって何かと取り仕切る神官の姿もあったが、道行き同様、集まってしまえばもう始めてしまうのが彼らの常だった。多く奏で歌うほど喜ばれるものであるので、止める声はない。
数年ぶりの華やかさを前にセヴランは目を瞬かせた。もう戻ってくることはないと思っていた場の景色が眩しく、その賑やかさが他人事ではないことを意識した。竪琴を抱きしめる。
輪に向かっていく人の中で歩を緩めて横に並ぶカイの表情を窺い――ふと、思いついたように向き直って、頭上に竪琴を掲げる。音色を降らせて微笑した。
「佳き日に。その身にも偉大な歌が聞こえますように」
普段は頼りない男なのに、こういうときは本当に様になってしまうからいけなかった。
カイは見惚れ、聞き惚れて固まった。じんと痺れるように思う。その後、へらりと照れ笑いする顔も彼には効くので堪らなかった。
「結局こっちまで連れてきちゃったな。思ったより大所帯だった」
大して悪びれもせずに言うのに、はっとして鞄を持ち直す。まだ困るほどには混雑していない辺りを見て誤魔化すように頷いた。
「大丈夫、時間はあるし……楽しかったよ」
「へへ、そうだろ。じゃあ午後も頑張れ」
じゃあと一歩大きく引いたセヴランが踵を返し、楽師の群に加わりにいくのを見送り手を振る。少し眺めて見物からも離れ、息を吐いた。
離れてもまだ音が聞こえる。体の内まで響いたのも残っている。抱えたまま、カイは踊りではなく仕事に踏み出した。なんとなくよい日になる予感がする。
足取り、呼吸には歌の名残がある。その日一日ずっと、彼には楽神の加護があった。
「じゃあ行ってきます」
「いってらっしゃい」
眠気などは欠片もなく、いつもの流れで朝の日課の諸々を済ませしゃっきりとした顔で春めく外に向かう弟の姿を横目に見送って、フィリーネはハーブティーに蜂蜜を混ぜた。扉が閉まる音を聞き届けてから、口を開く。
「……最近、鼻歌が増えたわ」
こそと囁くのは食卓の隣で茶を飲む夫に向かって。言われて彼も、今しがた出て行ったカイが小さく口遊む様を思い出した。今朝だけではない、確かにここ最近よく聞くように思う。
「君のがうつったんじゃないのか?」
ただし他の家族も皆、子供が生まれてあやすのに童謡など歌う機会が増えている。家自体が賑やかだ。その範疇ではないかと言ってみるが、フィリーネはもっと用心深く首を振った。
「曲が違うの。知らない曲だわ。しかも毎回違うの。……もしかすると思う?」
ハンネスも、彼女が要するに何を言いたいのかは分かっていた。仲のよい姉弟。と、昔から親しんだ義兄である。あれこれと語り合って育ってきた中で時には色恋の話が出ることもあった。昔はときめきに騒いでいただけの姉も、この歳にもなるともっと現実味を帯びた調子になる。
「姉の勘?」
「そう。今度はきっと当たる。というか、そろそろもう、そういう時期じゃない?」
勝手な憶測をしてそんなんじゃないと本人に突っぱねられたことも過去幾度かあり、今は大人らしくこうして密やかに噂してみるに留めているが。
そんな弟ももうじき二十二である。二人もその頃に結婚したのだし、浮いた話の一つや二つ、あってもよい年頃だ。
「まあなんとなく、そういうのもあるかも知れないな」
ハンネスも同意した。そうでもおかしくはない。カイはちょっとお堅くて年の割には初心だが人嫌いではない。恋の一つくらいするだろう。もしかすればもう叶ってもいるのかも。その相手がよく歌うのかも知れない。それがうつって、カイの吐息も弾ませるのかも知れない……
そういう想像はけっして悪いものではなかった。現実なら、吉報の部類だろう。
――まさか相手が男だとは、想像しても行き着くはずもなかったが。
「母さんたちにはまだ内緒だけど」
「本人が言うまでは何も言うなよ」
「分かってるわよう」
波乱の気配はまだまだ遠く。フィリーネも朝食の支度をする母のほうを窺いながら、歌めいた調子で甘くしたハーブティーに息を吹きかけた。
カイの鼻歌の元であるセヴランは浮き立って歌を口遊んでいた。竪琴も特に念入りに磨かれ、金のリボンを飾って用意されているのが来たときからカイの目に入っていた。
今日二月の二十八日は、音楽を司る神ラライリロゥの祭日である。
大神リーアーなどはそれはそれは盛大な催しがある。地方によっては特定の神を大きく祀る町村もある。が、それ以外にも家ごと、あるいは職業ごとに祀る神がいるもので、毎日が誰かの祭日であるのが此処カーリンの日常だった。ラライリロゥのそれは楽師たちが毎年あちこちで賑やかに祝っているからカイも知っていた。賛歌の調子にも覚えがある。
「カイは誰の日?」
「俺たちは園の主ナンスェレル……と、うちは医者だから、医神ラウゲスの日」
「いつ?」
「春分日と、七月の十三日」
「ナンスェレル様もうすぐじゃん。俺も祝ったほうがいいのかな。何するのさ」
「まあよくある儀式かな。祭壇を作って――ああ火は焚かない。燭台の代わりに露を集めた枝を挿して飾って、唱和して。時間は午前中、方角は南。ラウゲスのほうは蜂蜜とチーズの捧げ物をして、ヨモギを煎じた湯を飲んだり、体を拭いたりする。道具を磨いて供えたり新調したりするのは貴方たちと同じだな」
足に絡んだ葡萄の蔦を採取をしながら片手間に――カイとしては多少、毛布の内から一本突き出されたセヴランの素足から気を逸らす意図も含めて――喋る。こういう会話もよくあるものだ。
「時間は夕方、方角は北東」
「北のほうの広場に立派な像あるもんな」
「普通、身内の祭壇で済ませるけどな」
「あー病院にあるやつ?」
「そう」
多くの神は特に加護を持つ時間帯や方角が決まっている。首都の民は通りに立つ銅像の位置でそれを覚えるのだった。
「ラライリロゥはさ、エーゲンス通りのところが祭壇になるんだよ」
楽神もまた銅像がある。東の大通りで座しヒバリと共に歌う、双角の若い男の姿だ。カイも目にする場所だった。思い至って、彼は一度仕事の手を止めた。
「ああ、そっちのほう通り道なんだよな。――今日避けたほうがいいな」
「ええ? この後行くなら俺もすぐ出るから一緒に行こうよ。ちゃんと祭事するのは昼だからまだそんな混んでないって」
混雑を避けようとするとむしろ誘われる。まだ一筋葉の残る足を揺らして、セヴランはごねた。
「別に途中まででもいいからさぁ、折角だろー」
――是非一緒に行こうと言い続けるのに結局折れて、カイはセヴランと共に家を出た。夜に働くときの衣装に近い濃緑の上下を着た楽師は一層に張り切り、大股に石畳を踏んで笑う。その様を見るとカイはやっぱり、仕方ないなあ、と思ってしまう。
路地を越し大きな道に出たところで、セヴランは気負いなく弦を撫でた。近頃は幾分温んだ空気を吸い込み、麗らかな旋律と声を張る。呼びかけるように。
「おおいと麗しき調べ、貴方の名こそその極み、ラライリロゥ、我が竪琴を捧げます、聞き給え!」
すると、離れたところで誰かが応えた。微かに、楽神を讃える文句、そして音色。
「おっもう居るな――笛の音だ」
聞き取り笑ったセヴランが、さらに応じるようにまた鳴らす。典雅な響きだった。
へえ、とカイは感心した。祭事として集合し弾き始めるのだとばかり思っていたが、こうやって徐々に集まるものらしい。それで尚更、毎年方々で歌っているのを見かけるのだと納得した。勿論、そういう意図を除いても祭の日の彼らなど浮かれて奏でているものではあったが。
進むうち、彼方から歌声が近づいてくる。行き会えばそちらはもう列になっていた。幼い子供を連れた女たちが楽しげに歌うのを見てセヴランの頬が緩んだ。手を打ち合わせ、改めて子供に向け調子をとってやるとたどたどしくもラライリロゥの名を唱える。そこに皆が合わせて、歌が一つになる。笑みが弾けた。
そうやってエーゲンス通りの祭壇に向かう中に、さらに通りすがりが加わり合奏、合唱になっていく。竪琴に笛に太鼓も出てきて銘々着飾った老若男女が集う。
いつの間にか囲まれて、自分は違うとは言えないまま、カイはその中心に居た。まあ時間には余裕があるし、祝って悪いわけではない。本業の彼らほど張り切って歌えないながらに神の名を唱え、感謝を捧げて加護を請う。
――セヴランがまたよく歌えますように。
愛想ではなく本心から、そう願った。
道の脇や窓辺からの視線、祝儀の小銭も集めながら進み、一行は件の銅像へと行き着く。ラライリロゥの肩には艶めく白絹のマントが羽織られていた。
正面に設けられた立派な祭壇も同じく、金糸の装飾を施された白布を敷いて日の下で眩しい。豪奢な燭台が火を待ち、パンや果実の供え物が積まれている。酒を金の盃に満たすその周囲でもう輪を成し、歌い踊っている者たちがいる。本格的な祭事はこの後正午と決まって何かと取り仕切る神官の姿もあったが、道行き同様、集まってしまえばもう始めてしまうのが彼らの常だった。多く奏で歌うほど喜ばれるものであるので、止める声はない。
数年ぶりの華やかさを前にセヴランは目を瞬かせた。もう戻ってくることはないと思っていた場の景色が眩しく、その賑やかさが他人事ではないことを意識した。竪琴を抱きしめる。
輪に向かっていく人の中で歩を緩めて横に並ぶカイの表情を窺い――ふと、思いついたように向き直って、頭上に竪琴を掲げる。音色を降らせて微笑した。
「佳き日に。その身にも偉大な歌が聞こえますように」
普段は頼りない男なのに、こういうときは本当に様になってしまうからいけなかった。
カイは見惚れ、聞き惚れて固まった。じんと痺れるように思う。その後、へらりと照れ笑いする顔も彼には効くので堪らなかった。
「結局こっちまで連れてきちゃったな。思ったより大所帯だった」
大して悪びれもせずに言うのに、はっとして鞄を持ち直す。まだ困るほどには混雑していない辺りを見て誤魔化すように頷いた。
「大丈夫、時間はあるし……楽しかったよ」
「へへ、そうだろ。じゃあ午後も頑張れ」
じゃあと一歩大きく引いたセヴランが踵を返し、楽師の群に加わりにいくのを見送り手を振る。少し眺めて見物からも離れ、息を吐いた。
離れてもまだ音が聞こえる。体の内まで響いたのも残っている。抱えたまま、カイは踊りではなく仕事に踏み出した。なんとなくよい日になる予感がする。
足取り、呼吸には歌の名残がある。その日一日ずっと、彼には楽神の加護があった。
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