上 下
177 / 362
5

5-66

しおりを挟む
「“恋しい”・・・?
樹里が・・・?誰を・・・?」



「お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃんだろうな。
それと、みんなでいた時間も“恋しい”んだろうな。」



「時間も・・・?」



「“恋しい”の対象は人だけじゃねーからな。」




エロ親父が優しく笑いながら、でも真剣な顔で樹里を見る。




「樹里は、ちゃんと可哀想じゃねーし、寂しくもねーよ。
“恋しい”だけだから、ブレてない。」




その言葉に涙が・・・沢山、流れてきた・・・。




この感情が出てくる度、いつも不安になっていた。





本当は、樹里は可哀想なのかもしれない。





本当は、樹里は寂しいのかもしれない。





そう思ってしまって・・・ブレたくないのに、ブレそうになる不安を感じていた。






でも・・・






この答えが、分かった・・・。







「樹里は、“恋しい”って思ってたんだね。
ブレてないし、悪いことじゃないよね?」



「悪いことじゃねーだろ。」



「よかった・・・悪いことをしたら、天国に行けなくなるから。」



「天国?」



「樹里は、天国に行くの。
真っ直ぐに生きたまま死んで、絶対に天国に行って・・・お父さんに褒めて貰うの。」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完結】義姉の言いなりとなる貴方など要りません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,899pt お気に入り:3,545

私の婚約者は、いつも誰かの想い人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:71,817pt お気に入り:3,487

転生したら血塗れ皇帝の妹のモブでした。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,150pt お気に入り:6,298

苛烈な凌辱は誰にも気付かれぬまま叩き込まれる

BL / 完結 24h.ポイント:142pt お気に入り:3

似て非なる双子の結婚

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:70,868pt お気に入り:4,348

わたしはお払い箱なのですね? でしたら好きにさせていただきます

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:29,203pt お気に入り:2,540

処理中です...