【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

文字の大きさ
77 / 693
5

5-13

しおりを挟む
険しい顔になった青さんに私は心から笑いながら聞いた。



「今回の契約、御社と増田ホールディングスの間の契約でもなければ増田清掃との契約でもありませんよね?」



「・・・・・・。」



「契約書の名義人は加藤の“家”の当主、私の父になっているはずです。」



「・・・・・・。」



「青さんは妥協案を口頭で提示し父もそれに了承したはずですが、父は青さんが契約書に捺印をする前に言ったはずです。」



「・・・・・・。」



「私の御社での業務についての最終的な判断は全て青さんに任せる、と。
口約束でも契約は成立しますよね、青さん。」



「・・・・・・。」



「私はどんなに汚いことでも出来ます。」



「・・・・・・。」



「私は普通の女ではないので、出来ます。」



「・・・・・・。」



「私は普通の女ではないから青さんに秘書生命を懸けられた。
だから、このおマ○コ以外のことならどんなに汚いことでも出来ます。」



「・・・・・・。」



「お兄ちゃんは私には秘書の仕事はさせてくれない。
“余計な仕事が増える”と言って、私には秘書としての業務をさせてくれなかった。」



「・・・・・・。」



「やらせてください、青さん。
私も秘書の仕事がしたい。」



「・・・・・・。」



「秘書が増田清掃でする仕事は“掃除”ではなく“清掃”。
見える部分だけを綺麗にする掃除ではなく、見えない部分まで綺麗にする清掃。
私にやらせてください、清掃を。」



怖いくらい険しい顔で私のことを見下ろす青さんが、黙っていた口をやっと開けてくれた。



そして・・・



「俺には到底理解出来ない。」



そう言って・・・



それから、床を見下ろしながら大きな大きな溜め息を吐いた。



“やっぱりダメだったか・・・。”



それが分かり、自分の無力さに心底嫌気が差した時・・・



「俺の会社では今は清掃まではやってない。」



青さんが床を見下ろしながらもしっかりとした声でそう言って、ゆっくりとだけど私のことを真っ直ぐと見下ろしてきた。



「そこまでやる時間もなければ人員も確保出来ない。」



「はい。」



「ミツヤマの案件、掃除はもう済んでる。」



「はい・・・。」



「亜里沙からの紹介だったしな、清掃までやってやりたいと思っていた所にあいつから連絡が来た。」



「はい。」



青さんの言葉にしっかりと頷くと、青さんは私のことをジッと見下ろして・・・



それから、小さくだけど悲しそうな顔で笑いながらやっぱり顔を逸らした。



「どんなピロートークだよ、これ。
・・・鎌田のお姉様からの教え、ピロートークは絶対にしろってやつ、初めて守れなかった・・・。」



「素晴らしいピロートークですよ。
感激して泣きそうです。
青さんから聞いていた数々のピロートークよりも遥かに実りのあるピロートークです。」



「うるせーよ・・・。」



「ごめんなさい、私はこういう奴です。
なので私への気持ちは忘れてください。
それで奥さんになった人との間にノンノンを授かってください。」



「そういう話じゃなかっただろ・・・。
俺の嫁さんにっていう話だっただろ・・・。」



「青さんの私への気持ちも清掃しないといけないなって思ってます。」



「やっぱり・・・ドン引きしただろ?」



「そうじゃないですって。」



「だから会いたくなかったんだよ・・・。
会うのはお前がボケたくらいが丁度良かったのに・・・。」



顔を逸らしたままの青さんがまた私に大きな背中を向け、それからすぐに部屋の扉へと歩いて行ってしまった。



「ミツヤマの件は明日の朝話す。」



最後の言葉はそんな言葉で、部屋の扉は閉まった。



かと思ったら、また部屋の扉が開いて。



「“お兄ちゃん”に俺がみこすり半だった報告まですんなよ!!!!?」



「みこすり半だったとは言わないよ。」



“3回くらいだったとは言うかもしれないけど”



そう続けようとしたのに、部屋の扉は勢い良く閉まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...