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途中から小関部長は苛立ちよりも焦りのような雰囲気になり、そんな雰囲気に元気さんも気付いたからか口を開いた。



「この案件、何があるんですか?」



「・・・元気君と国光さんで必ず行かせるように指示が出てる。」



「社長からか。」



「そうだな・・・。
行かせないと俺の進退にも影響が出てくる。」



小声で小関部長が言った途端、冷や汗のような汗が吹き出てきた。



その汗を見ながら私は聞いた。



「面白い人みたいですね、その問題になってる人。」



「何も面白くないだろ。
どこの部署に回しても必ずトラブルになるそうだ。
頭が切れる分厄介者になっているらしい。
重要案件や厄介な案件の時はいつも国光にやらせるよう前会長から言われていたが・・・。」



小関部長が不機嫌な顔で私のことを見てきた。



「会社で長靴を履くなと言っただろ!!」



社内でも真っ赤な長靴を履いている私に怒鳴り付けてきた。



「これから法務局に行ってくるので。
ほら、雪が降ってきました。
夜には積もりますよ。」



私の言葉に元気さんだけではなく総務部の他の人達の笑い声も微かに聞こえ、小関部長が凄く怒っている顔で私のことを見ている。



「すみません、私は不思議ちゃんなので。」



「いやいや、国光ちゃんは天気予報より天気予報なだけだからね!!」



元気さんが大きな声でそう言って、困った顔で私の方を見てきた。



「俺の父さんからの指示だしね。
何かがあるらしいから、行ってみようか。」
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