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「元気さんのお兄さんですか・・・?
お会いしたことありませんよ?」
「そうなの?
この前電話した時に会ったって聞いたけど、見掛けただけなのかな。」
私のお父さんと同じ職場なようなので私のことも知っているのかもしれない。
見掛けたなら声を掛けてくれれば良かったのにと思いながら、深刻な顔をしたままの支社長さんに小関社長が私のお父さんのことについて「神社の神主さんで・・・」と説明をしていた。
「それで、問題の社員というのはどんな方なんですか?」
元気さんが聞くと、社長さんが資料を元気さんの前に出してきた。
「最初は新卒で本社に採用したんだよね、凄い大学を卒業していたし。」
小関社長の言葉の途中で資料を見ていた元気さんが爆笑し始めた。
「扱うのが難しいでしょうね、こういう大学を出ていると。」
「本当にその通りで。
仕事も基本的には優秀だったんだけど、なんといってもその子を使いこなせるような上がいなくてね。
本社だけではなく色んな所をたらい回しのようにしてしまって、どこもお手上げ状態になってこっちに飛ばしたんだよね。
正直な話、自主退職してくれればいいねとなって。」
「それでも退職しなかったんですか。」
「雪国に行けると喜んでいたらしいよ。」
「そういう奴ですからね。
相川は今日出勤していますか?」
元気さんの発言に小関社長も支社長さんも少し驚いた顔をした。
「僕、高校を卒業してから放浪の旅に出ていて。
その時の友達ですね、相川は。」
.
お会いしたことありませんよ?」
「そうなの?
この前電話した時に会ったって聞いたけど、見掛けただけなのかな。」
私のお父さんと同じ職場なようなので私のことも知っているのかもしれない。
見掛けたなら声を掛けてくれれば良かったのにと思いながら、深刻な顔をしたままの支社長さんに小関社長が私のお父さんのことについて「神社の神主さんで・・・」と説明をしていた。
「それで、問題の社員というのはどんな方なんですか?」
元気さんが聞くと、社長さんが資料を元気さんの前に出してきた。
「最初は新卒で本社に採用したんだよね、凄い大学を卒業していたし。」
小関社長の言葉の途中で資料を見ていた元気さんが爆笑し始めた。
「扱うのが難しいでしょうね、こういう大学を出ていると。」
「本当にその通りで。
仕事も基本的には優秀だったんだけど、なんといってもその子を使いこなせるような上がいなくてね。
本社だけではなく色んな所をたらい回しのようにしてしまって、どこもお手上げ状態になってこっちに飛ばしたんだよね。
正直な話、自主退職してくれればいいねとなって。」
「それでも退職しなかったんですか。」
「雪国に行けると喜んでいたらしいよ。」
「そういう奴ですからね。
相川は今日出勤していますか?」
元気さんの発言に小関社長も支社長さんも少し驚いた顔をした。
「僕、高校を卒業してから放浪の旅に出ていて。
その時の友達ですね、相川は。」
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