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見てみると朝エレベーターで話し掛けてきた男の人。
その男の人が困った顔で笑いながらこっちに向かってきた。
「総務部で集合って話だったよね。」
「美鼓ちゃんがこっちにいるって聞いたから挨拶だけでもと思って!!
そしたら唯斗君が“ゆきのうえ商店街”で働くとか言っててさ!!」
「唯斗君?」
「俺のハトコ!!この子!!」
元気さんが唯斗君を紹介すると、唯斗君は小さくお辞儀をしながら元気さんの隣に並ぶ男の人を見た。
「この人誰?」
唯斗君の言葉に男の人が優しく笑いながら口を開いた。
でもその目は一切笑っていない。
「そんな口の聞き方をしていいのは幼稚園くらいまでかな?
増田の家では初対面の相手とちゃんと挨拶することも教育してないの?」
「してない!!!
だから俺も兄ちゃんもマジでヤバい奴!!!」
「たしかに、譲君は特にヤバい奴だった。」
男の人は楽しそうな顔で笑いながら懐かしい顔をして、それからまた唯斗君を見た。
「俺はNKCの橘信之(たちばな のぶゆき)です。」
「NKC?」
唯斗君が首を傾げながら繰り返すと、男の人は名刺入れから取り出した名刺を唯斗君に渡した。
「去年の6月にNKコーポレーションのCEOに就任した橘信之です。」
男の人の言葉に食堂が一気にどよめいていく。
私の近くに立っていた先輩達もお互いに顔を見合わせていて、私はよく分からないのでただキョロキョロとしているだけで。
それは私だけではなく唯斗君も同じだった。
「唯斗!!」
どよめいている社員食堂の中、一平さんが走って唯斗君の所まで向かってきた。
その男の人が困った顔で笑いながらこっちに向かってきた。
「総務部で集合って話だったよね。」
「美鼓ちゃんがこっちにいるって聞いたから挨拶だけでもと思って!!
そしたら唯斗君が“ゆきのうえ商店街”で働くとか言っててさ!!」
「唯斗君?」
「俺のハトコ!!この子!!」
元気さんが唯斗君を紹介すると、唯斗君は小さくお辞儀をしながら元気さんの隣に並ぶ男の人を見た。
「この人誰?」
唯斗君の言葉に男の人が優しく笑いながら口を開いた。
でもその目は一切笑っていない。
「そんな口の聞き方をしていいのは幼稚園くらいまでかな?
増田の家では初対面の相手とちゃんと挨拶することも教育してないの?」
「してない!!!
だから俺も兄ちゃんもマジでヤバい奴!!!」
「たしかに、譲君は特にヤバい奴だった。」
男の人は楽しそうな顔で笑いながら懐かしい顔をして、それからまた唯斗君を見た。
「俺はNKCの橘信之(たちばな のぶゆき)です。」
「NKC?」
唯斗君が首を傾げながら繰り返すと、男の人は名刺入れから取り出した名刺を唯斗君に渡した。
「去年の6月にNKコーポレーションのCEOに就任した橘信之です。」
男の人の言葉に食堂が一気にどよめいていく。
私の近くに立っていた先輩達もお互いに顔を見合わせていて、私はよく分からないのでただキョロキョロとしているだけで。
それは私だけではなく唯斗君も同じだった。
「唯斗!!」
どよめいている社員食堂の中、一平さんが走って唯斗君の所まで向かってきた。
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