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俺の声にミコちゃんが止まった。
「本当は笑いたくないのに笑わないで。
俺には何でも言って。」
「でも・・・笑わないと・・・。
“変な子”は嫌です・・・。
それに大人になったから“変な人”にもなる・・・。
私、大人になりたくないです・・・。」
「そうなんだ、兄ちゃんも俺も早く大人になりたかったタイプだからな。
早く大人になって偉くなりたいって。」
「偉くですか?」
「うん、偉くなりたいんだ。」
偉くなったら“ゆきのうえ商店街”に遊びに行くと幼馴染み達と約束していた。
だから兄ちゃんも俺も早く偉くなりたいと思っていた。
「でも兄ちゃんの方がその気持ちがずっとずっと強いから、俺はまずは兄ちゃんに協力をしてる。
当時俺はまだ6歳だったし兄ちゃんほどの強い気持ちは残ってない。
俺も兄ちゃんも巨大なモンスターを許せない気持ちはあるけど、それ以上に“ゆきのうえ商店街”での思い出は綺麗な思い出で。」
俺達のせいで“ゆきのうえ商店街”が潰されそうになっていると知り、その日から兄ちゃんと毎日毎日この神社に来た。
もう俺は笑えなかったけど、歩けなかったけど、兄ちゃんに手を引かれて毎日毎日5円玉を投げ入れていた。
「幼馴染み達が最後に見せてくれたんだ。
“ゆきのうえ商店街”がお客さんでいっぱいになっている光景を。
本当のお客さんじゃなくて雪だるまで出来たお客さん、うちの化粧品で化粧をしたっていう絵の具で彩られた雪だるまのお客さん。」
あの日の綺麗な光景を思い出しながら、この神社の向こう側にある“ゆきのうえ商店街”の方を眺める。
「いつか必ず俺も偉くなる。」
「私も近くで見ています。
元気さんが偉くなる所を。」
「本当は笑いたくないのに笑わないで。
俺には何でも言って。」
「でも・・・笑わないと・・・。
“変な子”は嫌です・・・。
それに大人になったから“変な人”にもなる・・・。
私、大人になりたくないです・・・。」
「そうなんだ、兄ちゃんも俺も早く大人になりたかったタイプだからな。
早く大人になって偉くなりたいって。」
「偉くですか?」
「うん、偉くなりたいんだ。」
偉くなったら“ゆきのうえ商店街”に遊びに行くと幼馴染み達と約束していた。
だから兄ちゃんも俺も早く偉くなりたいと思っていた。
「でも兄ちゃんの方がその気持ちがずっとずっと強いから、俺はまずは兄ちゃんに協力をしてる。
当時俺はまだ6歳だったし兄ちゃんほどの強い気持ちは残ってない。
俺も兄ちゃんも巨大なモンスターを許せない気持ちはあるけど、それ以上に“ゆきのうえ商店街”での思い出は綺麗な思い出で。」
俺達のせいで“ゆきのうえ商店街”が潰されそうになっていると知り、その日から兄ちゃんと毎日毎日この神社に来た。
もう俺は笑えなかったけど、歩けなかったけど、兄ちゃんに手を引かれて毎日毎日5円玉を投げ入れていた。
「幼馴染み達が最後に見せてくれたんだ。
“ゆきのうえ商店街”がお客さんでいっぱいになっている光景を。
本当のお客さんじゃなくて雪だるまで出来たお客さん、うちの化粧品で化粧をしたっていう絵の具で彩られた雪だるまのお客さん。」
あの日の綺麗な光景を思い出しながら、この神社の向こう側にある“ゆきのうえ商店街”の方を眺める。
「いつか必ず俺も偉くなる。」
「私も近くで見ています。
元気さんが偉くなる所を。」
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