【完】幼なじみの小太郎君が、今日も私の眼鏡を外す

Bu-cha

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小太郎君のお母さんがママをしているスナックを出ると、小太郎君はゆっくりと歩き出した。



でも、私の手を握ったまま。
強く、強く、握ったまま・・・。



しばらくしてから私が持っていた紙袋も小太郎君が持ってくれて、いつものようにタクシーに乗り込んだ。



「採用終わって良かったな。
もうあそこ行かなくていいんだろ?」



「あと数日残ってたけど・・・どうにかするって言ってくれた。」



「あの男どうするだよ?
人事部の男に誘われてるんだろ?」



「・・・あ、そうだった。」



「俺から連絡しておく。」



「キャリアアドバイザーなのに?」



「女の誘い方をアドバイスしておく。」



それは結構面白くて・・・笑ってしまった。



「うちの優秀なキャリアアドバイザーだからね?」



「変な求職者ばっかり俺に回しやがって。」



「その人達から凄い人気だよね?
でも、分かるよ・・・。
小太郎君は優しいからね。」



繋がれた手、そこに私も少しだけ力を込めた・・・。



アヤメさんから輸血された“少しだけの度胸”が、まだ私の身体を巡っているのかもしれない。




「不器用だけど、凄く優しいから・・・。」




小さな小さな声でそう言って、小太郎君を見る。




「小太郎君、ありがとう。」




難しい顔をしている小太郎君にそう言って、笑った・・・。
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