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「明日の決起会、真坂部長行く~?」



今日のお昼はオーシャンと社員食堂で。
前よりも甘くて美味しく感じるようになったフレンチトーストを食べながらオーシャンに聞いた。



「第一営業部の部長だし行かないとね。」



「前の会社の支社の人達と会ったことあるの?」



「あるよ、何度かね。
本社の社員より支社の社員の方が遥かに優秀だったよ。」



「藤岡副社長、株式譲渡をさせてから本社を消しちゃうくらいだったしね。
本社の人達には書類選考なしでうちの会社の面接を受けられるようにしたから、応募が殺到して新卒担当だけどあたしもやってたんだよね。」



「本社の社員、良い人ほとんどいなかったよね?」



「全然いなくてビックリした~!!
高校生の学生ちゃんの方が良いくらいにいなかった~!!」



そこまで話して、オーシャンを見る。



「でもあの会社って、新卒だと4年制大卒以上じゃないと採用されないはずだよね?
オーシャン高卒なのにどうやって入社したの?」



「あの会社の人事部の人と知り合いで、俺のことを入れてくれたんだよね。」



「そんなに見る目がある人事部の人、うちの会社に応募しなかったのかな?」



「俺を採用するのと引き換えにその人は支社に飛ばされたんだよね。
上に何でも意見をするから元々目をつけられてて、俺を使ってその人を遠ざけたかったんだろうね。
でも結果的にその人が支社の人事を担当してから、支社が本社の売上げを上回った。」



「それは聞いた!!
支社の人達に良い人材が多いのは、その人の力だったんだ!?」



「本社と物理的な距離も離れてたし、本社の悪い影響をそこまで受けていなかったようで。
そこにあの人が加わって、更に勢いがついたんだろうね。」
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