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月曜日



全身鏡の前に立ち、今日は少し大きめのダイヤのネックレスをつけた。
数日前の10月15日、仕事帰りに誕生日プレゼントとして自分で購入したもの。
最高潮に気分が良い。



鼻歌を歌いながら部屋を飛び出していく。



そして・・・



階段を降りていく人の後ろ姿が見え・・・



また大きく溜め息を吐いた。



「おはよう!!」



大きな声で挨拶をして、私も階段を降りていく。
この優男は、ムシャクシャする笑顔を朝から向けてきて、最高潮に気分の良い私の邪魔をする。



それでも・・・やっぱり気分は良いけど。



「今日は、一段とご機嫌ですか?」



「そうね、今日は退職届を出すわ。」



階段を降りた優男が、普段のゆっくり丁寧な動きではなく、勢い良く私を振り向いた。



驚いた顔、そして・・・無表情になり私を見詰め・・・



「それは、おめでとうございます。」



無表情のまま、私に言った。
いつもの笑顔でないけど、無表情の顔も私をムシャクシャとさせた。
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