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「申し訳ありません・・・。
あの・・・退いていただけますか?」



「私が退いたら、ここ、どうするの?」



「・・・どうにかなりますので、お気遣いなく。」



「そう・・・。わかった。」



「・・・なっ!?服を脱がないでください!!!」




ムシャクシャする笑顔でもなく、無表情でもない、慌てるこの人の反応に笑えてくる。
脱いだ長袖のシャツを手から離すと、パサッと床から音が聞こえた。




必死に私の胸から視線を逸らすこの強情な男。




この人の首に両手を回し、身体を近付ける・・





「私のブラジャー、何色が教えなさい?」




「あの・・・本当に、やめてください。」




「ピンクなの、可愛い薄いピンク色・・・」





数秒黙った後・・・
ゆっくりと顔を少しだけ動かし・・・横目で私の胸を見た・・・





そして、苦しそうな顔で目を強く閉じた・・・





「なんのっ・・・嘘ですか!」




「何色だった?」




「・・・黒でした!」




「そうね、真っ黒・・・。
金曜日の夜も、同じのつけてたのよ?
あのナイトドレスの下に・・・。」
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