【完】FUJIメゾン・ビビ～インターフォンを鳴らして～

11

11-3

「・・・おはよう、早いね。」



インターフォンが鳴った瞬間に扉を開けた私に、この人は面白そうな顔で笑った。



「玄関の前で待ってたのよ。」



そう言って、私も笑う。



「行こうか、海・・・。」



「最高潮に気分が良いわ。」



差し出された手に、手を重ねた。



この人と電車に乗って、海に行く。



この人の大好きな、電車に乗って・・・。



大丈夫、線路は続いているから・・・。