【完】可愛くて美味しい真理姉

Bu-cha

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「それは・・・めっちゃ恥ずかしいな!!!」



やっと事情が分かった光一が、身体を大きく震わせながら大笑いしている。
そして、私の背中を強めにポンポンと叩いてきた。



「もうやだ・・・。
女の人ばっかりなのに・・・数少ない男の人の中に、よりによって和君が・・・。」



「登録者数100万人超えてるからな!!
美容系ランキングでも上位だし、目に留まるだろ!!」



光一がそう言いながらも大笑いを続けていて・・・



「でも、めちゃくちゃ恥ずかしいのは分かる!!
どの動画にも“和君大好き”な話が盛り沢山で編集されてるからな!!
小学生の頃の初恋を拗らせたコミュ障って痛烈なコメントもよくされるし!!」



「でも毎回再生してくれてるみたいだし・・・。
無視もしないでそうコメントもしてくれてる・・・。」



「変な所がポジティブだな!!」



そう言われたかと思ったら、私の腰回りに光一がモコモコの上着を回してくれた・・・。
たぶん、和君が渡してくれたのだとは思うけど・・・。



「和雄さん、今日はとりあえず帰って。
あれを見られてたなら真理姉恥ずかしすぎるからな。
でも・・・」



光一が言葉を切ったのが分かり、そしたらまた私の背中を強めにポンポンと叩いてきた。



「あれ、俺の妹が編集してるんだよ。
見てくれてて良かった。
まさか“和君”が妙子の兄貴のことだとは思わなかったけどな!!
世間狭すぎだろ!!」 



「俺にとっては世間は広すぎたけどな。
やっと今日、俺から外でばったり会えたんだよ。」



「それなのに部屋まで押し掛けてきたのかよ!!
まあ、“和君”がこんな感じで弟の俺は安心したよ。
引くどころかこんな感じになってくれる奴で。」



「・・・本当に“弟”なんだよな?
何かある訳じゃないよな?」



「気持ち悪いこと言うなよ。
真理姉については、姉貴どころか“母親”くらいの感情だからな。」



「それ・・・確かにサメの妹も動画で言ってたな。」



最後にまた和君が動画の内容を言ってきて・・・



「落ち着いたら連絡して」と、私の頭に少しだけ触れ・・・



和君は我が家から出ていった・・・。
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