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「正月の時とは違う所のお米、分かる?」



宝田の家のリビングで、宝田のお母さんが作ったくれたご馳走を食べていると宝田が聞いてきた。
また、そんなダルいことを聞いてきた。



「昔から何度も聞かれるけど、私に分かるわけないでしょ!!」



「・・・マジかよ、全然違うだろ!!
今回は簡単な問題だぞ!?」



「私はバカ舌なんでしょ!?
そんなの分かるわけないって!!」



「こんなんで酒屋の娘とか、よく言えるな!?」



「酒屋の娘だからって、そんな舌を持って生まれてこられないから!!」



「弟は素晴らしいとしか言えないような舌を持ってるだろ!!」



「だから!!弟が酒屋を継ぐんでしょ!?」



私がそう叫ぶと、宝田はやっと「それもそうだな」と落ち着いた。



「雪枝ちゃんは絹枝ちゃんにソックリだからね。
絹枝ちゃんも味オンチだったから、お茶屋の娘だったのに。」



この商店街にあるお茶屋。
その娘として生まれたお母さん。
今はお母さんの弟がお茶屋を継いで奥さんと経営している。



「でも、長峰は歌ったり踊ったりは出来ないけどね・・・。」



宝田がそう言って、肩を揺らしながら笑っていて・・・。
絶対に私の歌のテストと運動会で踊らされたダンスの姿を思い出している。



「自分は何でも器用に出来るからって、人のことバカにしないでよ!!」



「バカにはしてないって!!
その綺麗な顔でアレとか、ある意味男子達萌えてたし!!
それにしても、顔もお母さんに似て良かったよね!!
お父さん・・・うん、ね!!」
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