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「このメンチカツ、ちっさ~!!!
それなのにこの値段なんだ!?」



「しかも揚げたてじゃないし!!
この前食べたけど全然美味しくなった!!」



「「「「“ゆきのうえ商店街”の肉屋の方が美味しい!!!」」」」



今日もランドセルを置いた後、幼馴染み達で百貨店をウロウロとしていく。
そして、色んな商品についてこんな発言をしていく。
大きな大きな声で。



本当は食べたことも買ったこともないけれど、そんな“嘘”を言っていく。
駿が言うには“偽り”らしい。
作為的に言っていることなので“偽り”らしい。



毎日毎日来る私達のことを百貨店の大人達は誰も注意をしなかった。
駿は「藤岡社長が連れてた子ども達だからね、俺達」と言っていた。



そして、そんな見回りが終わった後は、百貨店の回りでチラシを配り始める。
最初は自分達で作っていたけれど、今では商店街の大人やお兄さんお姉さん達も手伝ってくれて立派なチラシになっている。



それをみんなで笑顔で元気良く配っていく。



百貨店の回りにいる大人達は結構受け取ってくれる人が多くて。
微笑ましく私達を見てくれることもある。



これで商店街にお客さんが増えたかと言ったらそんなことはないけど。



動き続けなければいけないから。



足を止めてはいけないから。



だから今日もみんなで動き続ける。



今日も灰色の空の下、ユズだけがいない中、みんなで動き続ける。
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