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「「ユズー!!!出てきなよ~!!」」
幼馴染み達がユズの家の前で叫ぶけど、ユズは全然出てこない。
駿は何も言わずにユズのお店の扉を見詰めている・・・。
みんなは2階の家の方を向いているのに、駿だけはお店の扉を見詰めている。
中から布で閉められていて中が見えない扉を。
そして、駿が私の右手を握ったまま一歩踏み出した。
お店の扉の前に、踏み出した。
「ユズ。」
お店の扉の前で、駿が普通の大きさの声でユズの名前を呼んだ。
「雪枝がまた面白いことをしたよ。
見においでよ。」
何も見えない、何も言わない扉に話し掛ける。
それに私達が黙っていると、駿は私の右手を強く握ってきた。
痛いくらいに強く、握ってきた。
そして・・・
「最後でいいから、出ておいでよ。
最後でいいから、みんなで見ようよ。
“ゆきのうえ商店街”がお客さんでいっぱいになったところを。
最後に、見てよ。」
そんなことを言った・・・。
駿が、そんなことを言った・・・。
“最後”と、そんなことを言った・・・。
そんなことを言う駿には驚いたけど、もっと驚いたのは・・・
ユズの家のお店、その扉がゆっくりと開いた・・・。
ゆっくりと、ゆっくりと、開いた・・・。
「「「「ユズ!!!!」」」」
「お前ら、早起きすぎだろ!!!」
中からは笑顔のユズが出てきた。
いつもと変わらない、笑顔のユズが。
幼馴染み達がユズの家の前で叫ぶけど、ユズは全然出てこない。
駿は何も言わずにユズのお店の扉を見詰めている・・・。
みんなは2階の家の方を向いているのに、駿だけはお店の扉を見詰めている。
中から布で閉められていて中が見えない扉を。
そして、駿が私の右手を握ったまま一歩踏み出した。
お店の扉の前に、踏み出した。
「ユズ。」
お店の扉の前で、駿が普通の大きさの声でユズの名前を呼んだ。
「雪枝がまた面白いことをしたよ。
見においでよ。」
何も見えない、何も言わない扉に話し掛ける。
それに私達が黙っていると、駿は私の右手を強く握ってきた。
痛いくらいに強く、握ってきた。
そして・・・
「最後でいいから、出ておいでよ。
最後でいいから、みんなで見ようよ。
“ゆきのうえ商店街”がお客さんでいっぱいになったところを。
最後に、見てよ。」
そんなことを言った・・・。
駿が、そんなことを言った・・・。
“最後”と、そんなことを言った・・・。
そんなことを言う駿には驚いたけど、もっと驚いたのは・・・
ユズの家のお店、その扉がゆっくりと開いた・・・。
ゆっくりと、ゆっくりと、開いた・・・。
「「「「ユズ!!!!」」」」
「お前ら、早起きすぎだろ!!!」
中からは笑顔のユズが出てきた。
いつもと変わらない、笑顔のユズが。
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