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駿に連れられ私の部屋に入り、ベッドに座らされた。
涙なんて出ないくらいに私の目も放心状態の中、隣に座った駿を見る。



「みんな知ってるの・・・?
だから、この商店街では“浮気も不倫もご法度”だってみんなが言ってるの・・・?」



「うん。」



「駿はいつから知ってたの・・・?」



「子どもの頃から知ってた。
家でお酒を呑みすぎた父さんが、怒り狂いながらよく話してたから。」



「幼馴染み達は・・・?」



「直接聞いてはないけど、ずっと前から知ってると思う。」



「何で・・・私に教えてくれなかったの?」



「雪枝のお父さんが雪枝と正志には知られたくないって言ってるらしいから、みんなそれを守ってる。」



そんな返事には、私は小さく笑った。



「私、みんなにずっと嘘つかれてたんだ。
お父さんとお母さんが喧嘩ばっかりって愚痴ってた時も、こんなに大事なことを教えてくれなくて嘘や偽りの言葉ばっかり並べて、嘘偽の笑顔を見せて“喧嘩するほど仲が良い”とか言ってきて。」



「みんな言わなかったけど、別に嘘偽ではないよ。」



「嘘偽でしょ。全部、嘘偽でしょ。
お父さんとお母さんが結婚したのだって売り言葉に買い言葉で、全然好きじゃないのに結婚して。
全然好きじゃない人の子どもまで作って生んで育てて。
それは喧嘩ばっかりするよ、だって本当の夫婦じゃないんだもん。
嘘偽の夫婦が嘘偽の家族を作って生活してるんだもん。」



「お父さんとお母さんから直接聞いてみよう、雪枝。」



「何て聞くの?
“お父さんには泣き狂って土下座してすがる程愛してる奥さんがいて、売り言葉に買い言葉で結婚したとはいえ何でまだ夫婦してるの?”って?」



「うん、聞いてみよう。」



「聞かなくても分かるよ。
私も正志もいるからね、2人とも私達のことは好きでいてくれてる。
・・・でも、私も正志もお父さんと血繋がってるのかな。
だってお父さんと全然似てない。
お母さん、ブッサイクって言ってるお父さんとセックスなんて出来ないでしょ。
お母さんの不倫相手の子どもなのかな。」
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