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お正月に会った時はそれぞれの旦那の笑い話で盛り上がっただけなので、結婚した後にこういう話をするのは始めてだった。



「結婚式にしてもさ、準備の時から色々とあったんだよね。
色んなことの期限が迫ってるのにサトシの方は一向に手をつけてなかったりで、一緒に暮らしてるだけでイライラしたもん。
向こうは向こうで、私が色々と拘ってたからイライラしてたし。」



「結婚式の準備か・・・。
うちらの結婚式は会社の仕事の一環でもあったから、結構2人でテキパキとこなしちゃったんだよね。」



「あの盛大な結婚式ね~!!
結婚して1ヶ月後という急な挙式だったのに、よくやったよ本当に。」



「時間がなさすぎたから、珍しく喧嘩もなかった!
そんなことしてる時間も勿体無いという意見は一致してたんだと思う!」



「雪枝と駿って、2人で力を合わせた時いつも凄いもんね。」



キミヨが笑いながら、3杯目のお酒を置いてくれた。
3杯目は野菜のお酒にしてみた。
おつまみには温野菜まで出て来て、手作りのソースとお酒がよく合った。



「このソースは駿の妹様が考案してくれたやつ!」



「真琴も素晴らしい舌を持ってるからね。」



「雪枝の弟様もね!」



野菜や果物、お花やお茶のアイスクリームはキミヨが作っているけれど、このお店の夜に出しているお酒を考案しているのは正志と真琴だった。



「あのタッグは最強だからね。」



「それを言うなら、雪枝と駿のタッグだって最強。
雪枝と駿がいつも中心にいてくれるから、私達はいつだって無敵でいられる。」



キミヨが真剣な顔で私を見詰める。



「雪枝と駿はさ、普通の恋人同士とか普通の夫婦とかそういう枠にはおさまらないのは分かる。
“普通”って何なのって話だけど、とにかく2人は私達にとって特別な存在なの。
そんな2人が結婚したんだからそりゃあ普通じゃないよねって納得はしちゃう。」



「そうかな・・・。」



「夫婦の数だけ夫婦の形があるからね、雪枝と駿の夫婦の形をもう少し模索していけばいいんじゃない?」



「そんなようなこと、社長にも言われた。」



「どっちの?」



「板東社長。」



「そりゃあそうだろうね!!
私もオババせんぱいから言われた言葉だもん!!」



キミヨの言葉には驚いたけれど、板東社長・・・オババせんぱいの姿を思い浮かべる。
キミヨとサトシは入籍をしてから喧嘩が増えていた。
元々そこまで喧嘩をしていなかった2人なのに、入籍してからはよく衝突していたのは知っている。



「子どもが生まれてからは子どものことで更に喧嘩が増えててさ。
オババせんぱいによく相談したんだよね。
そしたらその時に言われた。」
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