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「・・・宝田、大丈夫?」



長峰が心配した声でそう聞いてくる。
長峰の中に全て入り、長峰の方が大丈夫なのか気になってはいるのに、長峰からそう聞かれた。



それには素直に言葉を出した。



「ヤバい・・・めちゃくちゃ気持ち良い・・・。」



それには長峰が笑いだして、長峰の身体もその中も振動してくる。



「待って、笑わないで・・・。
振動ヤバい・・・。」



「あっさり負けを認めてるの面白すぎるもん!!」



「いや、これは俺の負けだよ・・・。
長峰、痛い?」



「うん、痛い。」



「ですよね、もう僕の完敗ですよ。
ここから逆転出来る気がしないくらい、すぐに終わりそうです。」



俺の言葉に長峰がまた笑って、可愛い笑顔で俺のことを見詰めてくる。
その顔を見て、思わず「好き」と言いそうになった。



その“好き”が何の“好き”なのかよく分からないのに、言いそうになった。
だから必死に我慢をした。



そしたら今度は、引き寄せられるように長峰の顔に近付いてしまった・・・。



長峰の顔・・・



その唇だけを見て、近付いてしまった・・・。



キスをしようと無意識に近付いていると気付き、必死に我慢をしてギリギリで止まった。



俺達の関係は付き合う直前の犬猿の仲で。



ココとココは繋がってしまっているけれど、これは張り合った結果の状態で。



お互いに恋愛なのかよく分かっていない状況で、愛の言葉を囁いたりキスをするのは違うと思った。
それは嘘偽になってしまうと思った。



そんなことは大嫌いで。
小さな頃から酔っ払った父さんに何度も聞かされている“あの女”の話。
だから嘘偽の愛の言葉もキスも俺は大嫌いだった。



これはお互いの気持ちがいつか恋愛に変わった時、それが分かった時、嘘も偽りもない状態でしたいとそう思った。
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