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社長のデスクに座っているクソ親父の腕を引き、立ち上がらせる。
「歩くんだよ!!!しっかりしな!!!」
まだクソみたいな顔をしているクソ親父を見詰める。
「茨の道でも、歩くんだよ!!!
兄貴も小太郎もいなくなった茨の道でも、歩くんだよ!!!」
「いなくなったね・・・。」
「それでも!!!それでも歩くんだよ!!!
その鞄には、沢山の従業員が入ってるんだよ!!!
減らすんじゃないよ!!!!
もっと重くするんだよ!!!
もっと重くして、歩き続けるんだよ!!!」
「凄く、重くてね・・・」
親父の上等な鞄を持ち、親父の胸に思いっきり押し付ける。
「だから!!!来たんだろ!!!!
小太郎が見付けてきたあの男が!!!!
上等なその鞄の荷物を分けて持ってくれるような男が!!!
この鞄みたいな上等な鞄を持てない男なのかもしれないけど!!!」
クソ親父に押し付けた上等な鞄を、優しく触る。
そして、腹から声を出す。
毒を吐き出す。
目には見えない空気に、私の毒を吐き出し・・・広げる・・・。
目の前の男に届くように・・・
この経営者に届くように・・・
「立ちな!!!!歩くんだよ!!!!」
経営者は、孤独だから・・・。
弱さを見せるのは、空が黒くなってから。
日の当たる時間に歩き続け、空が黒くなってから立ち止まる。
夜の街で、立ち止まる。
経営者は、孤独だから・・・。
弱さを見せるのは、夜の女達だけにしか見せられないくらいに、孤独だから・・・。
目に輝きが宿りつつあるこの経営者に、笑い掛ける。
「缶ビールを飲むのは、あのテディベアのアフロと2人で飲む時だけにしな。」
「歩くんだよ!!!しっかりしな!!!」
まだクソみたいな顔をしているクソ親父を見詰める。
「茨の道でも、歩くんだよ!!!
兄貴も小太郎もいなくなった茨の道でも、歩くんだよ!!!」
「いなくなったね・・・。」
「それでも!!!それでも歩くんだよ!!!
その鞄には、沢山の従業員が入ってるんだよ!!!
減らすんじゃないよ!!!!
もっと重くするんだよ!!!
もっと重くして、歩き続けるんだよ!!!」
「凄く、重くてね・・・」
親父の上等な鞄を持ち、親父の胸に思いっきり押し付ける。
「だから!!!来たんだろ!!!!
小太郎が見付けてきたあの男が!!!!
上等なその鞄の荷物を分けて持ってくれるような男が!!!
この鞄みたいな上等な鞄を持てない男なのかもしれないけど!!!」
クソ親父に押し付けた上等な鞄を、優しく触る。
そして、腹から声を出す。
毒を吐き出す。
目には見えない空気に、私の毒を吐き出し・・・広げる・・・。
目の前の男に届くように・・・
この経営者に届くように・・・
「立ちな!!!!歩くんだよ!!!!」
経営者は、孤独だから・・・。
弱さを見せるのは、空が黒くなってから。
日の当たる時間に歩き続け、空が黒くなってから立ち止まる。
夜の街で、立ち止まる。
経営者は、孤独だから・・・。
弱さを見せるのは、夜の女達だけにしか見せられないくらいに、孤独だから・・・。
目に輝きが宿りつつあるこの経営者に、笑い掛ける。
「缶ビールを飲むのは、あのテディベアのアフロと2人で飲む時だけにしな。」
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